
あなたの心のサイエンス:すやまたくじです。
今回はそんな『Dr.STONE(ドクターストーン)』の感想・考察を。
最新21話に登場した発明品や文明の科学の元ネタと歴史をまとめました。
実際の歴史を知ることで、千空たちがどれだけ凄いことをしているからより分かるんじゃないかなと思います。
動画解説:スパルタ工作なアニメ【Dr.STONE(ドクターストーン)21話】発明品の科学文明の元ネタ歴史と感想・考察(約14分)
目次
Dr.STONE(ドクターストーン)21話の感想・考察
21話はスパルタ工作なタイトル通りに科学の発明ラッシュでしたね。
その科学の発展と共に石神村の発展もリンクさせているのが印象的でした。
特に60代のおじいちゃんであるカセキがそれを象徴していましたね。
(千空が来るまでは)のんびり生きてたのに桁違いに大変になっちゃって、そして桁違いに楽しいわい。
文明が発達していない国ではやることがなくて退屈なんて言われます。
日本ほど仕事や娯楽がないですし、電気がないとそもそも夜に活動できませんからね。
日本でもスマホやパソコンは登場する前は今よりもずっとやれることが限られていた。
科学文明は便利なだけでなく、そんな人間にやることの選択肢を数多く増やしてくれる側面もある。
そして、退屈は人間にとって天敵とも言われたりすることもあります。
そんな全部を感じさせる文明がない時代を長く生きていたカセキならではのセリフでした。
とまあ、21話の感想・考察はここまでにして、ここからは21話に登場した科学の元ネタと歴史を解説していきたいと思います。
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Dr.STONE(ドクターストーン)21話の科学文明・発明品の歴史と元ネタ
ここからは21話に登場した科学や文明、千空たちが作り出した発明品の歴史や元ネタを解説。
本当は21話からではなく、今までの全部を解説したかったのですが、数が多すぎたので勘弁してください(笑)
ちなみに、千空が来る前の石神村は紀元前14,000年以上前の石器時代の文明レベル。
日本でいったら縄文時代よりさらに前。
ドクターストーンのキャッチフレーズが、
石器時代から現代文明まで、科学史200万年を駆け上がる!前代未聞のクラフト(技術)冒険譚
となっていることから、紀元前200万年ぐらいを想定しているのかなと思います。
なので、ここでは分かりやすく、千空が来る前の石神村は紀元前200万年ぐらいの文明レベル。
ちょうどキリもいいので、そこから千空の発明品によってどれぐらいの科学史を駆け上がったか比較しやすいと思います。
水車とギア
20話から登場している水車とギア。
人力の時代を終わらせた水車は紀元前200年~紀元前100年頃に現在のトルコあたりで発明されたと言われています。
ただし、本格的に使われ出したのは中世ぐらい、今回の千空たちのように工業用動力としても使われ出したのは西暦900年代ごろ。
日本では平安時代の829年に作られたと言われており、本格的に使用され始めたのは江戸時代からだといわれております。
歯車ことギアの歴史は思ったよりも古く、こちらも紀元前150年~100年以前には製作されていたんじゃないかなと言われています。
ただし、ギアの歴史の記述については少ないので、どこで開発されたなどのあまり詳しいことは分かっていないのですが。
とはいえ、ここで紹介したいのは詳しい科学史ではなく、千空たちがどれぐらい凄いことをしたかの分かりやすさを重視しておりますので。
今回の水車とギアの開発で、紀元前200万年からだいたい紀元前200年~西暦900年まで一気に文明レベルを駆け上がったわけですね。
水力発電所
水車とギアによって生み出された水力発電所の原型となるものが1832年にフランスで開発。
本格的に水力発電所が作られたのはアメリカの1881年、日本では1888年となります。
千空は答えを知っていたとはいえ、紀元前200年~100年に開発された水車とギアを使って、1800年代後半までの2000年ぐらいの科学史をここでも一気に駆け上がっています。
バッテリー
電気を貯めるバッテリー、電池と言った方が馴染みがありますよね。
そんな電池は紀元前250年頃のイラクで世界最古のバグダッド電池が作られてたと言われています。
ただし、バグダッド電池は電池ではないという意見もあり、電池として使用された明確な証拠も今のところ未発見。
しっかりと記録があるものでは1800年にイタリアで開発されたボルタ電池。
イタリアの物理学者ボルタが開発したことでボルタ電池ですね。
ちなみに、日本初の電池は1849年のダニエル電池と言われております。
今回、千空が開発したバッテリーはこのダニエル電池の技術を使っているっぽいですね。
フーフー装置(ふいご)パワーアップ版
フーフー装置ことふいごをパワーアップ版とその中に使われていたギアなどの工作は蒸気機関車の応用じゃないかなと。
蒸気機関車の車輪を動かす部分が同じような仕組みになっているので。
先に電気を出して一気にすっ飛ばした蒸気機関をこういう形で組み込んできたのかなと。
そういえば、OPで今回の発明品をまとめたシーンが一瞬登場しますが、シルエットだけと見るとなんか蒸気機関車っぽくなっていますよね。
21話のような蒸気機関が普及したのは産業革命でおなじみの1800年代。
蒸気機関車が開発されたのは1804年となります。
ビン詰
ビン詰は発明品ではないですが、文明を進歩させたものもここでは紹介します。
保存の革命ビン詰は1500年代頃にヨーロッパから始まったと言われています。
日本でいえば1500年代は戦国時代の頃ですね(日本に入ってきたのともっと後になると思いますが)
今だったら冷蔵庫で簡単に食品は保存できますけれど、昔だったら食料は保存が効かなかったので冬などを越すのがとても大変だったみたいですね~
そんな保存方法に革命を起こしたのがこのビン詰、そしてそれが1800年代の缶詰、1900年代の冷蔵庫と繋がっていくのです。
ワイン
おフランス製などが有名なワインですが、意外と歴史は古く紀元前8000年頃の新石器時代には始まっていたと言われています。
新石器時代は石器時代の中でも最後の部分とされる一番新しい時代ですね。
お酒の歴史は古く、世界最古のお酒と言われている蜂蜜酒(はちみつしゅと書いてミード)は紀元前1万4千年前には飲まれていたとか。
ワインの発祥の地はやっぱりおフランス!…ではなく、ジョージアとなっています。
ジョージアと言ってもアメリカのジョージア州の方ではなく国の方、ソ連の一部だった元グルジアと言った方が分かりやすいですかね。
電球
エジソンの発明で有名な電球は1879年に安定的に連続2日間点灯させることに成功しています。
今では何年も持つ電球ですが、初期の頃は2日間点灯させるだけでも大騒ぎだった発明なんですね~
ただし、電球の実験はイギリスのジョゼフ・スワンが1848年から行っており、エジソンはその後に参入した競合相手なのですが、結果的にエジソンの方が有名になっちゃいましたね。
ちなみに、21話で千空は電球の熱線に最初は竹を使用して焼き切れていましたが、エジソンも実際に初期の電球では京都の竹を利用。
千空はスイカが持っていた宇宙最強の金属タングステンを含む灰重石(かいじゅうせき)を偶然に手に入れることで、そちらのゲットをクロムとマグマと共に挑みますが、
エジソンの電球の方は1883年セルロースという素材を使って完成させることになります。
では、なぜ千空のこのセルロースを使わなかった理由ですが、単純に抽出が今の技術でも非常に困難なので設備面で断念したんでしょうね。
が、電球はその後の1900年代初頭にタングステン製の熱線が使われるようになり、千空たちはセルロースを飛ばして一気に次の世代の電球を完成させようとしているわけですね。
クリスマス
文明の一つでいうことで、電球の装飾で魅せたクリスマスについても解説しておきましょう。
クリスマスはキリストのミサという意味で(あくまで誕生日を祝う日でイエス・キリストの誕生日ではありません)、日本で今みたいにクリスマスツリーを飾って盛大に祝うようになったのは戦後の1948年頃からと言われています。
クリスマスは世界各国でとらえ方がかなり違い、日本の祝い方はイギリス流を受け継いでいると言われています。
ただし、イギリスや同じイギリス流の影響を受けているアメリカでは家族で一緒に過ごすのがメインみたいで、日本のクリスマスは独特みたいですね。
日本の場合、そもそもキリスト教徒じゃない人もたくさん祝っていますからね。
【おまけ】ゲームのキャラ選択画面
灰重石(かいじゅうせき)探索に千空・クロムに続く、3人目を選ぶときの選択画面。
これは発明したものではありませんが、格ゲーというかアクションRPGゲームの文明という意味で一応こちらも解説w
対戦格闘ゲームの元祖は1980年代のテクノスジャパンの『対戦空手道』任天堂の『アーバンチャンピオン』コナミの『イー・アル・カンフー』カプコンの『ストリートファイター』などと言われています。
格ゲーブームに火をつけた有名な『ストリートファイターII』は1991年の作品ですね。
アクションRPGも同じく1980年代のナムコの『ドルアーガの塔』日本ファルコムの『ドラゴンスレイヤー』や『イース』などが元祖と言われています。
ちなみに、画像にも出ているコハクの体力と攻撃力は2番手の金狼の2倍以上、
どんだけコハク強えんだよ!w
まあ、属性ゴリラですしね(笑)
Dr.STONE(ドクターストーン)21話の感想・考察まとめ
30分の中に21話は8個+おまけ1個の発明品や文明を進歩させるものが詰まっていました。
次回は開発途中の電球も完成しそうですね。