
あなたの心の覇権失敗:アニメマンガ名探偵すやまたくじです。
そんな今回のテーマは、2022年春アニメ、覇権失敗7作品特集ー!
スパイファミリーになりたかった!
前回の覇権成功6作品特集に続き、今回は放送前は覇権候補と期待されながらも、思うように結果が出ていない7作品の特集を。
この記事で分かる目次
前評判はSPY×FAMILY(スパイファミリー)並
2022年春アニメの覇権候補No.1と言えば、スパイファミリー。
スパイファミリーは前評判が高かっただけじゃなく、いざ放送が始まってみたら、
配信再生数ではぶっちぎりの第1位
僕が独自でやっているTwitter投票で選ぶ週間アニメランキングでも、現時点で5回中4回も1位を獲るなど、結果を出しまくり。
しかし、春アニメ放送前には、このスパイファミリーに対抗する覇権候補が7作品もいたんですよ。
今回はこの7作品がどうしてスパイファミリーのようにブレイクしなかったのか?
また、放送前は完全にダークホースだったパリピ孔明に話題を持っていかれたのか?
配信・Twitter・視聴者の感想などから分析し、その理由を考察していきます。
2つの失敗『名探偵コナン ゼロの日常』
原作漫画は2億5000万部を突破している説明不要の国民的アニメ『名探偵コナン』のスピンオフ。さらに、ゼロの日常も5巻で300万部突破と売れまくり。
これだけ材料が揃っているなら、スパイファミリーと同じく、ゼロの日常もアニメも大ヒット間違いなし!…と思ったら、
Twitterでも配信でも全然伸びないんですけどーー!?
そんなゼロの日常は2つの失敗があったかなと思います。
一つ目は本家は夕方アニメなのに、ファン層が違う深夜アニメに放送したこと。
15分アニメなのだから、そのシーズンだけ本家と半々で放送すれば、一番良かったんじゃないかなと思うのですが。
2つ目の失敗は、テレビの放送局が少ない上に、配信をネットフリックス限定にしちゃったこと。
これによって、普段コナンを観ている人でも、ゼロの日常は観れない人が続出。
ちなみに、ネトフリの再生数ランキングでも、ゼロの日常は独占配信なのに全然入って来てないので、ネトフリユーザーとコナンの相性は決して良くない追い打ちもかかりました。
女子もおこ『ヒロインたるもの!~嫌われヒロインと内緒のお仕事~』
男性にはあまり馴染みはないかもしれませんが、女子に大人気のHoneyWorks(ハニーワークス)の曲を原作とするアニメということで、女子の間ではスパイファミリー並の期待度と言っても過言ではありません。
なにしろ関連動画が合計8億も再生されている怪物ですから。
それが放送が始まってみたら、Twitterでも配信でもスン!と、男性が0話切りラッシュするのは分かるとしても、女性もあんまり盛り上がってなくない?という数字。
そんな感想で多かったのが、HoneyWorksの動画の画と比べると、アニメだとあんまり可愛くない。
これはチェックしてみるとアニメの画の解像度が低いと、合計8億再生の期待作品の割には制作費をあまりかけてないのが原因。
そして、お仕事ものかと思ったら、
オラオラ系のイケメンが『ジュース買ってこいや!』『荷物持てや!』みたいな感じで、ヒロインにきつく当たる昭和から続く少女マンガ的な展開に、0話切りしなかった男性陣も途中切りが続出。
さらに、この展開は女性の間でも賛否が分かれまして、
これ令和の今ではパワハラですから!ざんねん!!
と、てっきり女子はこういうイケメンが好きなのかなと思っていたら、拒否反応を示す人もけっこう出て来て、さらに失速したのが効きました。
最強タッグのはずが『くノ一ツバキの胸の内』
大ヒットラブコメ『からかい上手の高木さん』と同じ山本先生の漫画を原作に、前のクール着せ恋と明日ちゃんでフィーバーしたCloverWorks(クローバーワークス)が制作する。
しかも、クローバーワークスは今期の覇権スパイファミリーの制作にも参加していると、最強タッグ爆誕でくノ一ツバキも覇権戦線に絡んでくる。
と、思ったら、
配信でもTwitterでも原作売上でも全然上位に絡んで来ないんですけどーーー!?
山本先生~、山本先生~!くノ一ツバキの夜明けが遠いぜよ!
と、悔しさのあまり、幕末の志士のように叫んだ人がいたとかいなかったとか。
この最大の理由は百合コメディというジャンルでしょうね。
視聴者の中には高木さん以上だ!と絶賛する人も多い一方、そもそも百合というジャンルが、ライト層から避けられがちなのはもちろん、コアな深夜アニメ層の間でも評価が分かれるジャンルですから。
なにしろ着せ恋であれだけクローバーワークスを絶賛していた人たちも、今期のクローバーワークス作品はスパイファミリーのみ!と言わんばかりに、まったくくノ一ツバキについては触れないからね(特に女子が)
アニメのクオリティが高くても、観る人数が少ないジャンルだと、こうなってしまう。一つの例となってしまいました。
スポーツの弱点『アオアシ』
ヒット作を生み出しづらいと言われるスポーツ漫画で、発行部数1000万部超えの怪物サッカー漫画原作のアニメ。
原作漫画の売上的にはスパイファミリーにも負けてませんが、配信でもTwitterでも苦戦中。
夕方アニメなので深夜アニメ勢が盛り上がりづらいのは分かりますが、夕方アニメとしても毎話トレンド入りしていた『魔入りました!入間くん』とか比べると盛り上がりはイマイチ。
この理由は、先ほどもちょっと触れましたけど、
スポーツものはその競技に興味がないと、観ない人が想像以上に多いから。
さらに、深夜アニメ勢にとっては天敵と言ってもいい、男性キャラクターメインの作品ですから、深夜に放送したとしても、あまり状況は変わらなかったと思います。
観てハマった人の中にすら、アオアシで初めてサッカーアニメを観たとか、男性のスポーツもの初めて観たという人もけっこう多くいましたから。
なかには、『どんなにアオアシがいいと勧められても、俺は決して観る気にはなれない』とか言う人も。
こういう人にとっては、男性のスポーツものは、女性向けジャンルとあまり変わらないんでしょうね。
二つがぶつかった『マギアレコード Final SEASON-浅き夢の暁-』
なのに、最終回でもあんまり話題とならずー!!
マギレコは一挙放送だったので春アニメと言っていいか分かりませんが、覇権失敗のテーマとなれば、触れないわけにはいかない。
マギレコの最大の失敗の要因は、原作ゲーム『マギレコ』ファンと、アニメ『まどマギ』ファンのどっちにもいい顔をしようとし過ぎたことでしょう。
特にこれが顕著だったのが大失速したアニメ2期で、マギレコがメインストーリーなのに、2期の1話目は、まどマギメンバーが主役のように大活躍&作中でもトップクラスの神作画。
しかも、そこで作画カロリー使い過ぎたせいか、途中から作画崩れるし、2期は8話で終わって、残り4話は3期として一挙放送されるし。
なのに、まどマギメンバーは最終決戦には参加せんのかーい!と、まどマギメンバーを活用させようとし過ぎて、マギレコのバランスが崩れちゃったよね。
結果、ファイナルシーズン4話は、作画的にもストーリー的にもやっつけ感たっぷりだったし。
どっちにもいい顔しようとしてキャパオーバーと、ここは一方の批判は敢えて受け止めて、割り切ってどっちかに振り切るべきだった。
基本的な失敗『カッコウの許嫁』
今期の覇権候補で一番の大誤算だったのは、このカッコウの許嫁になるかもしれない。
週刊少年マガジンの記録を次々に塗り替え、『彼女、お借りします』や『五等分の花嫁』を超えるラブコメとして期待されていました。
が、放送が始まってみたら、原作漫画の売上はあまり伸びず、Twitterランキングでは3話にして圏外に飛んでしまった。
さらに、カッコウは配信もイマイチと、今のところ売上的にはかなりのシーキビ状態。
その原因は設定と作画。
ラブコメの定番を一気に詰め込んだ設定が視聴者から突っ込まれまくり。
男女の赤ちゃんを取り違えるか?とか、その割には両親も本人たちも大きな問題にしない、それどころか許嫁にして本人たちもなんだかんだで状況を受け入れる。
このラブコメを盛り上げるためのファンタジーな設定に、まずは日頃ラブコメを観ない層が拒否反応。さらに、ラブコメ好きの間でも賛否両論分かれた。
さらに、ヒロインの可愛さがウリのラブコメでありながら、
作画がイマイチやないかーい!というツッコミも入って、0話切り・1話切りが多発したのが効きました。
五等分の花嫁1期で叩かれて、かのかりで作画クオリティを上げてきたマガジンさんの本気はどこに行った?
同じ講談社の式守さんぐらいの作画は見せて欲しかった。
しかも、カッコウの許嫁は2クール放送決定と、このまま離脱者が増え続けたら、2クール目は全然話題にならない地獄の時間になっちゃう。
強みが弱み『可愛いだけじゃない式守さん』
発行部数260万部突破のマガポケのラブコメエースは、着せ恋と同じく、男女のファン層が7:3と男性向けラブコメでは珍しく、放送前は着せ恋並の大フィーバーを起こすかもしれないと期待度が高かった作品。
けれど、フタを開けてみたら、賛否両論が今期イチバン激しく、原作漫画の売上もあまり伸びず、コアな深夜アニメ層が集まる僕のTwitterランキングでは20位前後と低迷。
配信も欧米では爆発的な人気ですが、日本と中国での再生数はそこそこ。
結果、合計ではかぐや様や阿波連さんには届かない、ラブコメ覇権も難しい状態。
式守さんは賛否両論が激しいので、式守さんの声が合わないとか、原作のショートラブコメを30分放送したからとか、制作会社がイマイチなんて声もありましたが、最大の原因は作品の強みが弱みにもなっているところだと思います。
つまり、イケメンヒロイン&カワイイ主人公の男女逆転の設定で大ヒットした式守さんですが、ヒロインにイケメンはいらないし、男にカワイイは要らないと思う人も多いから賛否両論分かれちゃう。
特に式守さん以上に、和泉くんのキャラがキツイと切っている男性が多いのが効いてる模様。
また、かぐや様9巻の帯に『良いラブコメは、男共が面白い』という名言がありましたけど、大ヒットしているラブコメと比べると、和泉くんは笑いも弱い。
かぐや様の会長はもちろんとして、阿波連さんのライドウ、着せ恋の五条もツッコミで笑いを取っていた。
ラブコメで大ヒットしている作品は、どれも日頃ラブコメを観ない層も取り込んでいるので、笑いがその一つの要因となっているのは間違いない。
覇権失敗『2022春アニメ7作品』理由考察まとめ
今回の覇権失敗2022春アニメ7作品をまとめると、作画や放送時間という基本を外すと失敗しやすいけれど、
原作以上のクオリティで仕上げても必ずしも成功するわけじゃないのが難しいところ。