
音楽や演劇を絡めたアニメは大好物のすやまたくじです。
今回はそんなアニメの一つ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の感想レビュー評価・考察を。
この記事で分かる目次
少女☆歌劇 レヴュースタァライトとは?
- ジャンル:音楽、演劇、舞台ミュージカル、バトルロワイヤル
- 放送期間:2018年・7~9月・全12話
- アニメーション制作:キネマシトラス
- キャスト:愛城華恋・小山百代、神楽ひかり・三森すずこ、天堂真矢・富田麻帆、星見純那・佐藤日向、露崎まひる・岩田陽葵
- 原作:メディアミックス(ミュージカル版と漫画版もあり)
アニメとミュージカルがリンクし合いながら展開していく新感覚ライブエンターテインメント。
アニメ・漫画・ゲームを原作とした2.5次元ミュージカルとは異なり、ミュージカルが先行する形でその他のアニメやマンガをメディアミックス展開していくという点が珍しいですね。
単独でも楽しめ、さらにそれぞれを見ることでより深く作品が知れるという仕掛け。
ちなみに、タイトルとなっているレヴューは『公演』という意味で、スタァライトは少女たちが演じる戯曲の演目名となっています。
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聖翔音楽学園でレッスンに励む舞台少女たちの物語
2年A組、俳優育成科28名欠席者なし!先生に礼!
【モノローグ】聖翔音楽学園。ここは100年の歴史を持つ由緒正しい女学校
演劇界を担う次の才能を育てるために作られました
俳優育成科のA組は歌、お芝居、ダンス、日本舞踊など表現力を日々磨き
舞台創造科のB組は演出、脚本、衣装、大道具など舞台を作る専門的な勉強に励んでいます
物語の舞台となるのは100年の歴史を持つ聖翔(せいしょう)音楽学園の俳優育成科。
音楽と付いてますが、演劇界の才能を育てることが目的。
俳優育成科のA組の他に、裏方を担うB組舞台創造科もあります。
女性のみという点も含めて、宝塚歌劇団の養成所『宝塚音楽学校』をモデルにしていると思われます。
聖翔音楽学園第99期生出席番号1番、愛城花恋!入ります!
そんな物語の主人公がこちらの愛城華恋(あいじょうかれん)
この華恋を含めた俳優育成科9人を中心にストーリーが展開していきます。
学園の生徒は他にもたくさんいますが、メインとなる9人は上の画像のように序盤で自己紹介を行うので一目で分かる形(それでも9人いっぺんに覚えるのは大変ですがw)
ちなみに、名前と出席番号を言ってから稽古場に入ってくるシーンがありますが、宝塚では分かりませんが僕が通っていた声優学校でも同じようなことをやらされていました。
なので、あながちアニメならではの演出とは言えませんね。
メインとなる9人を中心に稽古場では、歌・お芝居・ダンス・日本舞踊などのレッスンを行い、教室では座学を勉強する。
教室での風景は普通の学校と似てますね。
ここでも普通の科目ではなく、演技に関することを中心に勉強しているようです。
また、メインとなる9人は同じ寮で共同生活も行っています。
他の生徒も含めて寮にいるのは生徒のみ。
先生が見回りにきますが、常駐している寮母などはいないようです。
現代日本を舞台としていますが、この辺の日常は余計なものを排除し、少しファンタジー要素を感じる形になっています。
突如開催されるトップスタァを決めるオーディションという名のバトルロワイヤル
聖翔音楽学園第99期生出席番号29番 神楽ひかり
華恋の幼馴染である神楽ひかりが転校してきてから大きく物語は動き出す。
9人目のメンバーであるひかりは少し遅れて登場。
このひかりの登場により、8人の人間関係に加えて、その他にも大きな変化が生まれることとなります。
その最大の変化はこのオーディションと呼ばれる謎のバトルロワイヤル。
スマホに通知がきたらオーディション開始。
舞台少女たちによる『トップスタァ』を目指した戦いが秘密の公演『レヴュー』を通して繰り広げられることになります。
その戦い方とはそれぞれの武器を駆使したバトル。
バトルで勝利した方がトップスタァにより近づける。
トップスタァとは具体的に何なのか?(ちなみに宝塚歌劇団では主演男役をトップスターと呼ぶ)
また、最初にどういったルールでバトルロワイヤルが行われるかなどの詳しい解説は一切なし。
話の進行と共にあきらかになっていく形ですね。
ちなみに、武器を使ってバトルをしていますが実際にケガをさせたりといったことはなし。
武器によるバトルもあくまでレヴューの一環という演出なのでしょうね。
また、オーディション後に各キャラクターの順位が表示されることがありますが、こちらの順位付けについても解説は一切ありません。
バトルロワイヤルと共に、これらの謎の解明も楽しむ作品ですね。
少女☆歌劇 レヴュースタァライトのミュージカル版&漫画版とアニメ版を比較
アニメ版よりも舞台ミュージカルの方が先に始動。
アニメの声優がそのまま舞台でも演じている形です。
舞台版とアニメ版ではキャラの一部が変更されており、またそれぞれの関係性も違っています。
この辺は単品でも楽しめ、両方見るとさらに楽しめる仕掛けなのでしょう。
『アタシ 再生産』のキャッチフレーズはそういった意味も込められているのかも。
また、複数の漫画版もあり。
マンガ版は舞台をコミカライズした『舞台 レヴュースタァライト SHOW MUST GO ON』とキャラをデフォルメした『よんこま すたぁらいと』、テレビアニメ版の前日譚を描いた『少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア』などがあります。
特に前日譚となるオーバーチュアが熱いですね。
華恋や露崎(つゆざき)まひるなど、本編ではすでに仲良くなっている人間関係がどのように築かれているのかが描かれています。
ひかりが来る前の8人の人間関係がより分かる内容となっています。
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少女☆歌劇 レヴュースタァライトの独自評価・考察
ミュージカルバトル・伏線・人間関係。
少女歌劇 レヴュースタァライトの感想をコンパクトにまとめるならこんな感じ。
ここからはその点に注目して考察・評価をしていきます。
夢と輝きを賭けたミュージカルバトル
この作品で一番魅力に感じるのは戦闘シーンですね。
舞台やミュージカル要素を加えたバトルシーンはオンリーワン的な魅力がある。
バトル開始と共に戦う二人が背中合わせで舞台下から登場(違うパターンもあり)
そこから演劇のようなセリフ回しが始まる。
星屑溢れるステージに可憐に咲かせる愛の華。99期生愛城華恋!みんなをスタァライトしちゃいます!
そして、それぞれがキメ台詞と共に自己紹介。
この辺の口上もキャラによって違うのも熱いですね。
セリフやその中に含むキーワードなど、キャラの個性を表すものになっています。
それではオーディション3日目。誇りのレヴューの開演です
そして、オーディション開始の合図と共に演目紹介。
このレヴューの演目やそこでかかる音楽も毎回違う。
ついでに言うとエンディングテーマも毎回違うと音楽の演出にも力を入れているのも特徴です。
そして、バトル開始と共に今度はミュージカル風の歌うようなセリフ回しが始まる。
それを合図とするようにバックでオーディションに参加した今回のメインとなる舞台少女たちの歌が流れる。
このバトル中にも随所にスポットが当たるなどの演劇的な演出が入ってくる。
さらに、バトルの状況に合わせて歌うキャラが変わるなど芸が細かい。
ポジションゼロ。This is天堂真矢!
そして、勝負が決まったらポジションゼロのキメ台詞と共にバトル終了。
最後のキメ台詞もキャラによって違いますね。
また、ポジションゼロとは、舞台のセンターポジションで主役だけが立つことが許されたスポットライトの中心のことです。
ちなみに、こういった戦闘の演出などを含めて1997年に放送された『少女革命ウテナ』と比較されることがありますが、これはどちらも宝塚歌劇団の要素を取り入れているのが大きいでしょう。
また、監督の起用に関してもある程度は意識しているのかなと感じます。
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独自の世界観とちりばめられた謎と伏線
演劇や舞台ミュージカルを取り入れたバトルもそうですが、それ以外でも独自の世界観を構築しているのが少女☆歌劇 レヴュースタァライト。
その最大の象徴が喋るキリンですね。
現代風の世界をベースとしていると見せかけて急に飛び出すファンタジー。
なんでキリンが喋るんだよっ!?
その強烈なキャラクターから初めて見た時はそうツッコまずにはいられませんでした(笑)
他にも、いつもは閉じられているけれど、オーディションの時だけ開かれる。
学園の地下深くにオーディション会場となる舞台があるというのもファンタジー(キリンもそこにいる)
そこで舞台少女はバトル衣装へと着替えるのですが、レトロな機械を使って自動的に変身するシーンが非常にアヴァンギャルドで印象的。
このシーンで他のアニメとの大きな違いを感じました。
また、随所で塔が象徴的に出て来るのも特徴。
舞台ではもちろん、日常シーンでも東京タワーがよく出てくる。
メインテーマである戯曲『スタァライト』も塔を守る6人の女神たちが織り成す美しくも哀しい物語。
この塔が物語に深く関わることは間違いないでしょう。
9人になってからの人間関係の変化
ひかりが転校してくる前はペアが固定されていた8人。
寮の部屋も同室(トップ2の天堂真矢と西条クロディーヌはそれぞれ個室)、そのペアとレッスンやプライベートでも一緒にいることが多かった8人。
例えば、オーディション開始前からトップを争うライバルとしてお互いを高め合っていた天堂真矢と西条クロディーヌ。
このペアはどちらも普段は一人で行動することが多いですが、レッスンなど要所要所で二人で競い合う。
他には、幼馴染として常に行動を共にする石動双葉(いするぎふたば)と花柳香子(はなやぎかおるこ)
朝起きれないなど、生粋のお嬢さまの香子を双葉がフォローするという関係性。
膝枕をするなど、幼馴染以上の百合を感じさせることも多いペア。
そして、ひかりが登場する前は愛城華恋の世話をいつも焼いていた露崎まひる。
人が三人集まれば派閥ができるなんていうように、ひかりの転校によって一番最初に変化が訪れたのがここ。
華恋・まひるのペアが華恋・ひかりにチェンジ。
そこから波及していく変化の波。
固まっていた人間関係の変化もこの作品の見所の一つです。
ただ、展開的にどのキャラが好きかで作品の評価も大きく変わりますね。
少女☆歌劇 レヴュースタァライトのひとこと感想まとめ
少女☆歌劇 レヴュースタァライトは、アヴァンギャルドな演出と演劇やミュージカルを取り入れたバトルが印象的なアニメ。
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