プロ野球選手事情を赤裸々に語るアニメ『グラゼニ』

なんだか新種のスポーツ作品を見た気分のすやまたくじです。

今回はそんな銭系プロ野球アニメ&漫画『グラゼニ』の感想レビュー評価・考察を。


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グラゼニとは?

  • ジャンル:銭系プロ野球、職業
  • 放送期間:2018年・全12話、2期を10月放送予定
  • アニメーション制作:スタジオディーン
  • キャスト:凡田夏之介・落合福嗣、ユキちゃん、M・A・O、徳永・浪川大輔、大野雪雄・白井悠介、監督・二又一成
  • 原作:マンガ『週刊モーニング』・森高夕次、足立金太郎

グラウンドには銭が埋まっている。

これはプロ野球の打者と投手の力と力の名勝負を描いたアニメ!…ではなく、

プロ野球選手の年俸・仕事・生活などの裏事情を赤裸々に描くアニメである。

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主人公は左の中継ぎ投手、特技は年俸当て

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凡田夏之介(ぼんだなつのすけ)です。
神宮スパイダースの左の中継ぎ投手です。
高卒でプロ入りして8年目の26歳。
年俸1800万円。

主人公は神宮スパイダース(モデルはヤクルト)に所属する年俸1800万円の左の中継ぎ投手:凡田夏之介。

投手が主役なら

普通はエースじゃないんかいっ!?

と、ツッコミを入れたくなる渋いチョイス。

もちろん、セーブを稼ぐ抑えのエースであるクローザーでもなければ、ホールドを稼ぐリリーフエースでもない。

左のワンポイントで使われることも多い普通の中継ぎ投手。

プロでは決して高額とは言えない8年目で年俸1800万円という名字のような凡才なイメージの主人公。

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特技は全球団の一軍の選手の年俸をそらで言えること

そして、特技は全球団の一軍選手の年俸を覚えていること。

これはなかなか凄いことですがやっぱり渋いですよねw

主役が中継ぎ投手なので試合のシーンはブルペンで座って待ってたり(この時に選手名鑑を読み込んでいる)、ブルペンコーチに言われたら肩を作るなどの地味な場面が多い。

よくこんな地味な主人公と設定にしたなと思うと同時に、魔球が飛び交うでもなくバチバチの熱いスポ根バトルが繰り広げられるわけでもない展開が斬新。

野球なのに試合で勝負しないという点が逆に攻めてるな~と感じます。

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所詮プロはカネです

自分より給料が高い選手は“上”に見て低い選手は“下”に見てしまう

それがぶっちゃけの“プロ”つーもんでして…

また、夏之介には他の野球系主人公にない特徴もあります。

それは相手の年俸によって能力が上下するところ。

自分よりも年俸が低い選手にはめっぽう強い一方、自分よりも年俸が高い選手相手だと萎縮してしまい、年俸が上がれば上がるほど相性が悪くなる。

ただし、5000万円を超える相手だと逆に開き直り抑える確率が上がり、自分の中で想像できない1億を超えるとかなり確率で抑えるという変なクセの持ち主。

野球の勝負も金かいっ!?

と、こちらでもツッコミたくなる主人公ですw

この特徴の影響で他の野球アニメとは一味違う異色の勝負が繰り広げられることとなります。

 

試合よりも金をテーマとしたシビアなプロ野球の世界を描く

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プロ野球選手はやっぱ現役のうちに稼がなければならない!

30越えたら、あと何年できるか分からない商売なのです

ちなみに引退してコーチや解説者になれる人はほんのひと握りです

引退の翌年―――年収100万円台になった人を僕は何人も知っている

だからプロ野球選手の絶頂期と言われるこの26歳のとき、年俸1800万円ってのは全然ダメなんです!

もっと稼いでいないと“人生の収支”としては全然マズイんです!

「グラウンドには銭が埋まっている」

良く使われるフレーズです

これはまさに真実です

僕の頭の中ではその言葉が何万回とリフレインされています

僕の頭の中では“グラゼニ”と呼んでいます

野球をテーマとしながら、グラゼニはその勝負よりもお金を軸とした職業や仕事にフィーチャーしている特殊な作品。

華やかなプロ野球の裏側。

それがこの夏之介の最初に語られる独白で伝わってきます。

26歳で年俸1800万円は一般的には高いですが、それが30過ぎたらあと何年稼げるか分からないとなってくると事情が変わってくる。

しかも、引退後に年収100万円台になることも珍しくないともなれば、プロがお金にこだわるのも分かりますね。

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凡田夏之介
今日もマウンドに向かいます

大事な“登板1”

中継ぎ投手はとにかく「登板数」が給料に反映されるんです

夏之介を軸にその年俸がどうやって増減するかも詳しく描かれているのがグラゼニ。

中継ぎ投手ならまずは登板数。

そして、防御率・勝ち数・イニング数といった具合ですね。

この場面を抑えたから年俸プラス50万円とか、逆に打たれたから年俸マイナス50万円といった具合に夏之介が心の中で金勘定をする場面も多い。

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名古屋ワイルドワンズ(モデルは中日)3番打者関谷雅光(せきたにまさみつ)年俸1億8千万円

1人で私、凡田夏之介の10人分の給料を取る男

給料・・・1対10

また、他の選手の年俸を計算したり紹介することも。

この選手はこれだけの成績を残して年俸いくらといった具合に。

さらに、対戦打者の年俸を計算して1億8000万円だから僕10人分の選手ね…といった感じで自虐が飛び出すこともw

どこまでいってもまずはカネ勘定から入る男、それが凡田夏之介!

 

グラゼニの原作漫画とアニメ版を比較

  • 作者:原作・森高夕次、漫画・足立金太郎
  • 掲載誌:週刊モーニング
  • 連載期間:2011年~(東京ドーム編、パ・リーグ編とタイトルを変えながら継続)

アニメ1期では原作3巻までを映像化。

細かい変更はありますが大筋は原作通りの内容ですね。

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絵柄の方も原作漫画をベースにしていますが、アニメの方がマイルドですね。

逆にマンガの絵はクセが強いのでここに抵抗がある人もいるようで。

僕も実はここがけっこう気になるんですよね~

巻数が進めばアニメの絵柄に近くなりますが、初期はデフォルメ感が強くて…。

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また、作品の特性上、活字も多くなっています。

こち亀並の文字数の多さはなかなかに読むのが大変。

僕も読むときは普通のコミックスの1.5倍ほどの時間をかけています。

絵や文字数が気になるなら、漫画よりアニメおすすめですね。

とはいえ、それだけ内容が詰まっているという裏返しでもあり、その中身もオンリーワンなもので読み応えアリ。

クセがある分、他にはない面白さがあります。

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グラゼニの独自評価・考察

プロ野球の見えない部分に迫った異色作。

他の野球アニメや漫画とは一線を画した存在ですね。

ここからはその点に注目して感想・考察・評価をまとめていきます。

職業としてのプロ野球を描く

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スポーツとしての野球よりも職業としての野球を描く。

試合は基本的に夏之介やピックアップされた選手が中心。

そのため、夏之介が投げていないときはブルペンから眺めたり、画像のように一仕事終えてベンチから眺める形。

そこで今回の防御率を計算したりその活躍から上がる年俸を予想したりと。

試合は1回から9回まで全部描くことはなく、そのポイントポイントを切り取った形ですね。

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僕は勝ちました…

土井選手の後ろ姿は…僕はあえて見ませんでした

翌日、土井選手は本当に二軍に落されました

このたった1打席の凡退で…

そしてこの二軍落ちは“僕の価値の低さ”も暗に言っているのです…

そして、そこで生まれるドラマもまた現実的。

スポ根アニメのような熱い火花を散らして真っ向勝負!…という展開は基本なく、一部のスター選手を除き、それぞれの生き残りをかけた戦いが繰り広げられる。

高年俸がネックで周りから引退や移籍のプレッシャーをかけられているベテランスター、一軍定着を狙うルーキー、助っ人外国人事情、そして画像のように妻も子もいるのにクビ間近で結果を残したい選手など…。

試合うんぬんの前にまずは自分の生活がかかっているという点がスポーツアニメの中でも異色中の異色ですね。

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さらに、グラゼニでは野球選手の仕事以外のプライベートなども多く描かれる。

チームメイトと飲みに行って試合の反省や首脳陣の愚痴を言う、同じ県出身同士で県人会なるものを作ってつるんだり、他のチームのスター選手と出会って軽くへこむなどのイベントも。

ちなみに、プロ野球の世界では草食よりも肉食の方が大成する確率が高いらしく、夏之介やその仲間は草食が多いのでスター選手の肉食ぶりを見てヘコみます(笑)

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他にも、よく話題になるプロ野球選手の嫁事情なんかも出てくる。

タレント・女子アナ・モデル・キャビンアテンダントなど、そんな華のある女性と結婚できるのはごく一部w

この辺と結婚できるのは年俸5000万以上と、

結婚もやっぱりカネかいっ!?

といった感じになっとります。

そんな中、年俸が低めな夏之介は手堅く食堂の店員という地味なところに目を付ける。

ただし、マメに食堂に通い彼女も野球ファンなのに、なかなかプロ野球選手と認識してもらえないのですが…。

画像のうまくいってる感じは全て夏之助の妄想ですw

 

引退後や選手以外人達の仕事も

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トクさんの現役最終年は今のおれと同じ年俸…つまり1800万円だった

翌年“ラジオの解説者”に“就職”

トクさんは他に職業は持っていない
一説ではその年の年収は300万円いかなかったという…

グラゼニでは現役の野球選手だけでなく引退後の生活もガッツリと描かれている。

運良く引退の翌年に解説者になれた夏之介の先輩:トクさんはまだ良い方。

スター候補として入団しながらもケガで早くに引退して球場の売店で働く後輩、なかなか就職口が見つからない選手など…

華やかなプロ野球の世界の裏側は超厳しい世界となっています(汗)

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栗城さんはバッティングピッチャー兼スコアラー!

今年30歳、年収600万円!
1年更新の球団職員

(現役最終年が年俸650万円だったのでほとんど変わらないことになる)

その中でもやっぱり監督やコーチになれるのは引退後のエリートコースみたいですね。

年俸も1000万円を超えるなど、そこそこのプロ野球選手並に稼げるようです。

あと、意外と給料がいいな~と思ったのが球団職員ですね。

年俸600万円とラジオ解説の2倍ですから。

トクさん・栗城とそれぞれがフィーチャーされる回ではそれぞれの仕事内容についても解説されます。

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僕はマガジンで「野球マンガ」をやるのが夢だった!

でもイキのいい新人作家が虎視眈々と“その席”を狙ってますからねぇ…

まずはそいつらより“僕の方が使える”と編集部に思わせなくちゃイケナイ

「過去の実績」より「今の調子」なんです!

また、野球関係者以外の職業が登場することも。

こちらは夏之介をモデルに中継ぎ投手の野球マンガを描こうとしている漫画家の牧場。

この回では漫画界の厳しい世界について触れられています。

漫画家もやっぱりプロ野球選手並の超実力社会、超格差社会みたいで…(汗)

それと、この回ではインタビューで夏之介の野球選手としての野望にも迫りますw

こういった様々な職業に深く切り込む点は他のアニメにはない醍醐味ですね。

 

何気に野球の試合も超本格的

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野球の試合がメインじゃない割に野球描写も気合が入っている。

例えば、このピッチャーが代わるときの電光掲示板の表示などはリアルそのままですよね。

他にも、球場の見た目、応援歌やガヤ、アナウンサーや解説、ウグイス嬢の声まで雰囲気は本物そのもの。

野球好きには特に堪らない演出となっています。

ちなみに、原作漫画だとここまで徹底してないのでアニメ版ならではの演出ですね。

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また、アナウンサーの声優は実際にプロ野球実況を担当した『松本ひでお』をキャスティング。

他にも若狭(わかさ)・煙山(けむやま)・師岡(もろおか)アナウンサーなども登場します。

そして、解説では高橋尚成(たかはしひさのり)・真中満(まなかみつる)などのリアルの解説者が登場。

この辺もリアルへのこだわりが強い。

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ちなみに野球関係者ではないですが、1期の最終回では『ビートたけし』が本人役として登場します。

思わぬ大物がサラッと登場するのでこの回は度肝を抜かれましたね(笑)

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潰せ!潰せ!夏之介ー!!
潰せ!潰せ!夏之介ー!!

野球の演出に戻ると、この球場の雰囲気に関しては今までの野球アニメの中でもトップクラスじゃないかなと思います。

再現度が高い高い。

あの野球ファンにはお馴染みの甲子園球場での阪神ファン(作中では大阪テンプターズ)の野次やド派手な声援の再現もバッチリとw

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甲子園球場では阪神ファンの怒号で球場が揺れるなんて言われますが、その再現までグラゼニでは行なっています。

敵に圧力をかけるような声援とグラグラ揺れる球場の演出は、夏之介目線で観てるこっちまでプレッシャーを受けているのよう。

こういう本格的な演出を見ると、この手法で試合をメインとした野球アニメも見てみたいなと思いますけどねw

 

グラゼニのひとこと感想まとめ

グラゼニは野球の試合よりも様々な職業にフィーチャーしたアニメ。
でも、意外と試合の描写も本格的だよ。

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