
この作品を観るとトキワ荘を思い出すすやまたくじです。
今回はそんな女子高生漫画家の日常ギャグコメディアニメ&マンガ『こみっくがーるず』の感想レビュー評価・考察を。
目次
こみっくがーるずとは?
- ジャンル:女子高生漫画家の日常、ギャグコメディ、萌え
- 放送期間:2018年・全12話
- アニメーション制作:Nexus
- キャスト:かおす・赤尾ひかる、小夢・本渡楓、琉姫・大西沙織、翼・高橋李依
- 原作:4コマ漫画『まんがタイムきららMAX』・はんざわかおり
女子高生まんが家、寮生活はじめました。
他の漫画家と助け合うため、刺激を受け切磋琢磨するため、家や本人の事情のため。
それぞれ理由は違うが寮に集まったかおす・小夢・琉姫・翼の4人のJK(女子高生)漫画家を中心に巻き起こるちょっと特殊な日常と仕事のギャグコメディ。
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トキワ荘を彷彿とさせる女子高生まんが家寮生活
漫画家が集まると聞くと思い出すのがトキワ荘。
トキワ荘とは手塚治虫から始まり、後に売れっ子となった数々の有名漫画家が出入りしたアパートのこと。
アパートと寮という違いはありますが、こみっくがーるずでは女子高生が入る寮だというのになぜか今時ではあまり見ない大きめの木造一軒家。
作中では特に触れていませんが、このトキワ荘を彷彿とさせる雰囲気は多少は意識しているんじゃないかなと思います。
ちなみにトキワ荘に出入りしていた主な漫画家は、
- 手塚治虫
- 藤子不二雄
- 石ノ森章太郎
- 赤塚不二夫
などのそうそうたるメンバー。
そんな将来の女性版:手塚治虫などになるかもしれないこみっくがーるずのメンバーは、
4コマまんが家:萌田薫子(もえたかおるこ)ペンネーム:かおす。
独特のセンスはあるけれど、パンチの効いた絵柄とストーリーが足を引っ張りアンケートビリを取るなど結果が出ず。
非常にネガティブですぐに泣くなどのメンタルが弱いようで、どんなにダメ出しやボツを出されても数日後には新作を持ってくる根性のある女の子。
作画はタブレットPCで行っているため紙の原稿は苦手だけどデジタルには強い。
ちなみに、マンガを描くというと紙にペン入れなんかのシーンがよく出てきますが、実際の今のプロ漫画家はアナログよりもデジタルの方が多いようです。
少女まんが家:恋塚小夢(こいづかこゆめ)ペンネーム:恋スル小夢。
可愛いルックスに圧倒的な社交性と漫画家よりも人の前に出る仕事をした方がいいんじゃなかろうかと思える女の子。
女の子の絵は評価されているけれど、男の絵は苦手というレベルを超えるほどのパンチが効いたものになってしまう…。
後にそれは克服しますが、そのモデルとなっているのも女性とナチュラルに百合気質を感じさせるキャラクター。
TLまんが家:色川琉姫(いろかわるき)ペンネーム:爆乳♥姫子。
ちなみにTLとはティーンズラブの略で少女漫画のような絵柄でありながら性的描写や表現がガッツリと行われるマンガのことw
琉姫はすでにこのTL漫画で連載を持っていますが、本当はほのぼのとした動物ものを描きたかったことと担当に勝手に付けられたペンネームにもやもやを抱えている模様。
少年まんが家:勝木翼(かつきつばさ)ペンネーム:ウイング・V
翼もすでに『暗黒勇者』という作品を連載中。
女の子にモテモテな美少年系のルックスを活かした作品を描いている…のかと思いきや、作風は中二病的な熱血漫画。
そのためか、担当の方針で女であることは隠して連載しています。
今時は少年誌にも女性作家がいますし別に平気なような気もしますが、たしかに女の子にモテモテな美少年系女子だと人気は下がるかもしれない(笑)
女子高生の日常+漫画家の仕事ギャグコメディ
女子高生の日常をメインにした作品は数多くあるけれど、こみっくがーるずが他と大きく違うのはメインキャラクター全員がプロの漫画家というところ。
これによりよくある学園シーンや日常生活に加え、マンガ関連のエピソードを加えることができますからね。
というより、本作では漫画関連がメインで学園やその他の日常生活の方がサブといった形でさらに他と差別化しています。
また、萌え系アニメにしてはギャグ要素多めなのも特徴。
こちらもマンガを活かしたものからキャラを活かしたもの。
それに加えてお色気や萌え、百合系のギャグコメディも随所に挟んでくる。
数も種類も豊富な笑いが魅力です。
原作漫画とアニメ版はけっこう違う
- 作者:はんざわかおり
- 掲載誌:芳文社『まんがタイムきららMAX』
- 連載期間:2014年~
萌えとお色気要素が強いアニメ、ギャグ要素が強い原作マンガ。
僕の中ではこんな評価ですね。
見た通りアニメと原作漫画では絵柄がけっこう違います。
原作でも萌え要素はありますが、等身が小さいなどよりギャグキャラっぽい絵柄。
まんが家なんてみんな何かしら恥をさらして生きてる!!
みんな生き恥!!
みんな一緒!!
そのため、同じギャグシーンでもマンガ版の方が破壊力がありますw
アニメ版も笑えますが原作の方がより笑えるといった感じですね。
また、基本設定もいくつか変更されています。
大きな変更点はアニメ版ではトキワ荘を感じさせる古い大きめの木造一軒家だったのに対し、原作では普通の寮っぽく新しめのマンションとなっているところ。
また、原作ではメインキャラクターと寮母以外にもたくさんの女子漫画家が同じ寮に住んでいます。
この辺の先輩まんが家や同期のまんが家とのやり取りもけっこう笑えるだけにアニメではカットされたのはちょっとざんねん。
この辺のエピソードを削り、さらに原作が4コマ漫画ということもあり、アニメではオリジナルエピソードもいくつか入っているという変更点も。
アニメ版のストーリーは原作3巻までのエピソード+オリジナルな展開となっています。
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こみっくがーるずの独自評価・考察
他の萌え系アニメにはあまりない笑いとギャップと漫画家という設定。
ここがこみっくがーるずの最大の特徴であり魅力ですね。
ここからはその点に絞って独自評価・考察を。
萌え系アニメとは思えないキレッキレの笑い
正直、萌え系のアニメって笑いが物足りない作品が多い。
可愛さを残しつつギャグやコメディを展開するせいか、イマイチ思い切りが足りないのですよね~。
そんな中、こみっくがーるずは萌え系の絵柄でありながらギャグシーンになるとガンガンに攻めてくるところが大好物です。
正統派のボケとツッコミ・ドタバタ・キャラ・お色気・百合
そして、その萌え系の見た目すらときには笑いに変える。
かわいい見た目に反して、笑いを積極的に仕掛けてくるw
もともと原作でもこんな感じですが、アニメではより萌えの絵柄になったのでそのギャップが大きく、またその影響で最初は笑いが足りないかなとも思ったのですが、2話目にはその心配はなくなるほどでしたね。
主要キャラの見た目と中身のギャップ
こみっくがーるずの笑いで一番の軸となっているのがキャラ。
その中でも主要キャラを筆頭とする見た目と中身のギャップが大きいですね。
見た目は女子小学生、でも中身はおっさん、かおすという女。
主人公のかおすは小柄な体格からよく小学生と間違われる女の子。
小動物のような動きからよくいる萌え系アニメの主人公っぽい存在ですが、その中身はオタク系のおっさん。
ラッキースケベが起こるとお礼を言い(そもそも女子同士でラッキースケベと認識するのもどうかと思いますが)、自分以外の女子高生が戯れていると興奮してデッサンを始めたりする。
さらには一緒にお風呂に入ろうと誘われると目のやり場に困る!と断るなど、
見た目は子供、煩悩は男状態
可愛らしい見た目に反しておっさんみたいな言動や行動をするかおすは、主役にふさわしいこみっくがーるずの笑いのエース。
実際にいたら女子から嫌われそうなナチュラル勝ち組ガール、小夢という女。
天真爛漫で明るく誰とでもすぐに仲良くなれる圧倒的な社交性。
でも、ドーナツなどの甘いものを常にバクバク食べている食いしん坊。
そんなちょっとぽっちゃりの愛されキャラ…と見せかけてのまさかの作中屈指のナイスバディっ!?
さらに、この小夢は水着回やお風呂回でそのスタイルの良さを披露するだけでなく、寮の中でもすぐに下着姿になるというまったくけしからん女。
そして、もっとやれ!
そんな男にモテそうな要素ありまくりでありながら、本人はあまり男に興味がなく(むしろ百合気質)、さらにそのスタイルを維持する努力も全くやってないのにナイスバディ。
作中ではその社交性も活かして女友達が一番多いですが、実際にいたら女の敵も多そうな存在w
小夢に関しては笑いよりもお色気とツッコミ担当ですね。
雰囲気やペンネームとは正反対のフラットチェストピュアガール、琉姫という女。
TL漫画家でペンネームは爆乳姫子。
そして、特に意識してなくても周りをざわつかせる色っぽさを自然と醸し出す。
なのに、本当はTLよりもほのぼのとした動物ものが描きたく、さらにペンネームに反する作中屈指の貧乳。
ペンネームと周りに巨乳が多いことから貧乳コンプレックスをこじらせており、胸絡みの話題となると敏感に反応する。
いつもはツッコミ役ですが、ボケに回るとかおすを凌駕するぐらいの笑いを生むこみっくがーるずのシャドーストライカーとなっています。
実際にいると男から嫌われそうな美少年系残念ガール、翼という女。
作中屈指のモテガール(ただし同性から)
美少年風のルックスから数々の女の子から好意を寄せらたり告白されたりするけど、すべて中二病的な思考で勘違いして本人は全く気付いていない。
いつもはクールな中二病的な口調で、テンションが上がると熱血マンガの主人公になる。
さらに、男ウケの良そうな小夢に次ぐナイスバディでありながら、胸やスタイルの良さよりも筋肉にマニアックなほどにこだわりを持っていてむしろ男になりたいとさえ言う…。
そんな見た目を全く活かし切れていない残念ガール、でも女子からモテる!そして男前な厨二&熱血ボケをかましてくる!
でも、ジェットコースターだけは勘弁な!
という可愛い部分も持っている。
翼は実際にいたら男から嫌われそうな感じですねw
それもあって、翼は一番賛否両論が激しいキャラ。
僕も嫌いとまではいきませんが翼の中二病や熱血全開のギャグはイマイチ。
それよりも、普段サラッという小ボケの方がクスリとくるキャラですね。
漫画家の仕事描写も本格的
攻めたギャグが特徴の作品なので、最初は漫画家も笑いの材料の一つと思っていたのですが、これが意外と本格的に描かれています。
紙やペンでマンガを描く、かおすの方ではタブレットやPCを使ったけっこう詳しい原稿の描き方などが出てきたりする。
そんな漫画家の仕事がよく伝わるのが琉姫を主役とした第4話『くんずほぐれつランデヴー』
この回では琉姫のマンガをみんなで手伝うという漫画家とアシスタントの仕事風景が描かれているだけでなく、その作品の内容もガンガンに描写されています。
男の僕から見ても、
TL漫画ってこんなにエロいのっ!?
と思う原稿w
モザイクが外れた一体どうなってんだというレベルです。
僕はTL漫画は読んだことがないのですがこれぐらいが当たり前のレベルなんですかね。
また、この回では本当はTL漫画じゃなくてほのぼのとした動物ものが描きたかった
爆乳姫子というペンネームなのに現実の自分は貧乳で全然違うといった琉姫の葛藤も描かれています。
こんな自分がサイン会に行ったらファンからガッカリされないだろうかと…。
そして、いざサイン会をはじめてみたらファンが自分に会えて喜んでくれたと感動する。
そんな漫画家の大変さとやりがいが詰まっている回となっています。
ギャグがメインでありながらこういったマジメな話もしっかりしている。
ここのギャップも強い作品ですね。
こみっくがーるずのひとこと感想まとめ
こみっくがーるずは萌え系でありながら攻めた笑いと漫画家の大変さとやりがいが描かれている作品。