
ロボットもシュールも大好物なすやまたくじです。
今回はそんな二つを持つアニメの一つ『プラネット・ウィズ』の感想レビュー評価・考察を。
目次
プラネット・ウィズとは?
- ジャンル:SFロボット、ヒーロー
- 放送期間:2018年・7~9月・全12話
- アニメーション制作:J.C.STAFF
- キャスト:宗矢・阿部敦、先生・小山力也、銀子・井澤詩織、高天原のぞみ・原田彩楓、美羽・大和田仁美
- 原作:オリジナル(原案は漫画家 水上悟志の描き下ろし)
シュール&正義バトルの新感覚ロボットアニメ。
見た目に反して熱く展開される正義バトル。
ヒーロー VS ヒーロー
それぞれの正義がぶつかり合った果てに見えるものは?
>>【漫画版試し読みOK】プラネット・ウィズを含むロボットアニメおすすめランキングへ
>>プラネット・ウィズを好きな動画配信サービスでチェックする
記憶喪失の少年が促されるままヒーローをやらされる
【先生】うにゃ
【銀子】ところで宗矢、学校には行かなくていいのかにゃ?と、先生は仰っている
物語の主人公は高校生の黒井宗矢(くろいそうや)
交通事故により記憶喪失に。
そして、その際に両親も亡くなり、巨大ネコの先生とゴスロリメイドの銀子に引き取られて一緒に暮らすことに。
三人で食卓を囲むところから物語が始まりますが違和感満載ですw
なんで巨大ネコとメイドと一緒に普通にご飯食べてんだよっ!?
とツッコまずにはいられない。
ちなみに先生は基本『うにゃ』としか喋れず、その内容を銀子が通訳するシステム。
銀子はなんで先生の言葉が分かるんだよ?
【のぞみ】記憶が無いって、なにそれ?
【宗矢】記憶喪失なんだ、俺。この学校に来る前のこと何も覚えてねーの
記憶喪失のためか宗矢はその辺のことを疑問に思いつつも深くはツッコまず。
生活するために二人?の機嫌を損ねるをマズいと思っているのかもしれません。
疑問に思いつつも、メガネ様ことヒロイン:高天原のぞみ(たかまがはらのぞみ)に世話を焼かれながら日頃は学校に通う毎日。
聞こえますか、皆さん?あれがネビュラが地球に持ち込んだ巨大物体です
そんな時にネビュラと呼ばれる地球外の存在の巨大兵器(ネビュラ・ウェポン)が出現。
ふざけた居様なデザインとは裏腹に通常兵器は一切効かない。
さらに、相手にとって幸せな幻影を見せて戦意喪失させるという厄介な存在。
行くぞ、みんな!念動装光!
そんなネビュラの襲撃で宗矢たちは体育館に避難することに。
そして、その様子をスマホで観戦していると、そこにグランドパラディンと自称するネビュラに対抗するための7人のヒーローが現れるのだった。
グランドパラディンのメンバーは全員サイキッカー。
その能力を使った念動巨神装光を駆りネビュラとの戦いに挑む。
そんな時、彼らの戦いをスマホで観戦していた宗矢の元に銀子から電話がかかってくる。
電話の内容は宗矢がヒーローとなってアレをやっつけるといったものw
戦う相手は地球を守る7人のヒーローの方
【銀子】スマホでテレビとか見たでしょ~?アレをやっつけるんだよ、宗矢くんが!
【宗矢】なに言ってんだよ!つーかなんか特撮ヒーローみたいな奴らがもう行ったし。あいつらがアレ倒すんじゃねーの?
【銀子】違う違う~
【宗矢】違うって何が?
【銀子】宗矢くんがやっつけなきゃいけないのは、その特撮七人のヒーローの方
しかも、倒すのはネビュラの方じゃなくてそれと戦っている7人のヒーローと。
なにもかもが意味不明なんですけどっ!?
と、戸惑う宗矢を無理やり外に呼び出し、なんのために倒すのか?どうやって倒すのか?といった宗矢の疑問には詳しく答えずに現地に向かうことに。
どこまでもマイペースなネコとメイドです。
ちなみに、グランドパラディンを倒す目的は本来は地球人が持っていないサイキッカーの力の源(星の砂のようなものが入った小瓶)を回収すること。
そして、戦う方法は先生と宗矢の念力合体。
念力合体とは先生が宗矢を食べることで、
ネビュラ・ソルジャーと呼ばれる巨人となること。
食べられた宗矢はそのまま先生の中に入り、先生の中は巨大ロボットの操縦席のようになっています。
同じネビュラと付いてますが先生たちは穏健派、先程登場したネビュラは封印派と別勢力。
ネビュラ・ソルジャーとなった先生と共にグランドパラディンの念動巨神装光へと挑む!
大きさに差はありますが、真正面から打ち合うなどあまりパワー差はない模様。
念動力で動くので体格差よりも念じる力が強い方がよりパワーが発揮されるようでw
ここから始まるそれぞれの正義をかけたロボットバトル。
プラネット・ウィズの漫画版とアニメ版を比較
- 作者:水上悟志
- 掲載誌:ヤングキングアワーズ
- 連載期間:2018年~
プラネット・ウィズは漫画家『水上悟志(みずかみさとし)』のネームを原案としてアニメ化した作品。
で、本人がそれを漫画用に手直ししてコミカライズ化しました。
その辺はコミックのあとがきに書かれていますね。
原作ネームを本人がそのまま漫画化したため、内容も絵柄もアニメ版とほぼ同じ。
細かい部分が違うぐらいです。
また、アニメと比べると漫画版は時間短縮のためか、演出などを省略する場合がありますね。
特にアニメ版では気合が入っていた眼鏡ヒロインのメガネ芸が漫画版だとかなり省略されていたのがざんねん。
逆に漫画版で良かったのがロボット戦ですね。
登場シーンなどの迫力あるロボットの構図はアニメ版よりも見応えがあるという評価も多くなっています。
>>【試し読みOK】プラネット・ウィズも含むSF漫画おすすめランキングへ
>>プラネット・ウィズの漫画版を好きな電子書籍で無料試し読みする
【ネタバレ注意】プラネット・ウィズの独自評価・考察
シュールな世界観・意外な展開・めまぐるしく変わるストーリー。
プラネット・ウイズの感想を簡単にまとめるならこんな感じ。
ここからはその点に注目して考察・評価をしていきますが、内容上ネタバレも含みますので注意してください。
ギャグか本気か分からないシュールな世界観と熱血展開
掴みはOK?序盤から巨大猫とゴスロリメイドにいきなり持っていかれるシュールな世界観。
現代社会を舞台としながら、巨大なネコとゴスロリメイドが主人公の家族の一員。
そして、それが普通に生活している。
これだけで違和感ありまくりですw
しかも、それぞれ見た目だけでなく中身もパンチが効いていますし。
先生は隙あらばフィギュアのパンツを覗いたりするムッツリスケベだし、銀子は頑なに肉を食卓に出してくれない。
宗矢にヒーローをやらせようとする割には二人共どこかのん気な感じな性格。
【根津屋】虎居がやられたようだな
【美羽】だが奴は我ら七人の中で最弱…
【晴海】ちょ、美羽ちゃん…
【こがね】虎居さん、測定値は7人中トップです
さらに、それは敵側のグランドパラディンに関しても同じ。
初めて宗矢に襲撃された後に『だが奴は我々の中でも最弱…』といったどっかの悪の組織で見られるやり取りなんかかましますし(笑)
宗矢たちを敵と認識しながらもこちらもどこかのん気。
そして、地球を守る組織と言いながら普通な感じの子供や老人が中心となっているのもシュールですね。
【美羽】行くよ…これが最後の一発!サイキック…スパイラル・ブレイク!
【宗矢】ギガ・キャット…アッパァァァ!!
かと思えば、ロボット戦は意外と熱い!
それぞれサイキックの力で巨人を構築することからロボットと言っていいか分かりませんが、ジャンル的に大きく分けてのロボットものということで。
こちらのバトルはスーパーロボットのようにここ一番では必殺技名を叫ぶなど、見た目に反しての熱血展開となっています。
熱血ロボットバトル好きなら一度は観て欲しいおすすめ作ですね。
【虎居】それを返せ!それは…
【宗矢】黙れっ!
これは…こんなもの…っ!お前ら、こんなものを…!
ちっくしょう…思い出したぞ
帰って仲間たちに伝えろ!お前ら全員…ぶっ倒してやる!1人残らず!!
最初はやる気がなかった宗矢も記憶を取り戻してからは(というか、すぐに記憶を取り戻す)グランドパラディンから力を奪うことにやる気を出す。
通常パートではイマイチ覇気が感じられなかった男もバトルでは全員ぶっ倒す!と声高に宣言するほど熱い闘志を見せてくれます。
この辺のちょっとふざけたようなシュールな世界観に反した熱い展開がギャップを生み出していますね。
敵側のヒーローにもそれぞれドラマがある
【女神】ようこそ選ばれし者よ。あなたは美少女学園の唯一の男子転校生になれます
【根津屋】学園?
【女神】或いは、アイドル事務所のモテモテプロデューサーというのはどうでしょう?
【根津屋】モテ…モテ…
バトルを盛り上げたいのなら敵側にもドラマを作る。
これ、鉄則ですな。
プラネット・ウィズでもグランドパラディン側のドラマを随所に挟んでくる。
主人公たちとは別勢力のネビュラ封印派は幸せな幻影を見せて戦意喪失させると解説しましたが、グランドパラディンの内面や戦う理由などはこれを通して見られる形になっています。
さまざまなシチュエーションで女の子にモテたいという煩悩的なものから、
【虎居母】いいのよ、英雄…幸せにね
亡くなった家族が登場するといった精神攻撃としてはなかなかにエグいものまで。
しかも、この幸せな幻影から抜け出すためには、それを破壊しないといけないというかなりハードなもの(受け入れると戦意喪失してしまう)
コンパクトにまとめていながらもこの家族編はホロリとくるシーンです。
【美羽】見たか!私たち最強コンビは侵略者なんかに…負けない!
そして、ロボットバトルでは宗矢の正義と共にグランドパラディン側の正義や主張がほとばしる!
負けられない理由、もともとはこちら側のものじゃなくても地球から力の源を奪おうとする方が侵略者といったお互いの主張がぶつかる。
バトルを盛り上げるドラマの見せ方が絶妙な作品です。
二転三転するストーリー
プラネット・ウィズの見せ方でもう一つうまいなと思うのが二転三転してめまぐるしく変わるストーリーですね。
こっちの気持ちが落ち着く前にどんどんストーリーを転がしてくる。
最初は宗矢を使って暗躍する先生や銀子が明るい感じの悪の組織的なキャラなのかな?と思ったら、宗矢の記憶が戻ることでそれがすぐに変わる。
では、敵側がヒーローと見せかけて実は悪人なのかな?と思いきやそうでもない。
【晴海】私は!美羽ちゃんの前では負けないっ!!
グランドパラディン側も一枚岩ではなく、それぞれの目的や知っている情報量なんかが全然違う。
それが原因で力に取り込まれて暴走するキャラなども出てくる。
そして、それがキッカケで関係に亀裂が入り、平行線のまま分かり合うことはないと思っていた宗矢とグランドパラディンの一部のメンバーが最低限の事情を理解する仲となる。
【閣下】わん
【こがね】今なら邪魔は入らない。絶好の決戦日和だわん。と、閣下は仰っています
お覚悟を!
さらに、ネビュラ封印派からも先生と銀子みたいなキャラが出てくる(ネビュラ・ソルジャーにもなれる)
宗矢の時も衝撃的でしたが、でかい犬が成人女性を丸のみにするというのもまた衝撃です(笑)
とまあ、
1話に1回はストーリーに大きな動きがあるんじゃないか?
と思えるほどハイスピードに展開するのがプラネット・ウィズの醍醐味。
プラネット・ウィズのひとこと感想まとめ
プラネット・ウィズは、シュールな世界観と熱いロボットバトル、濃いテーマを全12話で芸術的に駆け抜けるアニメ。
>>【漫画版試し読みOK】プラネット・ウィズも含むロボットアニメランキングへ