
この作品はじっくりとした恋愛模様に懐かしさを感じたすやまたくじです。
今回はそんな逆定番なラブコメ漫画『僕らはみんな河合荘』の感想レビュー評価・考察を。
目次
僕らはみんな河合荘とは?
- ジャンル:ラブコメ、青春、コメディ
- 作者:宮原るり
- 掲載誌:少年画報社『ヤングキングアワーズ』
- 連載期間:2010年~2018年・全11巻で完結済み
- テレビアニメ:2014年・全12話+OVA1話
ラブと笑いと下ネタと人情と人生学が入り乱れる下宿青春コメディ。
今時珍しいまかつい付きの下宿『河合荘』
男子高校生:宇佐和成(うさかずなり)は親の転勤でそこに住むことに。
一人暮らしのつもりだった&パンチが効いたルームメイトから当初は難色を示していた宇佐。
が、同じ下宿先に一目惚れした河合律(かわいりつ)がいたことで一転。
変ショリ君(変人処理)というあだ名を付けられるほどのコミュ力を活かして個性的なメンバーが揃う河合荘でもすぐに溶け込んでいく。
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まかない付き下宿『河合荘』を中心に巻き起こる青春ラブコメ
河合荘の中が上の画像。
居間で一緒にご飯を食べたりゲームをして過ごしたりと大家族のような仲の良さ。
今時のルームシェアというより、昭和のまかつい付き下宿のような風景。
この河合荘やそのメンバーを中心に巻き起こっていく日常コメディ&青春ラブコメ。
ときにはそれぞれのキャラに迫ったシリアスな話まで展開していきます(ご近所さんや学校、それぞれのキャラの友達が来ることも)
個性的な河合荘の住人
ここでは河合荘に住むメンバーを紹介。
本大好きでプロぼっちのヒロイン:河合律
一人は嫌じゃないのに、『一人だ』って思われるのは嫌で・・・
ヒロインで河合荘の実質的オーナーの娘(母親は仕事で海外赴任中)
主人公の一つ年上の高校2年生。
宇佐も一目惚れしたように知的美少女として周りの目を引く存在。
が、本大好きで常に本を読んでいる、暇さえあれば図書館に通うほどの人を寄せ付けない存在。
そして、一度、本を読むと夢中になり過ぎて周りが見えない。
画像のように歩いている時も本を読んでおり、信号が変わっても気付かないレベルとなっています。
その上、無愛想・無表情・口数が少ないこともあり友達はほぼ0。
『プロぼっち』や『ぼっち先輩』と呼ばれることも。
さらに、伝えたいことをうまく伝えられないコミュ障な一面もあり、すぐに思考の迷宮に迷い込む、負けず嫌いでしつこいという面倒くさい性格。
でも、本当は優しく、仲良くなると色々な表情も見せてくれる、一人が好きなようで河合荘では居間でわざわざ本を読むなどの寂しがり屋な一面もあります。
正統派の文学少女と見せかけて、その中身は河合荘の住人らしくなかなかに個性的なヒロインとなっています。
ドMのルームメイト:城崎志弦(しろさきしづる)
ハードなご褒美ありがとうございます!
通称:シロ。
肉体的にも精神的にもドMな変態(上の画像もゾクゾクしている)
怪しい言動と行動で近所をウロウロしているのでよくお巡りさんのお世話になっている。
年齢&職業不詳の謎の男。
なのに、家賃は滞納しない・変態以外の部分は良心的・周りによく気が付きよくフォローをする・ちゃんとした服を着るとなかなかイケメンと変態以外のスペックは高い。
が、日頃の行いのせいでそういったことをすると周りに逆にイラッとされ、またそれもご褒美として受け取る無敵な男(笑)
巨乳下ネタ大好き美人:錦野麻弓(にしきのまゆみ)
ちょっと下半身新品だからって調子にのんなよ
29歳OL。
画像のように黙っていればモテモテのスタイル抜群の眼鏡美人でありながら、酒癖が悪い・下ネタがひどい・周囲に当たったり絡む(仲の良い人限定)・男運が著しく悪いなど、なかなかにパンチが効いた残念系美人。
宇佐も最初はキレイなお姉さんと思っていたけど、初対面で上画像のような下ネタをぶちかますひどい言動で一瞬にして急下落。
さらに自分以外の恋愛がうまくいかないように常に呪っているなど、
これほど自分のスペックが活かしきれない人はいない!
と震え上がってしまうほどに強烈な存在。
顔も性格も作り倒す小悪魔:渡辺彩花(わたなべさやか)
表出ろ じじぃ
そのブッサイクな顔マスク要らずにしてやんよ
20歳の女子大生。
麻弓が自らのスペックを活かし切れていないのに対し、こちらは自らのスペック以上に恋愛で成果を残す小悪魔系。
女の子らしいルックスと振る舞いで数々な男達を虜にする恋の魔術師。
が、実はそれは全部演技で(上の画像のように練習するシーンなども出てくる)、本当の中身は腹黒で元ヤンかつ腐女子。
さらに男女関係のもつれを煽って修羅場にするのが趣味の『恋愛クラッシャー&サークルクラッシャー(男女関係のもつれで数々のサークルを潰した)』だからタチが悪い。
また、振る舞いや言動だけでなく、化粧の腕前もプロ並みで顔もかなり変えている模様。
すっぴんを知っている人からは『顔面工事』と言われたことも(汗)
初めて彩花のすっぴんを見た宇佐は恐怖で悲鳴を上げ、その後も女性の化粧が怖くなるほどのトラウマを植え付けたほど。
ラスボス管理人:河合住子(かわいすみこ)
後悔が全て悪なわけじゃないし
人生を彩る甘美な後悔ってのもあるし
若い頃のは特にねぇ
律の親戚で河合荘の管理人。
いつもにこやかで温厚な性格だけど、笑顔でサラッと毒舌も吐く人。
さらに河合荘で傍若無人(ぼうじゃくぶじん)な麻弓や彩花も住子には頭が上がらないラスボス的な存在。
経験豊かな年長者らしく、周りが落ち込んでいたら急遽メニューを変えてその人の好物を出してあげたり、上の画像のようにサラッとアドバイスをしてくる良きおばあちゃんといった感じですね。
僕らはみんな河合荘のアニメ版を原作漫画と比較
- 放送期間:2014年・全12話+OVA1話
- アニメーション制作:ブレインズ・ベース
- スタッフ:宮繁之、古怒田健志、栗田新一、松田彬人
- キャスト:井口祐一、花澤香菜、四宮豪、佐藤利奈、金元寿子、小林沙苗
原作マンガ版の絵柄や雰囲気を大事にしていることもあって、アニメ版も違和感なく視聴できます。
ストーリーもほぼ原作通り。
ただ、アニメ版では恋愛の大きな動きがない原作3巻まで、河合荘の日常を重視していることもあり、ラブコメよりも日常コメディの一面が強くなっています。
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僕らはみんな河合荘の独自評価・考察
男性向けラブコメの流行を敢えて無視しているようなマンガ。
一番感じるのがここですね。
男性向けラブコメといえば、全体的に男の都合の良い展開やときにはファンタジー要素も混ぜてくる作品が多い。
特に2000年以降はその部分がさらに加速しましたね。
この辺は男性の草食化が大きな理由でしょう。
データでは告白経験率も下がっており、男性キャラが何もアプローチしなくても女の子が勝手に好きになるパターンが増えたのはこのためかなと。
モテモテ・ハーレム・ラッキースケベなど、そこにファンタジーやSFが入ってくる作品もあり。
僕らはみんな河合荘ではそういった最近の男性向けラブコメのお約束を敢えて外しるんじゃないかと思う内容となっています。
以下でその辺の詳しい解説をしていきます。
僕らはみんな河合荘が逆定番ラブコメな3つの理由
ここでは僕らはみんな河合荘が敢えて男性向けラブコメのお約束を外していると思った3つの理由をまとめてみました。
河合荘の住人構成
まずは住人の構成ですね。
好きな人と同じ下宿先で同居するというのはよくあるパターンですが、多くのラブコメが主人公以外は全員女性という構成ですからね。
河合荘ではそれが男2人に女4人。
さらに住子さんと麻弓に関しては高校生の宇佐には年上女性としても上すぎる年齢。
そして比較的年齢が違い彩花とは一切恋愛関係にはならない(もちろん麻弓とも)
ラッキースケベなども一切なく、男女の同居という部分はファンタジー要素をあまり感じさせない定番ラブコメの逆をいくよう。
ちなみにリアルでは男女も含めてルームシェアは件数は増えてきており、昔ながらの下宿もまだあることから探せば河合荘のような所も見つかるかも。
そういった意味では好きな人と同居というシチュエーションも絶対にないファンタジーとは言えませんね(確率はかなり低いですが)
恋愛はゆっくりと進展
定番ラブコメのように何もアプローチしなくても女性側が好きになってくれることはなし。
というより、序盤の律は宇佐に全く恋愛感情がないですし。
しかも、アプローチをやり過ぎて嫌がられる場面もあるほど。
それから時間をかけてじっくりと恋愛が進展していく形ですがそれがかなりのスローペース。
中盤以降でも画像のような中学生レベルの進展ですし(笑)
また、ハーレム展開にならないのはもちろん、河合荘のメンバーだけでなく学校や他のメンバーの中からもその他のヒロインが出て来ない。
複数ヒロインが当たり前、途中でサブヒロインが出てくるのもよくある定番ラブコメとはここも一線を画しますね。
巨乳で美人の年上お姉さんが全く優しくない&裏主人公的
年上で美人で巨乳な優しいお姉さん。
もはやラブコメのテンプレキャラと言っても過言ではない存在。
ラッキースケベで主人公がおっぱいに顔を埋めるなんてシーンもよく見る。
僕らはみんな河合荘でも麻弓という年上で美人で巨乳なお姉さんがいますが一切優しくない!(もちろんラッキースケベもなし)
画像のように頻繁に宇佐に強烈なツッコミを入れるのは日常茶飯事。
宇佐と律が良い雰囲気になると邪魔をする嫉妬する呪う。
呪いを通り越して画像のような怨霊になる顔芸を見せるほどのツッコミ&リアクション上手(笑)
年は上だけど、やっていることは子供レベルのお姉さんとなっています。
また、宇佐や律とは関係がない、麻弓のエピソードがちょいちょい入ってくる裏主人公的に活躍するのも定番ラブコメではあまり見られない形。
画像のように彩花とタッグを組んで男を落としにいくパターンなんかも。
その場合、あまり男が知りたくない女の赤裸々に語ってきたりするので要注意。
麻弓の高校時代のエピソードやその当時の友達と会うなんていうイベントも起こります。
ちなみに画像は高校生時代の麻弓。
この時は今以上にモテている絶頂期で学校のマドンナ的な存在だったようで。
ただ、隣に写っているゆるふわガールには勝てなくてNo.1にはなれなかったというオチが付くのが麻弓らしい(笑)
また、日頃はさんざん邪魔しているくせに本気で宇佐と律がうまくいかないことは願っていないツンデレな部分も。
宇佐が恋で迷っているときは一喝して目を覚ましてあげる姉御肌な一面もある。
そして、さんざん男で痛い目に遭っているのに宇佐を通して『一途でブレない男』に夢見てる乙女な部分も。
宇佐と律という高校生コンビの恋愛だけでなく、麻弓というアラサー女の生き様も見れる。
これが定番ラブコメにはない僕らはみんな河合荘の魅力です。
僕らはみんな河合荘のひとこと感想まとめ
僕らはみんな河合荘は高校生の青春と恋愛に加え、住人との日常やアラサー女の生き様が楽しめる作品。