
ラブコメは全体的にコメディの部分が弱いと感じるすやまたくじです。
今回はそんな業界に強烈な笑いを運んできた漫画『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』の感想レビュー評価・考察を。
目次
かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜とは?
- ジャンル:新設定ラブコメ、学園、ギャグコメディ
- 掲載誌:週刊ヤングジャンプ
- 作者&刊行期間:赤坂アカ・2015年~
- アニメーション制作:A-1 Pictures
- キャスト:四宮かぐや・古賀葵、白銀御行:古川慎、藤原千花・小原好美、石上優・鈴木崚汰、早坂愛・花守ゆみり
- 放送期間:2019年・全12話、2期 2020年4月~
恋愛は好きになった方が負けである。
恋愛にも明確な力関係が存在する。
尽くす側と尽くされる側、我慢する側と我慢しない側、勝者と敗者。
もし相手より優位に立ちたいのなら決して敗者になってはいけない。
恋愛は戦、好きになった方が負けなのである。
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いかにして相手に告白させるかの天才たちの恋愛頭脳戦
主人公の四宮かぐやは、文武両道で万能型の天才&財閥のお嬢さま、名門校:秀知院学園 副会長。
もう一方の主人公:白銀御行(しろがねみゆき)は、上流階級の生徒がほとんどの中で少数派の一般階層でありながら、学園模試不動の1位で生徒会長を務める叩き上げ。
これはそんな二人の天才主人公によるいかにして相手に告白させるかという物語である。
1話目にして両者の好感度はマックス。
あとはどちらかが告白すれば終了なのにお互いが相手の告白待ちだからなかなか進展しないという数あるラブコメの中でも非常に珍しい設定。
というか、僕は今までこんな設定の作品は漫画だけでなくアニメでも見たことないですね。
では、なぜ二人共相手の告白待ちなのか?
答えは単なるプライドです(笑)
告白はもちろん、その前段階のデートに誘う、連絡するといったアクションさえ相手に好意が気付かれるので恥ずかしくて行えない。
しかも、なぜかそれぞれの想像の中での相手は、
お可愛いこと…
と、なぜか見下してから誘いを了承するというちょっと嫌な奴になっていますw
結果、あの手この手で相手を誘導して向こうから告白させるしかない。
さまざまなイベントやゲームなどを通じて行われる天才たちの恋愛頭脳&心理戦がここに勃発。
各話の終わりに『本日の勝敗』といった形でその話の勝者を決定(引き分けやかぐやと白銀以外が勝者になることもある)
とはいえ、ここの戦いに勝ったところで相手から告白されるわけではありません。
そもそもお互いが相手にさせるつもりならどんな天才でも無理じゃねえっ!?と思いますが(笑)
だけど二人とも恋愛はポンコツ
が、完璧超人に見えるかぐやも白銀も恋愛経験は一切なし!(周りからは経験豊富と思われている)
天才と言えども経験がないことまでは完璧にこなせないようで。
結果、白銀は恋愛ノウハウ本に頼ってみたり(しかもそれがかぐやにバレているあいたたたな展開)、
かぐやはかぐやで自分の中では完璧と思った作戦がよく空回る。
そして、思惑通りに事が運ばない時の応用力はほぼ皆無。
エリートや天才がアクシデントに弱いよくあるパターンに陥りますw
さらに、かぐやに関しては恋愛経験に加えてお嬢さまということで一般常識に欠けている部分もアリ。
性知識はキスどまり、初体験=キスと思っているなど下ネタへの耐性はかなり低い。
また、白銀と偶然の出会いを演出する共に四宮グループの人員をフル活用するなど、無駄に財も権力を行使をする。
逆に映画館などの一般的なシステムは全く分からないなどかなりの世間知らず。
結果、そこが足を引っ張って作戦がうまくいかないこともよくあります。
天才たちの恋愛頭脳戦というタイトルながら、恋愛に関してはおバカな二人のズッコケ合戦といった感じですね(笑)
でも、ここ一番はビシッとキメる
これじゃあラブコメというよりギャグかただのコメディじゃん!
という声も聞こえてきそうですが、ちゃんとラブの部分もあるのが本作の憎いところ。
特に白銀会長はラブだけに限らず、後輩のピンチなどでもシリアスな顔を見せることができるそこにシビれる憧れる男w
白銀が男を魅せたときはかぐや様は毎回ポーッ!と夢中状態になってしまうほどに。
かぐやはもちろん、その他の人のためでも男を見せることができるのはデカイ。
同性の目から見ても『かっこいい~』となる場面です。
あーーーーー
もぉおおおおおおーーーーー!!あいたたたたたたた!!
なんで俺はあんなこっ恥ずかしい事を!!
まあ、カッコつけた後はだいたい画像のようにやったことを死にそうなほど後悔するのですが(笑)
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~の独自評価・考察
設定と笑いに秀でたラブコメ漫画。
本作の評価を一言でまとめるならこんな感じ。
ヒロインが主人公をからかい続けるという『からかい上手の高木さん』でも思いましたが、定番ジャンルと思えたものでもまだまだ新しいものが出てくるものですね~
王道の好きになる過程を省き、いかにして相手に告白させるかを争うなんて。
そして、それによってギャグ漫画並に笑いが生まれているのも見逃せません。
良いラブコメは、ギャグも面白い
ラブコメ漫画もアニメも全体的にコメディ部分の笑いが足りないと思う。
なんか付け足したような笑いであったり、ギャグやコメディ作品ほどは勝負せずにドタバタと楽しい雰囲気で誤魔化したりと。
お笑い好きな僕としては、
そんな感じならコメディなしの純愛ものでいいよ!
と思う作品も多くて。
そんな中、かぐや様はガンガン笑いで攻めてくるところが大好物です。
意中の相手がいない時の親しい人とのぶっちゃけ恋愛トークや相談、さらには相手が好き過ぎて感情が暴走してしまったり、
好きな相手が他の異性と楽しそうにしていた時の嫉妬顔など。
どれもラブコメではよく見るシーンですがかぐや様ではかなり攻めた描写になっているのが特徴。
感情が暴走したときはほぼ変態ですし、嫉妬しているときはその相手を殺さんばかりの憎悪の感情丸出し(どちらもだいたいかぐや)
というか、嫉妬している時は心の中でなかなかにデンジャラスな発言をしていますw
さらには二人のやり取りがヒートアップすると周りからはまるでイチャイチャしているように見えるパターンも。
そんな時は見ている周りの方が恥ずかしくなるという羞恥プレイを喰らうことになります。
ちなみに画像では犬派か猫派を激論しているのですが、お互いの性質ややり取りから聞いている側はまるでお互いが愛の告白し合っているように聞こえている状態。
良いラブコメは、男共が面白い
ラブコメに笑いが足りないと思う最大の原因は男キャラに力を入れていないのが大きいと思うのですよね。
昭和ラブコメではギャグ要員として出番が多かった男キャラも平成に入ってからは主人公以外の男キャラはほとんど出番がないというパターンも多い。
しかも、主人公も含め、出番がある男キャラがたいして笑いを提供するキャラじゃないときすらある…。
そんな中、かぐや様では白銀会長も含めて男達が笑いに貪欲!
まじめに仕事をしていると見せかけてエロ方面の話になったら俄然興味を持つムッツリスケベな一面あり、
恋愛相談に来た男子相手にひたすらバイトを推すをトンチンカンなアドバイスをしたりと。
結果、
頑張るだけでいい・・・・?
じゃあ、バイトは・・・・?【女性】必要ありません!!
女性陣にアドバイスを全否定されて落ち込むなど、もはや天才でも完璧超人でもない勉強などの一部以外はただのおバカな男子高生です(笑)
というか、すぐに判明しますがかぐやと違って白銀は天才型ではなく、出来ないことをひたすら繰り返してものにする超努力型。
なので、項目によっては壊滅的に出来ないこともよくあります。
【石上】彼女持ちが多いスポーツ系の部費を減らしましょう。
そうですね…1カップルにつき5万円位削りましょうか【白銀】重課税!!
【石上】幸福こそ一番の課税対象じゃないですか。幸せ税です。
【白銀】いかなる暴君だってそこに税金かけてねえよ!!
白銀会長と共に笑いを生み出すもう一人の男は、
青春を憎み、青春に憎まれた男:生徒会会計 石上優(いしがみゆう)!
本作の裏主人公という設定。
青春、なかでも体育会系とカップルに並々ならぬ憎悪(ぞうお)を抱く。
他人の恋愛相談など、そういったものに触れるとヘイトスイッチが入る。
その割には、
本物の愛?何言ってるんですか?
各々が胸に抱いた等身大の愛・・・それこそが本物の愛だって何故 気づかないんですか
自分はこんな恥ずかしいセリフを真顔で言えたりするパンチが効いたキャラクター。
当然、それを聞いた女性陣はドン引きです(ズレてるかぐやは感心していましたが)
ちなみにハートは非常に弱く、気持ち悪いなどと直接言われるとすぐにハートブレイクして家に帰ろうとしますw
まさに、
良いラブコメは、男共が面白い
ちなみにこれはかぐや様は9巻の帯のキャッチフレーズに書かれていた言葉をそのまま使いました。
しかも、その巻では男性向けラブコメ漫画では滅多に見ない白銀会長と石上の男二人だけで表紙を飾るチャレンジっぷり。
作者自身も男共に自信あり!ってことでしょう(笑)
良いラブコメは、女共も面白い
では、笑いは男共に任せて女の子は可愛さをウリにする!…じゃないのがかぐや様のすごいところw
すでに笑いの実力を示している主人公:かぐやはもちろん、他の女共も面白い。
その中でも一番存在感を出しているのが生徒会書記:藤原千花(ふじわらちか)
かぐやと白銀のダブル主人公となっているためか、なぜかヒロインという設定になっていますw
基本は心優しい性格ですが、天真爛漫でかなりの天然のため、相手の心を抉る言葉をサラリと言ったりもするKY女。
毒舌な石上なんかもサラリとハートブレイクさせる天敵的な存在となっています(逆に石上も藤原の天敵的な存在)
また、KYなのは言動だけじゃない。
行動の方でもガンガンKYな部分を発揮する。
特にかぐやと白銀の恋路を邪魔することにかけては天下一品(本人に自覚なし)
知らずに二人のフラグを折り、無邪気に白銀と仲良くし、無意識にかぐやのやりたいことを先にやっちゃう。
あと、胸を気にしているかぐやに対してたびたび巨乳をアピールしてコンプレックスを抱かせる(本人に自覚なし)
結果、何度もかぐやからは心の中で呪われる無自覚に自らの命も危険に晒している女の子。
また、白銀会長ともよくイベントを起こしており、その中でも一番笑いが生まれるのが白銀の苦手克服特訓編。
天才型ではなく超努力型の白銀会長はバレーボールや歌など、自分ができないことをやる必要が出てくる度に特訓をします。
そのコーチを務めることになるのがこの藤原。
安請け合いした結果、毎回心身共にボロボロになるほど特訓に付き合わされる可哀想な女の子でもあります。
まあ、日頃周りを振り回している存在なのでこれぐらいは因果応報かなとも思いますが(笑)
かぐやの侍女(じじょ)を務める早坂愛(はやさかあい)も良い味を出していますね。
かぐやとは姉妹のような関係性で、普段は冷静沈着に接しつつも時折サラリとクールで鋭いツッコミを入れてくる。
この言葉のチョイスが素敵な女の子。
また、かぐやと同じ高校に通っていて、そこではなぜかキャラや性格を変えています。
しかも、そのチョイスが頭が悪そうなギャルとクールに見えて、実はあいたたたな部分がある女の子なのかなと匂わせるキャラクターでもありますw
なぜお嬢さま学校でよりによってギャルを演じているか特に解説はありませんが、見た目が金髪だからじゃなかろうかと推測しています。
それはそれで素で金髪・青い瞳(アイルランド人のクオーター)の早坂がギャルになるのはさらにあいたたたな気もしますがw
さらにその演技力は多彩で画像のような清純派美少女演技もバッチリ。
もう侍女より女優やればっ!?
とツッコミたくなるレベルの演技力となっています。
かぐや様に限った話ではありませんが、よくアニメや漫画って物凄く優秀なメイドとか執事とか出てきますよね。
あれだけ優秀なら人に仕えるより自分で何かした方が絶対にいいじゃんと思えるような(笑)
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~のひとこと感想まとめ
かぐや様はラブコメ界でも屈指の笑いが楽しめる作品。
あと、たまにダークサイドと仕事や人生のウンチクとシリアスなホロリもあるよ。