
空から女の子が降って来る状況は憧れるけど、こんな女の子は嫌だ!と思ったすやまたくじです。
今回はそんなSFシュールギャグ漫画『ヒナまつり』の感想レビュー評価・考察を。
この記事で分かる目次
ヒナまつりとは?
- ジャンル:日常ギャグコメディ、SF
- マンガ掲載誌:KADOKAWA『Fellows!』⇒ハルタ
- 作者&掲載期間:大武政夫・2010年~
- アニメーション制作:feel.
- キャスト:ヒナ・田中貴子、新田義史・中島ヨシキ、アンズ・村川梨衣、三嶋瞳・本渡楓、詩子・日笠陽子
- 放送期間:2018年・全12話
未来から来た少女はとっても無愛想でズボラでワガママでした…。
これからの極道は頭を使う時代。
今日も仕事で結果を残し部屋でワインを片手に高笑いしていたインテリアヤクザ:新田の頭上に突如として謎の物体が降ってきた。
その物体にくるまれていた未来からきた超能力少女:ヒナとの出会いが新田の人生を大幅に狂わせることとなる。
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若手インテリアヤクザ新田の身に降りかかった災厄
こちらが新田の頭上に降ってきたヒナ。
そして、それに驚く男が新田。
ちなみに新田の頬に付いている液体は血ではなくワインです。
この物体、デカイ湯たんぽのようにしか見えませんが一応これタイムマシーンみたいなもの。
これで未来からこの時代にやってきたのですが、特に来た目的もなくさらに新田の部屋に出てきたのもたまたまらしいです。
ついでにこの物体から出るのは一人では無理で他人の力が必要という謎の仕様となっています。
行くとこがないとそのまま新田の家に居座ろうとするヒナ。
もちろん、それを追い出そうとする新田ですが超能力によってあっさりと撃退されてしまう。
さらに居座るだけじゃなく、服をよこせ飯をよこせとワガママ三昧。
それに反抗すると超能力で脅してくるタチの悪さ。
こんな少女との同居は絶対嫌だ!
ラブコメ展開などに夢見るアニメ好きや漫画好きでもさすがにドン引きするレベルじゃないでしょうか。
でも、ヤクザだけど武闘派じゃない、さらにお母さん気質な新田はなんだなんだでヒナの面倒を見ることになります。
ヒナの本性を知った人はみな口を揃えてこう言います。
よくあんな奴の面倒を毎日見れるわねっ!?
と。
ヒナの超能力のおかげで出世街道を歩む新田
とはいえ、ヒナとの生活は悪いことばかりではありません。
日常生活はポンコツとはいえ未来から来た超能力少女。
その力を借りて新田は組の地位を度々上げていきます。
もっとも効果が発揮されるのが組同士の抗争。
ヒナの力を使えばどんな強面だろうとどんなに人数がいようと一網打尽。
こうして新田は頭を使うインテリアヤクザから組一番の武闘派の称号を獲得しましたw
が、ヒナの面倒を見るのは出世ぐらいじゃ割に合わない
それでもやっぱりヒナの面倒を見るのは割に合わない!
ズボラでワガママなヒナは居候のくせに家事を一切手伝わない。
代わりに新田が料理・洗濯・掃除などの家事を一切行うお母さん状態。
たとえ自分の子供にやられたとしても、これだけでもなかなか頭にくるレベル。
しかも、相手は居候だし(笑)
さらにタチが悪いのがヒナが家に来てから毎月の生活費が200万~300万円。
普通の家庭ならこれで即破産ですw
インテリアヤクザの新田は会社を複数経営していてお金持ちですが、それでもきついレベル。
ちなみになんでこんなにお金がかかるかというと、まずヒナがイクラ好きでよく食べさせろとせがむため。
さらに美味しいと思って高いイクラをせがむから食費がもの凄い(高級品と冷凍品の区別はできない味覚レベルなのに)
それに加えて、超能力の暴走などでよく物を壊すことも多い。
このイベントが起こると買い替えや弁償などで新田の懐は一気に大ダメージを受けます。
自分の子供でもないのに普通の子の何倍もの費用がかかる。
さらに家事は一切手伝わずにワガママ三昧!
こんな状態にいつまでも耐えられるでしょうか?いや、耐えられない!
ついには堪忍袋の緒が切れた新田がヒナを追い出すのですが、なぜかヒナは周りから大人気。
よくいる孫に優しいジジババや独身者の子供好きと同じで、現実を知らない人がたまに甘やかすには絶好の相手みたいで(笑)
特におっさん連中の支持者はもの凄く、ヒナを追い出したことがその連中に知られると、
画像のような『カエレ』コールが。
ちなみに新田はこの後、泣いてバーを飛び出していきますw
新田にはヒナを追い出すという選択肢すらないのです。
ヒナと新田を中心に巻き起こるシュールギャグ、ときどきSF
ヒナまつりはギャグコメディ漫画ということで、最大の見せ場はギャグシーン。
その中でも僕が特に好きなのがシュールな世界観から繰り出される表情ボケ(名称は僕が勝手に付けました)
(ヒナの言葉に感動した後に)
【新田】何てこったい俺は今までお前の事
たちの悪い不良債権みたいなもんだと思っていたのにすまねえ
【ヒナ】・・・そんな風に・・・
顔は感動している、または泣いているのにその後にサラリとひどいことを言う。
この一拍置いてからの落としが大好物です(笑)
もう一つ好きなのが心の中ボケ(こちらも名称は勝手に付けました)
(毎日家でゲームばかりしているヒナに将来の進路を聞いたら)
【ヒナ】こんな毎日がずっと続けばいいと思ってるよ【新田】・・・・。
【新田の心の声】何だかいいセリフだけど
使い所が違うし掘り下げるのも恐くて聞けない
顔はシリアスに納得している、または感動しているように見えて心の中ではツッコミを入れているパターン。
こちらもシュールな世界観を活かした表情ボケの一種と言ってもいいかもしれません。
もちろん、超能力を使ったSFギャグもあり。
こちらはヒナを未来から追ってきた同じく超能力少女:アンズとのバトルシーン。
普通に戦うと近所迷惑なので能力を使った特別なあっち向いてホイ対決。
ジャンケンで勝ったほうは力で無理矢理向かせる、負けたほうは力で耐えるというルール。
SFギャグの方はシュールな世界観で展開される表情ボケや心の中ボケと違い、一気に畳み掛けてくるパワープレイが多い。
また、ヒナが直接超能力を使うだけでなく、新田の体を超能力を使って操作するパターンもあり。
ヒナの力を使えば、喧嘩がからっきしな新田も空手の達人の攻撃をこんな風に見たこともないような動きでかわしまくることができる。
が、新田の身体能力が上がったりするわけじゃないので、体への負担はハンパないので要注意w
ひざから動かしてくれないので、使用後はおっさんの天敵:腰痛など体にもの凄い激痛が走ることになります。
アニメ版と原作漫画を比較
- 放送期間:2018年・全12話
- アニメーション制作:feel.
- キャスト:ヒナ・田中貴子、新田・中島ヨシキ、瞳・本渡楓、詩子・日笠陽子、アンズ・村川梨衣、マオ・小澤亜李
原作漫画と比較するとアニメ版は特に女性陣の絵柄がかわいくなりましたね。
ギャグコメディ漫画のためか原作では女性陣もけっこうコミカルに描かれることも多かったですが、アニメ版ではギャグシーン以外は可愛くなっています。
特に原作では地味めな瞳とゲスさが顔にも出ていた詩子がかなり変わっていますねw
また、原作ではけっこう先の方で出てくるマオも1話目に登場。
その後も複数回出て来るなど、マオファンにはうれしい活躍っぷりとなっています。
ストーリーは原作9巻終盤までのエピソードの中からピックアップ。
ヒナたちが高校生になる前までのエピソードが描かれています。
9巻を12話でアニメ化したため、それまでも映像化されていないエピソードも多いですね。
特に組長とヒナの話、詩子のツッコミが冴え渡る回などは面白いのでアニメだけしか観たことない人には原作もおすすめですよ。
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ヒナまつりの独自評価・考察
特徴を一言でまとめるなら、
シュールな世界観と普通の人がほとんどいないパンチの効いたキャラクター達。
というか、未来とか超能力といったSF要素以上におかしなキャラの方に目がいく作品となっています。
その中でもヒナと新田以外で特におすすめな三人を紹介します。
普通な見た目に反したスーパーガール:瞳(ひとみ)
まず紹介したいのが瞳という女の子。
画像の自己紹介にあるように勉強は得意だけど運動は苦手などこにでもいる普通の中学生(サラッと毒は吐きますが)
でも、夜になるとバーテンダーになっちゃう…って、なんでだよっ!?とツッコミたくなる自己紹介(笑)
その理由は瞳は学校の勉強ができるだけなく、一度言われただけでなんでもすぐにこなす異常な器用さと順応性の高さの持ち主で、さらに巻き込まれ体質で頼まれると断れない性格だから。
それが原因で学生にしてどんどん社会人としての大人の階段をのぼっていくことになります。
バーテンダーは大人の階段をのぼる第一歩ですね。
まあ、バーテンダーに関しては中学生にやらせる大人サイドがどうなのよと思いますが(笑)
瞳の優秀さは留まること知らず、物語の進行と共に鬼のように出世していきます(学生なのに)
そしてついには中途採用の面接で自分のお父さんを審査する立場に!
上の画像は面接会場で出会った親子の困惑のシーン。
この話はヒナまつりの中でもトップクラスに笑えましたね~w
ちなみにこれで終わりでなく、ここから瞳とお父さんの奇妙な親子関係が始まります。
噛めば噛むほどクズが増す:詩子(うたこ)
次に紹介したいのが、最初はキレイなお姉さん、途中から汚い大人、底辺時はスロットやってビール飲むだけの生き物になっちまった女:詩子。
回が進むごとに次々とゲスい一面が現れる。
そんな噛めば噛むほど味とクズが増す作中でも屈指のパンチが効いたキャラクター。
瞳をバーテンダーの道に引き込んだのもこの詩子です。
また、学校にバレそうになってバーテンダーを辞めたいと言ったときも、上の画像のように金が稼げる優秀な瞳をやめさせまい脅しをかけて引き留めるゲスっぷり。
まあ、圧倒的な才能で客の心を掴むその瞳がキッカケでお店での立場とバーテンダーの自信を失って転落するわけですが(笑)
また、ゲスさが増してから笑いの才能も見せてくるのが詩子の魅力。
ゲスいボケはもちろん、ときには強烈なツッコミも見せてくれる。
ちなみにそのツッコミは芸人並と評価されたことも(笑)
ただし、本人にはその自覚がなく、弄られると鬼のように怒り、さらにその原因を作った人が店の常連なら料金を上乗せする色々な意味で怖い存在。
ヒナまつりの清涼剤:アンズ
最後に紹介したいのがヒナを追って未来からやってきた少女:アンズ。
この作品はギャグコメディ漫画ということもあってか、大人も子供もまともな人があまりいない。
詩子のように最初はまともに見えても回が進むとパンチが効いたキャラに変貌することも多いですし。
アンズも登場当初は暴走族を壊滅させ、その総長の特攻服をそのまま着るなどのジャックナイフのようなキャラクターでしたが、帰るところがなくなってホームレスを始めた辺りから本来の優しい性格を取り戻していく。
詩子などとは逆に回が進むことで優しくなっていく本作の中では珍しいパターン。
休日は楽しく遊ぶ日なんでしょう?
だったらふたりで楽しまないと一緒に楽しいほうが私はいいな
ちなみに優しくなってからはホームレスをしていたという境遇も重なって周りからは非常に可愛がれる存在に。
その優しさはヒナの影響で超能力未来少女嫌いになっていた新田の心も溶かすほど。
この子は天使やっ!と、新田の父性を目覚めさせると同時にどうして自分の家に来たのはアンズでなくヒナだったんだとモヤモヤを生むことにw
(アンズを引き取ったおばさんがなぜシャワーをお湯にせず水で洗っているのと聞いたら)
【アンズ】え?でもいつも公園の水で洗ってたし平気だけど
【おばさん】くふぅ…(目頭を押さえて涙をこらえながら)
・・・もう、あったかい水使っていいの
ちなみに笑いの方はアンズ自体が起こすことはあまりないのですが、周りの大人が勝手に引き起こしてくれます。
天使すぎるアンズの性格に触れて大人が勝手に改心したり、新田のように父性に目覚めてやばいお父さんのようになったり、画像のようにアンズが普通にやっていることに同情して表情ボケや心の中ボケをよくかましてくれます(笑)
そんな本作の清涼剤でありながら笑いもしっかりと提供してくれる(主に周りの大人が)ハイブリッドな存在です。
ヒナまつりのひとこと感想まとめ
ヒナまつりはSF要素を吹っ飛ばすぐらいのパンチが効いたキャラが見せてくれる日常ギャグコメディ。
あと、アンズは癒しもくれるよ。