
初めて観た恋愛アニメが『めぞん一刻』のすやまたくじです(漫画版は20代になってから)
今回はそんな『めぞん一刻』の感想レビュー評価・考察について。
目次
めぞん一刻とは?
- ジャンル:青年漫画恋愛、ラブコメ
- 作者:高橋留美子
- 掲載誌:ビッグコミックスピリッツ
- 連載期間:1980~1987年・全15巻
- テレビアニメ:1986~1988年・全96話
古びたアパート『一刻館』から始まるラブストーリー。
浪人生・五代祐作は悩んでいた。
勉強したいのにアパートの住人が毎夜毎夜のどんちゃん騒ぎでちっとも集中できないからだ。
アパートを出て行こうと決心したその日に管理人として一刻館にやってきた音無響子に一目惚れ。
そこから始まる7年半の恋愛物語。
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他の男性向けラブコメ・恋愛漫画とは一味違う人間関係
圧倒的に数が多い女性向けと違い、男性向けラブコメ・恋愛マンガはだいたい以下の3つのパターン。
- 基本的に1対1(たまに他キャラがスポット参戦)
- 三角関係(こちらもたまにスポット参戦)
- ハーレム状態
ここにヒロインや主人公が人間じゃないなどの設定が加わることがあっても、恋愛面はだいたいこの3つのパターンに収まります。
めぞん一刻はこのどれとも違う複雑な人間関係を描いているのが特徴ですね。
最初は主人公とヒロインの1対1
こちらが『めぞん一刻』の主人公の五代 裕作(ごだい ゆうさく)
優しく良い人なのですが優柔不断で押しに弱い典型的なラブコメ主人公。
登場時は浪人生&その後もずっと貧乏暮らしとなかなかの甲斐性なしとなっております(笑)
『冬物語』などもありますが、浪人生が主人公というのもなかなか珍しい部類に入りますよね。
そしてこちらがヒロインの音無 響子(おとなし きょうこ)
美人でスタイル抜群、さらに性格も良い。
が、年上の未亡人!(年は若い)
男性向けマンガで、
ヒロインが年上の未亡人なんてエロ漫画ぐらいでしか聞いたことねえよ!
と言いたい(笑)
そんな響子さんが一刻館の管理人として現れ、五代くんが一目惚れするところから物語が始まります。
最初は1対1で物語が展開しますが、五代くんのハッキリしない性格が災いしちっとも相手にしてもらえません。
まあ、それ以前に年下で浪人生で甲斐性なしを恋愛対象として見てくれというのもなかなか難しいと思いますが(笑)
もう一人のヒロイン登場
五代くんがモタモタしている間にもう一人のヒロイン登場。
これにより、五代くん・響子さんの1対1の展開は終了。
こちらはもう一人のヒロイン:七尾 こずえ(ななお こずえ)
年上の響子さんに対しこずえちゃんは年下。
人の話を最後まで聞かない・思い込みが激しい・不思議ちゃんとほんわかしながらもなかなか強烈なキャラクターとなっております。
さらに、
ほんわかしている割に意外と押しが強い!
五代くんのやんわりとした断りはもちろん、ハッキリと断っても普通に気付かないなど、あやふやな関係を続けることに。
子供の頃にアニメ版を観たときは話を聞かないイライラするキャラだなと思っていましたが、
大人になって漫画を読み直すと、
ハッキリしない五代くんのことをずっと好きでいるとか、意外と良い子なんじゃないの?
と思うようになりました(笑)
こっから男性向けラブコメ・恋愛マンガによくある男一人・女二人による三角関係の始まりかな?と思ったのですが、
そんな普通の展開にしないのがめぞん一刻です。
同時期に男性ライバルキャラも登場する
こずえちゃんの登場と同時期に響子さんを好きになる男性ライバルキャラも登場する!
そう主人公とヒロインでダブルで三角関係ができちゃった。
これってドラマや女性向け恋愛マンガではよくあるパターンなんですが、意外と男性向けだとあんまりないのですよね~
こちらの男性ライバルキャラは三鷹 瞬(みたか しゅん)
五代くんはもちろん響子さんより年上のキャラ。
さらにイケメン・金持ち・スポーツ万能・女性に紳士的で性格も良いという非の打ちどころのないキャラ。
とはいえ、少女漫画でよく出てくるような主人公にだけ嫌味なキャラなんでしょ~?・・・と思ったら五代くんに対しても紳士的に接する。
やだ、なにこの完璧超人っ!?
と、男の僕でも惚れちゃう異性だけでなく同性から見てもカッコイイと思えるキャラ。
こんな三鷹さんも含めてダブル三角関係の物語がここから始まります。
というか、どう考えても五代くんより三鷹さんの方が魅力的。
普通の女性だったら三角関係になるまでもなく速攻で勝負が決まっていると思う(笑)
中盤から登場人物がさらに増え、合計十角関係
このままダブル三角関係のまま最後まで進むのかなと思ったら、
中盤でさらにヒロインが一人増える。
こちら中盤から登場するヒロインの八神 いぶき(やがみ いぶき)
五代くんが教育実習に行った際の生徒となります。
まあー、この子ったらとっても肉食!
八神に対しては五代くんしっかりと断っているのですが、そんなのお構いなしにがんがんアプローチをかけてくる。
これが若さか・・・。
と今見ると言いたくなるレベル。
この八神の登場により、五代くんサイドは四角関係に突入。
ちなみにハーレムのような状態になっていますが、ハーレム恋愛漫画のように全員が登場して主人公を取り合うなんていう展開は一切ありません。
ということは、響子さんサイドにも新たなライバル男キャラが登場!・・・と思いきや登場したのは三鷹さんの方だったっ!?
こちら三鷹さんサイドの新たなヒロインの九条 明日菜(くじょう あすな)
世間知らずでおとなしい旧華族の令嬢となっております。
三鷹家の繁栄のため、親が勝手に政略結婚目的に強引にお見合いさせたのが出会いのキッカケ。
この明日菜の登場により、
四角・三角・三角の合計十角関係というよく分からんこんがらかった人間関係に発展っ!?
しかし、そこは多数のキャラクターを登場させることで有名な高張留美子先生。
それぞれの物語をキッチリとまとめてくれます。
7年半の長期スパンの物語
めぞん一刻の中では7年半の時間が流れています。
コミックスの数が多くても意外と1年も経っていないという作品も多い中、これだけ年数が経過する作品も珍しいですね。
しかも、一気に何年後とかでなく、少しずつ年数が経過するという形では特に。
そりゃ7年半も時間が動いていれば、登場人物が変わってもおかしくないよな。
また、五代くんと響子さんはもちろん、初期から登場しているこずえちゃんや三鷹さんはこんな長い間一人の人を想い続けていたのも凄いよなと。
しかも、恋人関係になっているわけでもないのに。
アニメ版で二度おいしい
- 放送期間:1986~1988年・全96話、他劇場版とOVAあり
- アニメーション制作:スタジオディーン
- キャスト:音無響子・島本須美、五代裕作・二又一成、三鷹瞬・神谷明、七尾こずえ・冨永みーな、八神いぶき・渕崎ゆり子、九条明日菜・鶴ひろみ
ひとつだけ、約束…守って…。
お願い…一日でいいから、あたしより長生きして…。
もう、一人じゃ、生きていけそうにないから…。
ちなみに原作漫画とアニメ版では基本的なストーリーは同じですが、響子さんの性格がかなり違います。
具体的にはマンガ版だとアニメ版よりコメディ色が強く、さらに嫉妬深い女の嫌な一面もチョコチョコ出してきます。
例えば、こずえちゃんとデートに行く五代くんを見送るとき、
顔では笑いながら手に持っているほうきをへし折るなど(ガクブルッ!)
アニメ版ではそういった面がなくなり、大和撫子感が強まっているキャラクターとなっています。
響子さんのこの違いにより、
原作漫画はラブコメ作品、アニメは恋愛作品
ぐらいの差はありますね。
僕はアニメの響子さんの方がいい!
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めぞん一刻のひとこと感想
めぞん一刻は合計十角関係の複雑な人間関係を描く作品。そして、ヒロインのキャラの違いから漫画はラブコメ・アニメは恋愛ぐらいの違いがある。