
この作品からNetflix(ネットフリックス)の本気を感じたすやまたくじです。
今回はそんなネットフリックスオリジナルアニメ『B: The Beginning(ビーザ ビギニング)』の感想レビュー評価・考察を
目次
B: The Beginning(ビーザ ビギニング)とは?
- ジャンル:クライムアクション、サスペンス、ミステリー
- 配信期間:2018年・全12話(ネットフリックスオリジナルアニメ)
- アニメーション制作:Production I.G
- スタッフ:中澤一登、山川吉樹、石田勝也、常木志伸、池頼広
- キャスト:平田広明、梶裕貴、瀬戸麻沙美、小清水亜美、稲葉実
- 原作:オリジナル
目の前にあるのに誰も気付かない。
群島国家(ぐんとうこっか)『クレモナ』では、凶悪犯罪者ばかりが殺される事件が発生。
その連続殺人犯は現場に『B』と刻むことから通称:Killer B(キラーB)と呼ばれていた。
天才捜査官:キース・フリックはキラーBを追うためにある事件をキッカケに離れていた王立警察特殊犯罪捜査課に戻ることに。
キラーBを追うキースたち警察だったが、そこに模倣犯や別にキラーBを狙うテロ組織『マーケットメイカー』も絡み、事件の謎はさらに混沌となっていく。
三つ巴で展開される攻防戦
物語の基本ストーリーはキラーBを追う警察を軸に展開しますが、そこにキラーBサイドの視点やさらにキラーBを付け狙い警察とも敵対する『マーケットメイカー』の視点もプラス。
警察・キラーB・マーケットメイカーの三つそれぞれが追い追われつの攻防を展開します。
ときにはそれ以外の犯罪者が絡む事件も起こり、同じ時間軸で複数の事件が同時展開することもある。
その高度で複雑な絡み合いがビー ザ ビギニングの醍醐味。
敵か味方か?ダークヒーロー『Killer B(キラーB)』
僕が死んでもボクの想いは生き続ける
こちらがキラーB。
連続殺人犯とはいえ、狙う相手は凶悪犯罪者ばかりとダークヒーロー的で物語の裏主人公的な存在です。
いつもは普通の人間の姿ですが、キラーBとなってバトルを行うときは画像のように異形の者へと変化する力を持ちます。
変化後は人間を超える力を持ち、背中には羽が生え空を飛ぶことも可能。
また、なぜか現場に画像のような『B』の文字を刻んでいく。
この行動から通称:キラーBと呼ばれることになりました。
ただし、模倣犯や事件をキラーBの仕業に見せようとする犯人もこの文字を刻む場合もあり。
それが警察の捜査をさらに混乱させることになります。
闇で暗躍するテロ組織『マーケットメイカー』
お前を絶対に許さない。
何度でも繰り返してやる。
お前の周りでは大事な人が死んでいく。
狂気をプロデュースするテロ組織『マーケットメイカー』
表舞台には決して出てきませんが社会の闇で暗躍し、なぜかキラーBを付け狙う。
表には痕跡すら残さないので序盤では警察もその存在をマークしていないほど。
戦闘では人間を超えた力を持つキラーBと互角に渡り合うなど、こちらも何かしらの超常的な力を持っている模様。
また、マーケットメーカーに所属するキャラクターは画像のように顔に何かしらのペイントを施しているのも特徴です。
それらの謎を追う王立警察特殊犯罪捜査課
私はクレモア憲法を忠実に擁護し、国王命令を遵守し、警察職務に優先してそれに従うことを要求する
何者にも捉われず、何者を怖れず、何者を憎まず、良心のみに従って、王国とその臣民の自由と権利を守るため、警察職務の遂行にあたることを厳粛に誓います
こちらがクレモナの秩序を守る警察組織。
雰囲気的には洋画などに出てくる海外の警察組織に近いイメージ。
中央の司令官:エリックを中心に茶色の革のジャンパーっぽい服を羽織っているのが現場チーム、パソコンに向かっているキャラが情報などの後方支援チーム(画像に写っていないキャラもまだ何人かいます)
ここに天才捜査官:キース・フリック(一番上の黒髪メガネの男)を加え、キラーBやマーケットメーカーが起こした事件を捜査していきます。
攻めたアクション
アクションシーンに力を入れているのも本作の特徴。
1話目から画像のような刑事ドラマなどでお馴染みのカーチェイスで魅せてくれます。
パトカーの相手が装甲車というのはなかなか珍しいパターンですが(笑)
カーチェイスなどの3DCGを使ったアクションシーンはガンガン動く。
さらにキラーB VS マーケットメイカーの超常バトルはハイスピード。
空を飛ぶキラーBを相手に高層ビルの屋上から飛び降りてスピードで対抗するなど、マーケットメイカーのキャラクターもかなり人間離れした存在。
その両者がぶつかるのですからバトルも普通じゃない。
最高速のときは目で追えないほどのハイスピードへw
かと思えば、随所でスローや物が吹っ飛ぶなどの演出を入れてくるのが心憎い。
戦闘シーンもアクションも純粋なバトルアニメと比べても引けを取らないレベルですね。
ちなみに闇側のバトルや活躍を描くシーンでは残酷な描写もあるので注意。
テレビで放送されているアニメと比べるとこの辺りの規制が緩いのか、かなりハッキリと描かれているシーンもあります。
古典&最新捜査×天才の独自推理
主役となる警察もキラーBやマーケットメイカーに負けていない。
向こうがバトルで魅せるなら、こちらは推理や捜査による本格ミステリーサスペンスで魅せる!
現場チームは古典的な足を使った地道な捜査と緊急時は体を張った行動で事件解決にあたる。
逆に後方支援チームはいつもは署内で情報捜査。
事件が起こればパソコンを使って情報提供や電子操作でサポートする。
また、サイバーテロを行う相手なら電脳戦も繰り広げる。
そして、主人公の天才捜査官:キース・フリックはチームと行動しつつも時には独自に捜査に動く。
最大の見せ所はその頭脳を使っての推理。
キースが推理を始めると画像のような特殊な文字の演出が入るのが特徴です。
B: The Beginning(ビー ザ ビギニング)の独自評価・考察
表と裏の同時進行。
事件を追う警察(表)側の推理と同時に進むキラーB&マーケットメイカー(裏)側の戦い。
最初はあまり交わりがなかった二つが物語の進行と共に徐々に交わり、そして全容が見えてくる。
この仕掛けがオシャレですね~
ここらかはそれぞれの見所を詳しく紹介していきます。
裏サイドの底が見えないサイコスリラー
キラーBとマーケットメイカーの存在の謎。
彼らは一体何者でなぜ人間離れした力を持っているのか?
そして、マーケットメイカーはなぜキラーBを付け狙うのか?
序盤ではこの辺りが一切語られることはありません。
特にマーケットメイカーに関しては他の犯罪者を裏で操り暗躍するのみ。
そしてそれは警察内部にも入り込むほど。
序盤はその不気味さのみが際立っている存在です。
そして、主人公:キース・フリックは過去に彼らと何らかの関係があることをにおわせている。
序盤では断片的に周りから語られる過去の事件。
が、こちらもキースの口から語られることはありません。
その謎が物語が進むにつれてサイコスリラーの全貌があきらかになっていく緊張感がたまりません。
表サイドの推理小説並の本格ミステリーサスペンス
裏サイドでハイスピードバトルと異形の者の正体が明かされていくなら、表の警察サイドでは事件に関するミステリーサスペンスが展開していく。
生意気なガキなんてゴキブリよりもムカツク
社会に不満ばっか言ってるガキも死ぬほどムカツク
・・・黙ってろって言った!
現場がオーソドックスな捜査を行う一方、画像の吉永カエラ(見た目金髪なのになぜか日本人っぽい名前)を中心に後方支援部隊は情報捜査を行う。
特にカエラ姐さんの能力とキャラがいいですね~♪
かなり優秀で一人でバンバン情報解析を行いつつ、サイバーテロに対しては電脳戦まで行う。
カエラ姐さんのこの電脳戦は本作における見せ場の一つ。
もしかしたら偶発的に見える犯罪すら計画的に操作しているのかもしれん。
これから起きるであろう狂気の連鎖、その答えは表じゃなく、常に裏側
そして、警察側の最大の見せ場といえばキースの推理シーン。
上でも少し触れましたがキースが推理を行うときは画像のように文字の演出が入ってくる。
これがなんだか推理小説っぽい雰囲気も味合わせてくれるのですよね。
賢さが正解ではない、愚かさが正しい場合もある
察しているとは思うッスけど引き下がる気とかないッス!
パンも買ってきたし
また、キースだけでなくヒロインの星名リリィ(こちらは見た目も名字も日本人っぽい)もこの文字演出を見せることがあります。
新人捜査官でいつもはちょっとおバカな感じですが、他の人にはないひらめきとしぶとさを持つ女。
画像も机に文字を書いているわけではなく、演出としてリリィの思考が机が浮かび上がってきている形です。
二人で推理を展開するシーンは一人のときとはまた違う化学反応が生まれます。
また、推理小説なんかによくあるモノを使ったバージョンもあり。
仲間が残した暗号によるメッセージ。
それを解き明かして犯人を追い詰めるといった形。
この暗号も凝っていて本格推理小説並。
警察サイドではこういった謎を追う本格ミステリーサスペンスが楽しめます。
表と裏それぞれの謎が複雑に絡み合っていて、あとからシーン同士の繋がりも分かってくる。
そのため、再度見直すとこのシーンが後の話に繋がっているといった気付きがあってさらに楽しめる内容になっています。
B: The Beginning(ビーザ ビギニング)のひとこと感想まとめ
表サイドでは推理・裏サイドではハイスピードアクション、そして表と裏が交わることで事件の全貌が見えてくる作品。