
リアルの将棋はめっぽう弱いすやまたくじです。
今回はそんな将棋アニメ『りゅうおうのおしごと!』と『3月のライオン』の比較を。
目次
二つの将棋アニメ
- タイトル:りゅうおうのおしごと!
- ジャンル:将棋、コメディ
- 放送期間:2018年・全12話
- アニメーション制作:project No.9
- スタッフ:柳伸亮、志茂文彦、矢野茜、川井憲次
- キャスト:九頭竜八一・内田雄馬、雛鶴あい・日高里菜、空銀子・金元寿子、夜叉神天衣・佐倉綾音、清滝桂香・茅野愛衣
- 原作:ライトノベル『GA文庫』・白鳥士郎
- 舞台:大阪
- タイトル:3月のライオン
- ジャンル:将棋、青春、人間ドラマ
- 放送期間:2016年~2017年・全22話、2期 2017年~2018年・全22話
- アニメーション制作:シャフト
- スタッフ:新房昭之、岡田堅二朗、東冨耶子、杉山延寛
- キャスト:桐山零・河西健吾、川本ひなた・花澤香菜、川本あかり・茅野愛衣、川本モモ・久野美咲、川本相米二・千葉繁
- 原作:青年漫画『ヤングアニマル』・羽海野チカ
- 舞台:東京
数あるアニメの中でも将棋をメインテーマに据えた作品は『りょうおうのおしごと!』と『3月のライオン』だけ(2018年2月時点)
そんな二作品が偶然か狙ったのか2018年1月~3月に放送が被るという事態に。
リアルでも藤井聡太登場により盛り上がっている将棋界。
ということで、今回はそんな二つの将棋アニメを比較しながらそれぞれの魅力と語っていきたいと思います。
さらに将棋らしく七番勝負で対決方式で紹介していきます。
といっても、シリアスとコメディ、原作もライトノベルと漫画と特徴が違うため、どちらが人気か売上があるかといった野暮なことはせず、僕の好みの項目を比較。
そして独断と偏見で勝敗を決めました。
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将棋アニメ対決七番勝負
主人公対決
まずは物語の軸となる主人公の比較から。
- 名前:九頭竜八一(くずりゅうやいち)
- 年齢:16歳
- タイトル:竜王
- 段位:八段
- 順位戦:C級2組
中学生でプロデビュー(作中では史上4人目)
さらに16歳で段位8段、竜王のタイトル獲得。
その後に内弟子を取るなど、10代とは思えない実績を残す将棋界の天才中の天才。
棋風(将棋の指し方)は力戦(定石から外れた戦い)が得意で、その後にオールラウンダーへの棋風改造を図る。
性格の方はそんな才能を鼻にかけることもなく誰にでも謙虚。
というより、年下女性を中心に頭が上がらない人物が多く、ヘタレな印象も強いですね。
そのせいで実績の割にはあまり天才感も感じません(笑)
さらに年下中心のラブコメ体質で、その多くが小学生と竜王ならぬロリ王としてもブイブイいわせている男(笑)
- 名前:桐山零(きりやまれい)
- 年齢:17歳
- タイトル:なし
- 段位:五段
- 順位戦:C級1組
桐山も中学生でプロ入りした若手棋士(作中では史上5人目)
九頭竜と比較すると実績は劣りますが、それでも17歳で五段は十分に天才クラス。
棋風はオールラウンダーで盤面を感覚的に捉えることができる天才肌。
性格の方は内向的で繊細で人付き合いが苦手。
そのため、学校では友達がおらずに一人で過ごしていることが多い。
見た目も草食男子といった感じですね。
ただ、天才としての雰囲気は九頭竜以上。
主人公対決はまずはりゅうおうのおしごと!が先勝。
男はハードボイルドなキャラが好きな僕はどちらも好みのキャラではない。
なので、将棋の部分を比較してのこの結果ですね。
竜王で段位も九頭竜の方が上ですからね。
ちなみにリアルで有名な中学生でプロ棋士(最年少記録)となった藤井聡太(ふじいそうた)は2018年1月時点では五段・C級1組(中学生での五段・C級1組は史上初)タイトルなし。
同じく中学生でプロ入りした羽生善治(はぶよしはる)は17歳のときに五段・C級1組で天王戦(1993年から棋王戦と統合)で優勝、19歳の時に竜王獲得。
10代での竜王獲得というのは実際に行われています。
ヒロイン対決
次に物語の華とヒロイン勝負を。
こちらはメインヒロインだけでなく、主人公を慕う女性陣全員を含めて比較します。
九頭竜の周りにいる女性は画像に写っている7人。
内弟子の雛鶴あい(ひなつるあい)・年下ですが姉弟子の空銀子(そらぎんこ)・清滝桂香(きよたきけいか)・後にもう一人の内弟子となる夜叉神天衣(やしゃじんあい)・他にあいの友達の水越澪(みずこしみお)・貞任綾乃(さだとうあやの)・シャルロットと、
ハーレムかよっ!?
とツッコミたくなるレベル。
ただ、桂香以外は全員年下でさらに7人5人は小学生。
まさにロリ王!
ちなみにあいのような女子小学生が内弟子として棋士の家に住み込むというエピソードは実際の将棋界でもあります。
なので、一概にファンタジーとも言えない展開ですね。
桐山の周りにいる女性は川本三姉妹。
長女:あかりが23歳、次女:ひなたが14歳の中学2年生、三女:モモが3歳の幼稚園児。
川本家でご飯をよく御馳走になるなど家族のように過ごすかなり濃密な関係。
りゅうおうのおしごと!がドタバタラブコメなら3月のライオンは家庭的なヒロイン達との一時を過ごしているアニメ。
ヒロイン対決は3月のライオンに軍配。
これで1勝1敗。
理由はロリよりも巨乳の方が好きだから!(笑)
家庭的でしかも働いている銀座の店では美人でモテモテのあかりはテンプレ的な優しい美人のお姉さんとして桐山と視聴を癒してくれます。
ひなたも優しく家庭的なだけでなく、学校問題では芯の強さを見せてくれる。
ドタバタラブコメよりも家庭的な癒しを求めるお年頃なのです。
りゅうおうのおしごと!にも桂香という年上で美人で巨乳なキャラはいますが、アニメ版ではあまり絡んでこないのですよね(原作ライトノベルではアプローチしている)
なので、実質ヒロインは6人ですね。
ちなみに、あかりも桂香も担当声優は茅野愛衣(かやのあい)
これは狙っているのかたまたまなのか?
ライバル対決
物語を盛り上げるのに欠かせないのがライバル。
ここではそんなライバル勝負を。
九頭竜のライバルとなるのが神鍋歩夢(かんなべあゆむ)
画像を見て分かる通りなかなかの中二病気質。
初登場で、
はははは!それは世を忍ぶ仮の姿!
我が真名は別にある!騎士にして棋士!
白金のシュヴァリエ、ゴッドコルドレン歩夢
と名乗り、対局中も
奥義!ライトウィングホーリーランス!
などと叫ぶパンチが効いたキャラクター。
桐山のライバルとなるのが二海堂晴信(にかいどうはるのぶ)
ぱっちゃりな見た目とは裏腹に言動や行動が二枚目な男。
最初はお金持ちのパンチが効いたキャラと見せかけて、実は仲間のために体を張れる、常に健康に不安を抱えていることを感じさせないで将棋を指し続ける熱い漢。
ライバル対決は3月のライオンの勝ち!
これで3月のライオンの2勝1敗。
二階堂の見た目と内面の違いのギャップにやられましたね。
あと、中二病とはいえ神鍋はイケメンなので。
それだけでイケメン嫌いの僕の評価はガタ落ちですな。
ちなみにこちらも担当声優はどちらも岡本信彦(おかもとのぶひこ)
ヒロイン・ライバルとタイプが似ているキャラのどちらも同じ声優。
これはやはり狙っている感じがぷんぷんしますねw
最強対決
こちらでは主人公の憧れの対象であり高い壁となる最強棋士対決を。
将棋の実力だけでなくその存在感も含めてチョイスしました。
りゅうおうのおしごと!で最強といえば月光聖市(つきみつせいいち)
日本将棋連盟会長で段位は九段。
中学生でプロデビューし、20代で大病を患いながらタイトル獲得計27期、一般棋戦優勝22回という圧倒的な成績を残し、永世名人の資格も持っています。
また、この見た目で50歳と将棋だけでなく存在感も最強。
3月のライオンの最強といえば宗谷冬司(そうやとうじ)
こちらも中学生でプロデビューし、21歳で史上最年少で名人位に就き、さらに史上初の7大タイトル独占を成し遂げた天才中の天才。
宗谷名人も途中で病気を患いながら物語開始時点から名人・獅子王・棋神・聖竜・玉将に在位。
名人戦は6連覇で通算12期、玉将戦は5連覇の記録。
こちらもこの外見で30代後半と存在感もファンタジーな人。
最強対決は3月のライオンの勝利!
これで3月のライオンの3勝1敗と王手となりました。
成績と見た目の異次元さは甲乙つけがたいのですが、存在感の部分で宗谷名人の勝利としました。
透き通るような宗谷名人の存在感と孤独感はまさに雲の上の人という表現がピッタリ。
ちなみに3月のライオンの日本将棋連盟会長はこちらの神宮寺崇徳(じんぐうじたかのり)
こちらも永世名人と実力者ですが、すでに現役じゃない点と見た目は普通の豪快なおっちゃんと会長対決ならりゅうこうのおしごと!に軍配が上がってましたね(笑)
将棋対決
ここでは将棋アニメのメインとなる将棋の部分の比較を。
キャラの見た目や小学生棋士が多く登場することから最初は必殺技などがありなファンタジーな展開を予想していたのですよ。
が、全然そんなことなくて本格的でした。
対局中は解説役(主人公が務めることが多い)が逐一戦法や定石などを教えてくれ、それに加えてアニメらしく図や動きなども入れてくるので分かりやすい。
また、プロ棋士のなり方や棋士と女流棋士などの違いについても解説してくれます。
3月のライオンは将棋的な解説は少なめ。
対局中も戦法などの解説はあまりなく、対峙しているそれぞれの内面を通した人間ドラマに重きを置いています。
そのため、作品全体を通して将棋を指す頻度はりゅうおうのおしごと!と比較すると少なくなっています。
将棋対決はりゅうおうのおしごと!の勝利。
これでりゅうおうのおしごと!の2勝3敗と盛り返しました。
やはり将棋を分かりやすく解説しているのが大きい。
逆に3月のライオンは将棋よりも将棋を通した人間ドラマって感じなので、将棋を知らなくても楽しめる反面、将棋の面白さは伝わりづらいですね。
ちなみにりゅうおうのおしごと!は将棋業界の小ネタをちょいちょい入れてくるのも特徴。
画像の元ネタは羽生名人に破れて呆然としている広瀬八段。
こういったパロディを入れられるのもコメディの強みですね。
日常対決
ここでは将棋以外の日常エピソードで勝負。
りゅうおうのおしごと!は弟子であるあいやその周りの小学生とのエピソードがとにかく多いですね。
小学生に将棋を教えたり触れ合ったり、ときには一方的にラブコメ展開に持ち込まれたりと。
そして、他の子とラブコメ展開になるとヤンデレ気質があるヒロイン:あいの恐怖が迫る!
そんなやり取りでとにかく笑わせてくれる。
3月のライオンは川本家や学校でのほっこりとシーンを軸にそこにシリアスな話をちょいちょい挟んできます。
それが孤独・家庭問題・学校でのいじめなどとかなり重いテーマとなっている。
こちらは笑いよりもそういった人間ドラマで魅せるアニメ。
日常対決はりゅうおうのおしごと!の勝利。
これで3勝3敗のイーブン。
理由は重いテーマよりも笑いの方が好きだから。
重いテーマは3月のライオンの特徴であり、考えさせられるエピソードは魅力的なのですが、こちらの感情も黒くなる観ていて辛いエピソードもあるので。
特にいじめ問題はヒロインの芯の強さに感動すると同時に、いじめてる側などの悪意に怒りを覚える見ていて気持ちのいいシーンではありませんでした。
名言対決
最後に名言勝負を。
まったく小学生は最高だぜ!
九頭竜が言ったこのセリフは『ロウきゅーぶ!』という作品のパロディなのですが、これが一番しっくりとくると思えるほどのロリ王こと九頭竜のロリ街道。
もはや竜王のお仕事は将棋を指すことではなく、小学生と戯れることじゃないのかなと思えるほどのレベルで(笑)
ということで、このセリフをこの作品の名言としてチョイスしました。
3月のライオンの名言は『信じれば夢は叶う』から始まる一連のセリフ。
桐山と新人戦で対局した山崎順慶(やまざき じゅんけい)が言ったものですね。
「信じれば夢は叶う」
それは多分 本当だ
但し 一文が抜けている
「信じて努力を続ければ夢を叶う」
ーーこれが正解だ。さらに言えば
信じて「他のライバルよりも1時間長く毎日努力を続ければ ある程度迄の夢は、かなりの確率で」叶うーーだ
キャッチコピーというものは 短い方がいい
ーーでも これはあまりにもはしょり過ぎだと思う
信じれば夢は叶うというワンフレーズにどれだけの意味が詰まっているかが分かる名言。
名言対決は3月のライオンの勝利。
これで3月のライオンの4勝3敗で勝ち越し。
この山崎の名言はかなり共感しました。
信じるだけでは夢は叶わない、叶えたいのならライバル以上に努力する必要があるという。
が、僕ならある程度の才能も必要という一文を付け加えますね。
夢を叶えたいのならまずは自分を知り、その才能に合わせて選択し努力することが必要ですね。
将棋アニメ対決七番勝負結果
結果は4勝3敗で3月のライオンの勝利!
勝負の内容を見ると、人間ドラマとしては3月のライオンですが純粋に将棋アニメとして楽しむならりゅうおうのおしごと!ですね。