第一印象だけでは分からないものだなと思うすやまたくじです。

今回はそんな漫画&アニメの一つ『カイジ・トネガワ・ハンチョウ』シリーズの感想レビュー評価・考察を。

本編『カイジ』シリーズとは?

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  • ジャンル:ギャンブル、心理サスペンス、青年漫画
  • 作者:福本伸行
  • 掲載誌:週刊ヤングマガジン
  • 連載期間:1996年~
  • テレビアニメ:逆境無頼カイジ(第1期)2007~2008年・全26話、破戒録篇(第2期)2011年・全26話
  • アニメーション制作:マッドハウス
  • キャスト:カイジ・萩原聖人、遠藤勇次・内田直哉、兵藤和尊・津嘉山正種、利根川幸雄・白竜、ナレーション・立木文彦

人生を賭けたギャンブルに挑む男たちの物語。

カイジシリーズとは『賭博黙示録カイジ』『賭博破戒録カイジ』『賭博堕天録カイジ』『賭博堕天録カイジ 和也編』『賭博堕天録カイジ ワン・ポーカー編』と、タイトルを変えつつ続いている漫画シリーズ(アニメでは逆境無頼カイジのタイトル)

ギャンブル・主人公・登場キャラ・絵柄・演出の全てが異質。

僕も最初はここが好みじゃなくて読んでませんでした。

アニメ化・実写映画化・バラエティー番組化もされたので、漫画を読んでなくてもその存在を知っている人は多いですね。

 

人生を賭けたギャンブル

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この勝負 運否天賦じゃない

自堕落な生活を送っていた伊藤開示ことカイジが、多額の借金を背負ったことをキッカケに様々なギャンブルやゲームに挑んでいくこととなる。

作品独自のギャンブルと緊張感溢れる心理描写、『ざわ…ざわ…』といった独特の擬音が特徴。

また、そのギャンブルやゲームが人生を賭けたものとなっており、ただのお金のやり取りでは終わらない心理サスペンスが繰り広げられる。

勝てば借金返済、または一般的なギャンブルでは手に入らないような多額のお金がもらえる。

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が、逆に負けると多額の借金を抱えてしまう。

それどころかその返済が行えない場合は画像のようにどこかに連れて行かれて人生が終わってしまう(シリーズによって破滅のパターンは異なる)

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また、画像の『鉄骨渡り』など、ゲームによっては命の保障すらないものも。

勝てば天国、負ければ地獄。

様々な負債者が文字通り人生を賭けたギャンブルを行うこととなります。

 

『カイジ』シリーズの独自評価・考察・感想

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カイジシリーズの一番の特徴はやはりギャンブル。

『限定ジャンケン』『鉄骨渡り』『Eカード』などの独自のギャンブル。

これらのオリジナルゲームのルールがどれもやらしくてよく出来ているのですよね。

そして、そのゲームの勝負で行われる駆け引きや心理戦がまたエグい。

人生を賭けているわけですからその緊張感は普通のギャンブルの比ではありません。

この心理サスペンスとも呼べるギャンブル描写は見ているこっちも緊張してしまうようなレベル。

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くそゴミどもっ…!

腐ってやがる…!

お前らっ……!

そして、ギャンブルと同じぐらい濃いのが人間ドラマ。

それもただの人間ドラマではありません。

よくある人間の善の部分を強調した感動ドラマでもなければ、悪の部分を強調した殺戮ドラマなどとも違う。

クズのドラマ!

この作品のギャンブルに参加する登場キャラクターは主人公のカイジも含めて、継続して努力することを嫌い自堕落な日々を送ってきた男達ばかり。

借金を抱えたのは自業自得、それをギャンブルの一発逆転で返そうというクズの集まり。

そんな男達が自らのために相手を騙し・蹴落とし・裏切るといった人間の汚い部分がトコトン描かれるのが本作の特徴。

そこで爆発する感情や表情の描き方も独特な作品です。

そして、そんな中で光るのがカイジという男。

日頃は『人間のクズ』と評されるほど自堕落な生活を送っていますが、命が掛かった極限の状況に追い込まれるとギャンブルの天才としての才能が目覚める。

また、どんな状況であろうと信頼した人間を決して裏切らないという男気ある性格でもあります(逆に裏切られることは多い)

そんな天才的なギャンブルの強さと、理不尽なことを行う強者に立ち向かうその姿勢が共感を呼び、勝負のときは周りの弱者を惹き付けるカリスマ性も発揮。

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が、ギャンブルでどんなに命の危険に晒されたとしても、平穏な日常に戻るとすぐに自堕落な生活に戻ってしまう。

あのカッコよかったカイジがまるで嘘のよう。

ギャンブルに負けたときはもちろん、勝ったときも決してハッピーエンドとならないのがカイジシリーズの醍醐味。

ギャンブルはあくまで一時、本当に人生を良くしたいのなら継続的な努力が必要と繰り返し示しているかのような作品です。

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スピンオフ『中間管理録トネガワ』とは?

  • ジャンル:ギャグコメディ
  • 作者:原作・萩原天晴、漫画・橋本智広、三好智樹、協力・福本伸行
  • 掲載誌:月刊ヤングマガジン⇒コミックDAYS
  • 連載期間:2015年~
  • テレビアニメ:2018年・全24話
  • アニメーション制作:マッドハウス
  • キャスト:利根川・森川智之、兵頭会長・津嘉山正種、山崎・羽多野渉、ナレーション・川平慈英、カイジ・萩原聖人

これは暴君の機嫌を常に取り続ける中間管理職の苦悩と葛藤の物語である。

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週刊でがんばっているカイジくんの労をねぎらってこの利根川がスピンオフをしようというのだ・・・・・・

ククク・・・・面白かろう・・・・?

中間管理録トネガワではカイジシリーズに登場した悪役:利根川が主人公。

漫画を描いている作者は違いますが、本編に似せた絵柄と言い回しで本家の雰囲気はそのままに中身はコミカルに変化。

そんなトネガワを中心に展開するギャグコメディです。

 

本編でのトネガワこと利根川幸雄

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金は命より重い…!

本編での利根川幸雄は第1シリーズ『賭博黙示録』に登場する中ボス的なキャラ。

帝愛グループ最高幹部の一人で、ギャンブルのために集まったカイジ達をクズ呼ばわりし、『金は命より重い!』などといって人の命をなんとも思わない悪役中の悪役。

巧みな弁舌で参加者を惑わせ、自らがギャンブル対決を行うときは絶秒なイカサマでカイジを翻弄するキレ者。

第1シリーズでは全編を通したカイジの大きな壁として立ちはだかります。

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なめるなっ…!

あんなもので2千という大金が手に入るかっ…!

おまえらのように継続した努力ができぬ輩は本来大金なんて夢のまた夢
それでも手に入れたい
どうしても手に入れたいとなったら
これはもう…命を張る以外ないっ…!

そんな利根川ですが、社会の本質を突く名言を随所で言い放ってくる。

主催者の都合を通すための詭弁のようでいてどこか説得力がある。

ちなみに最初の『金は命より重い!』という発言にもこのような続きがあります。

好む好まざるにかかわらず
人は金を得るために、その時間、人生の多くを使っている
いわば自分の存在、命を削っている
存在そのものを「金」に変えているんだ
つまり、人は皆、サラリーマンも、役人も、命がけで金を得ている
気がついてないだけだ
極端に薄まってるから、その本質を多くのものが見失ってるだけ

金はな 命より重いんだっ!
世間の大人どもが本当のことを言わないならオレが言ってやるっ
金は命より重い
そこの認識をごまかす輩は生涯地を這う!

さらに自分が敗北したときはどんな罰でも受け入れる。

悪役でありながらどこかカリスマ性がある男、それがカイジシリーズでの利根川幸雄。

 

中間管理録トネガワの独自評価・考察・感想

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またも水泡…霧散…

くそっ…

週末のゴルフがパァ…!!

中間管理録トネガワでの利根川はまだカイジと出会う前の段階。

この時からすでに多くの黒服を束ねる最高幹部の一人でありながら、暴君:兵藤会長のご機嫌取りを常に行わないといけないという中間管理職的な立ち位置(笑)

画像のように重苦しい雰囲気で深刻なことを考えていると見せかけて、その内容は週末のゴルフと本編の怖い部分がなくなってコミカルなキャラクターとなっています。

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最高幹部になっているだけあって仕事は出来るし、人心掌握術に長けており部下からの信頼は厚いが、兵藤会長の心情を読み取ることはまるで出来ないw

さらに、ちょっとしたトラブルが起こるとすぐに部下たちに激昂してしまう、部下たちのご機嫌を取るためにマネージメントの本を読んだりバーベキューをしたりと本編よりもかなり器が小さい風に描かれている。

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それは言えん…!

あまりに悪魔的過ぎて…!

言えば引く、おそらくはドン引き…!

クク…やはり会長の発想は異常…!

常人の一歩も二歩も上をいっている…!

なので…破滅的余興人間競馬…その黙示録は…

確かめろ…!当日自らの目で…!

なのに、見た目の雰囲気や大物風な言い回しは本編そのまま。

基本はコミカルなくせに大物風な物言いと本編とのギャップが妙にくせになるギャグコメディ漫画です。

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スピンオフ『1日外出録ハンチョウ』とは?

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  • ジャンル:食べ歩きグルメ、ギャグコメディ
  • 作者:原作・萩原天晴、漫画・上原求、新井和也、協力:福本伸行
  • 掲載誌:週刊ヤングマガジン
  • 連載期間:2017年~
  • テレビアニメ:トネガワの中で後半数話登場

これは地下の労働施設にいながらチンチロで大金を稼ぎ、『1日外出券』を利用しては外で悠々自適に1日を送るE班トップ大槻班長の1日外出記録である。

1日外出録ハンチョウでは本編ではカイジの敵として登場した大槻が主人公。

こちらも漫画を描いている作者は違いますが(トネガワとも違う)、見た目の雰囲気はそのまま。

そんな外出の匠:大槻がグルメに旅行にと様々な場面で通ぶりを発揮するギャグコメディです。

 

本編のハンチョウこと大槻班長

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フフ…へただなあ、カイジくん。へたっぴさ!

欲望の解放のさせ方がへた。
カイジくんが本当に欲しいのは焼き鳥(こっち)
これを下のレンジでチンして、ホッカホッカにしてさ、冷えたビールで飲(や)りたい!…だろ?

フフ…。だけど、それはあまりに値が張るから、こっちのしょぼい柿ピーでごまかそうって言うんだ。
カイジくん、ダメなんだよ!そういうのが実にダメ!

せっかく冷えたビールでスカッとしようって時に、その妥協は傷ましすぎる!
そんなんでビールを飲んでもうまくないぞ!嘘じゃない。
かえってストレスがたまる!

食えなかった焼き鳥がチラついてさ、全然スッキリしない!
心の毒は残ったままだ、自分へのご褒美の出し方としちゃ最低さ!

カイジくん、贅沢ってやつはさ、小出しはダメなんだ!
やる時はきっちりやった方がいい!
それでこそ次の節制の励みになるってもんさ!違うかい?

ハンチョウこと大槻は第2シリーズ『賭博破戒録』前半で登場するボスキャラクター。

借金が返せなくなったカイジは帝愛グループの地下労働施設に強制送還。

そこで出会ったのがE班トップの大槻班長。

大槻は帝愛側と結託して嗜好品(酒・つまみ・たばこなど)を高額販売。

嗜好品の誘惑に必死抗おうとするカイジに笑顔で近付き優しくアドバイスする。

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食べ終わったら奴はとりあえず満足してこう考えるだろう。
明日からがんばろう、明日から節制だ…と!

が、その考えがまるでダメ
「明日からがんばろう」という発想からは、どんな芽も吹きはしない!

そのことに20歳を越えてまだ.わからんのか!?

明日からがんばるんじゃない、今日
今日だけがんばるんだっ!
今日をがんばった者、今日もがんばり始めた者にのみ、明日が来るんだよ!

が、その笑顔と優しい言葉には裏があり、実は甘言でカイジや他の者たちを堕落・浪費させ自分が儲けることが目的。

堕落した者にお金を貸し、さらにその金利で儲ける。

それだけでなく、オリジナルルールのチンチロリン(サイコロを使った賭博)も開催しており、イカサマを駆使してさらに弱者から巻き上げる。

利根川とはまた違う粘着質な小悪党となっています。

ただ、この大槻も小悪党の割に人生の本質を突いた大槻節を随所に繰り出すのですよね。

こちらも妙な説得力がありますが、大企業の幹部である利根川と違い、借金で地下に落されたお前が言うなよと言いたくなりますがw

 

1日外出録ハンチョウの独自評価・考察・感想

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1日外出録ハンチョウもカイジが地下施設に送られてくる前のお話。

外出券を使った外でのグルメや旅行をメインに、時折地下での他の班長との勢力争いなどがコミカルに描かれる。

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グルメや旅行の描写は大きな特徴はありませんが、ハンチョウこと大槻のキャラクターが魅せる。

サラリーマンが集まる昼間の定食屋でビールを優雅に飲む。

飲みたくても飲めないサラリーマンへの優越感を肴に王様のように振る舞う姿は本編そのまま。

また、上記のような飯テロリスト:大槻として振る舞うだけでなく、外出の匠として様々な食べ歩きやイベントを楽しむ。

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こちらも本編の大槻よりもコミカルなキャラクターになっており、周りの人物に振り回されたりコントのような動きもする。

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クク…駄目駄目…!

情報(ネット)は便利だがその便利さ故に、にぶくする…!判断力を…!

食べログやぐるなびの評価ばかり見とったら次第に野生の勘を失っていき、ああやって数字に振り回されるハメになる

大事なのは他人の付けた評価よりも自分

自分の目で見たもの…!

かと思えば、ハンチョウでも随所に飛び出してくる大槻節。

ハンチョウもトネガワと同じく、言動と行動のギャップ、さらに本編とのギャップを楽しむギャグコメディですね。

グルメや旅行はハッキリ言っておまけ(飯テロリストなど笑いどころは多いですが)

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カイジ・トネガワ・ハンチョウのひとこと感想まとめ

本編ではギャンブルでの心理サスペンスとそれに賭ける男たちのドラマを。
スピンオフは様々なギャップから笑いを提供してくれる作品。
スピンオフは単品でも面白いけれど、本編を知っているとさらに笑える。

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