
大人になってさらに面白さを再確認する漫画も多いすやまたくじです。
今回はそんなマンガの一つ『きまぐれオレンジ☆ロード』の考察・感想・評価について。
目次
No.1ラブコメ漫画『きまぐれオレンジ☆ロード』とは?
- ジャンル:ラブコメ恋愛、超能力
- 作者:まつもと泉
- 掲載誌:週刊少年ジャンプ
- 連載期間:1984年~1987年・全10巻で完結済み
- テレビアニメ:1987~1988年・全48話
きまぐれオレンジ☆ロードとは1984年~1987年まで週刊少年ジャンプで連載されていた三角関係をテーマにしたラブコメ・恋愛マンガ。
『POP&LITE』をキャッチコピーに当時のジャンプに多かった硬派な作品とは違う、どちらかというと『うる星やつら』など週刊少年サンデーが得意としていたラブコメストーリー。
これが大ヒットし、テレビアニメ(1987年~1988年放送)など多くの映像化もされている作品です。
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メインヒロイン『鮎川まどか』が大フィーバー
きまぐれオレンジ☆ロードといえば、このブログ記事でも扱ったメインヒロインとして当時は圧倒的な人気を誇っていた『鮎川まどか』の存在が大きい。
どれぐらい人気かというと、1987年に『アニメディア』で1988年には『アニメージュ』で女性キャラの人気投票 第1位を獲得。
さらに日本だけでなく、フランスをはじめとした海外でも非常に高い人気を集めているキャラクターです。
ただのヒロインならぬスーパーヒロイン
と言ってもいいぐらいの存在。
というか、ほぼ鮎川まどかの力できまぐれオレンジ☆ロードの人気を確立したと言っても過言ではないでしょう!
ライバルヒロインの人気はイマイチ
こちらがきまぐれオレンジ☆ロードのもう一人のヒロイン『檜山ひかる』
主人公と鮎川の2つ年下の後輩となっております。
ひかるは三角関係の恋ライバルというより、鮎川のかわいい後輩という扱い。
鮎川と主人公がお互いに惹かれ合っていることは隠し、物語終盤まで主人公と両想いのカップルと勘違いしていますし。
なので、三角関係というより、主人公と鮎川の恋を邪魔する存在といった方が正しいかなと(ひかるは無意識ですが)
優柔不断な主人公がひかるの押しに負けることは多くありますが、基本的に本命はずっと鮎川一筋ですから。
さらに、鮎川が好きな女性キャラ連続1位を獲得している反面、ひかるはそういったものとは一切無縁。
この辺は漫画やアニメ、その他の商品の表紙で鮎川ばかりが描かれており、ひかるがあまり描かれていない点からも分かります。
ちょいとライバルキャラとしては弱いんじゃないかなと思ったわけであり。
主人公の人気はさらに低い
こちらが主人公の春日恭介(かすがきょうすけ)
マンガの表紙ではなぜかちょっとカッコよく描かれていますが、作中ではどちらかというと三枚目キャラです(笑)
まあ、こちらは人気がないのは当然ですね。
優柔不断でずっと三角関係を続ける原因を作った張本人ですから。
しかも、他のジャンプラブコメ作品のように、最初と最後で本命が変わるということもなく、本命は最初から最後までずっと変わりませんからね~
それなら、
最初からサッサと鮎川に決めんかいっ!
と言いたくなります。
まあ、そうするときまぐれオレンジ☆ロードのストーリーが成立しませんが(笑)
ヒロインを超える脇役キャラがいるわけでもない
とはいえ、ラブコメ・恋愛マンガに限らず、どんな作品でも必ずしもヒロインだけが人気を集める必要もないんですよね。
メインヒロインよりも脇役の方が人気という作品もよくありますし。
しかし、その脇役人気もきまぐれオレンジ☆ロードではイマイチ。
唯一、主人公の双子の妹が少し人気があるぐらいでしょうか。
原作のサブレギュラーのあかね・早川みつる・しおりの3人なんかはテレビアニメ版では一切登場しませんし。
男キャラに関しては主人公も含めてほぼ全滅ですな。
コメディ要素いらなくない?
ラブコメ漫画としてヒットした作品にこんなことを言うのもなんなのですが。
ただ、鮎川はコメディ色が一切ないヒロインなので、コメディシーンにはあんまり絡んでこないのですよね。
結果、コメディシーンは主人公やひかる、その他のサブキャラがメインでドタバタする。
大人になって再度これらのシーンを見てみると、別に必要ないんじゃないかな?と思えるのですよね~
それなら鮎川を軸として正統派の恋愛マンガ、もしくはもっと頻度を下げてコメディをスパイスのように入れる程度でよかったんじゃないかなと思ったわけであり。
そんな全てを吹き飛ばす少年ジャンプ史上No.1
とまあ、いろいろとワーワー言うとりますが、そんなマイナス要素なんて全く関係ねぇ~!
と言わんばかりに、きまぐれオレンジ☆ロードは漫画の累計発行部数2000万部という圧倒的に結果を出しているのです。
ちなみにこれ、週刊少年ジャンプのラブコメ・恋愛マンガのみなら歴代No.1ですね。
主なジャンプのラブコメ・恋愛漫画のデータは以下のとおり
- きまぐれオレンジ☆ロード・・・2000万部
- To LOVEる(とらぶる)・・・シリーズ累計1600万部
- ニセコイ・・・1200万部
- I”s(アイズ)・・・1000万部
- いちご100%・・・800万部
名だたるジャンプの名作を抑えて圧倒的な第1位。
こうなってくると、ライバルヒロイン・主人公・脇役・コメディ要素などなど、メインヒロインの鮎川を引き立てるための全て計算なのではっ!?
とさえ思えてきますw
きまぐれオレンジロードのアニメ版と原作漫画を比較
- 放送期間:1987~1988年・全48話
- アニメーション制作:スタジオぴえろ
- キャスト:春日恭介・古谷徹 、鮎川まどか・鶴ひろみ、檜山ひかる・原えりこ、春日まなみ・富沢美智恵、春日くるみ・本多知恵子
ストーリーは基本は原作漫画と同じながらもアニメならではの設定も多い作品。
個々のエピソードを大きくアレンジしたものや二つのエピソードを一つにしたものなどもあり。
何人かのサブキャラをカットしたり、アニメでは逆にジンゴロというマスコット的な猫を追加
大筋のストーリーに影響がない変更のみとなっていますが、途中で終了するアニメ版のラストは原作漫画とは大きく違っていますね。
また、原作漫画では時期によって変化していた絵柄もアニメ版では比較的安定(昭和アニメの中では)
原作をベースとしながらもアニメ用に若干アレンジしたような感じですね。
鮎川のデザインはアニメ版の方が僕は好み。
原作のクールでミステリアスな美人系を基本としつつも、話が進むにつれて柔らかさも加えたような感じになっているところなんかが。
ひかるに関してもアニメ版の方が好みですね。
明るい感じがより強調した感じと、あと不良感がそうそうになくなったのも良かったかなと。
ストーリーやキャラ以外では『夏の蜃気楼(ミラージュ)』などの主題歌が秀逸なのもこの作品の魅力。
80年代では珍しい本格的なアーティストを起用したのは当たりでしたね~
特に『NIGHT OF SUMMERSIDE』『オレンジ・ミステリー』『鏡の中のアクトレス』のOP陣はほぼ外れナシ!といったラインナップになっています。
>>【漫画版試し読みOK】オレンジロードも含む80年代アニメおすすめランキングへ
きまぐれオレンジ☆ロードの感想レビュー・考察・評価まとめ
きまぐれオレンジ☆ロードは鮎川まどかというメインヒロインの魅力を引き出すための物語。
そして、ジャンプのラブコメ・恋愛マンガ史上歴代No.1という結果もキッチリと出した作品。
メインヒロインの鮎川まどかは、ラブコメ王道のサンデー漫画家陣の支持の高い鶴ひろみさんだからこそ、絶大な指示を受けたのだと思います。
逆に恭介とひかるは、担当声優の人選ミスで人気しなかったのだと思いますね。
この作品で恭介の妹の一人をセーラーマーズで売れっ子になる富沢美智恵さんが出ているのですが、ひかる役の声優さんは富沢さんと比べてあまり活躍しなかったですし、恭介役の声優さんもタキシード仮面が不評で、若い世代受けしませんからね。
たしかに鶴ひろみさんの鮎川まどかはハマり役でしたね~♪
僕の中ではドラゴンボールのブルマよりも鮎川の方が鶴ひろみさんの代表キャラといったイメージです。
テレビアニメ放送時、私は小学生だったのですが、アニメの音楽がエヴァの鷺巣詩郞先生で、参加アニメーターの一人がProductionIGの副社長の後藤隆幸氏なので、信じられないような凄い人が参加していますよね。
今は黒子のバスケやハイキュー!!を、ProductionIGが手がけるから、後藤隆幸氏の名前は違和感ないですが、あの頃は、ジャンプと言えば東映動画の時代でしたから、時代の先取り感が半端ないです。
当時は聖闘士星矢と比べて知名度はなかったですが、昔よがりの星矢より、オレンジロードの方が価値は高いと思います。