
この作品は前半の笑いと後半の仕掛けにやられたすやまたくじです。
今回はそんなSF科学アドベンチャーアニメ『シュタインズ・ゲート(略称:シュタゲ)』の感想レビュー評価・考察を。
ちなみに今回は作品の性質上ネタバレ情報も入ってくるので注意を。
この記事で分かる目次
STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)とは?
- ジャンル:SF、科学アドベンチャー、セカイ系
- 放送期間:2011年・全24話+スペシャル、劇場版 2013年、ゼロ(2期)2018年・全23話
- アニメーション制作:WHITE FOX
- スタッフ:佐藤卓哉、浜崎博嗣、花田十輝、坂井久太
- キャスト:岡部倫太郎・宮野真守、牧瀬紅莉栖・今井麻美、椎名まゆり・花澤香菜、ダル・関智一、桐生萌郁・後藤沙緒里、漆原るか・小林ゆう、フェイリス・桃井はるこ、阿万音鈴羽・田村ゆかり
- 原作:Xbox 360用ゲーム(様々な機種に移植)・5pb./Nitroplus、他漫画版とラノベ版あり
すべては運命石の扉(シュタインズ・ゲート)の選択のままに。エル・プサイ・コングルゥ。
自称マッドサイエンティスト鳳凰院凶真(ほうおういんきょうま)こと、本名:岡部倫太郎(おかべりんたろう)はドクター中鉢(なかばち)のタイムトラベル理論の発表を聴くため秋葉原ラジオ会館へ。
そこで出会った天才少女:牧瀬紅莉栖(まきせくりす)が血まみれで倒れている現場を目撃してしまう。
そのことを携帯メールで同じ研究所メンバーに報告した矢先にめまいに襲われる。
そして、気付いたときにはラジオ会館に入る前で時間が戻っており、さらに先程とは状況が違っていた。
ここから岡部倫太郎の不思議な体験が始まる。
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舞台は秋葉原を拠点とする発明サークル『未来ガジェット研究所』
おい、そこの貴様!
俺たちが見えているか?
なぜ答えない?
モニターのそっち側にいる間抜け顔の貴様だ!!
まぁいい ここが未来ガジェット研究所だ
所属研究員を紹介しておこう
まずは、ラボメンNo.001 ラボ創設者にして狂気のマッドサイエンティスト、この俺、鳳凰院凶真
こちらが本作の主人公の鳳凰院凶真こと岡部倫太郎。
最初のサスペンスが嘘のように(自分でもよく分かっていない)こんな画面の向こうの視聴者に語りかけるようなコメディから始まります。
未来ガジェット研究所とは、秋葉原の一室を借り、仲間と共にヘンテコな物を作っている発明サークル。
前半はそんなパンチが効いたラボメンが繰り広げるコメディとなっています。
個性的なラボメン(研究所メンバー)の発明コメディ
- 岡部倫太郎:自称マッドサイエンティストな厨二病
- 椎名まゆり:コスプレ好き(自分ではしない)な不思議ちゃん
- ダル:美少女ゲーム好きで変態紳士なスーパーハッカー
- 牧瀬紅莉栖:ツンデレ天才少女
- 桐生萌郁(きりゅうもえか):コミュ症で極度の携帯依存症
- 漆原るか(うるしばらるか):男の娘
- フェイリス・ニャンニャン:ネコ耳メイドで厨二病的な発言も目立つ
- 阿万音鈴羽(あまねすずは):情報が偏っていて世間ずれしたバイト戦士
初期からいるメンバーと途中加入のメンバーを含めて合計8人。
シュタインズゲートは岡部を軸としながらこの8人を中心に展開していく物語。
ラボメンはどいつもこいつもパンチが効いた奴ばかりw
前半はこの8人のやり取りとヘンテコな発明も加えたコメディでガンガン笑わせてくれます。
ガラクタ発明がタイムマシンへと繋がる
岡部とダルが中心となって開発した未来ガジェット(発明品は全て未来ガジェット+ナンバーで呼ばれる)はほぼ役に立たないガラクタばかり。
そんな中、唯一光るものがあるのが『電話レンジ(仮)』
入れたものをゲル状に変えるという不思議な現象を調べていくうちに、携帯メールを過去へ送るタイムマシン機能を備えていたことが判明する。
最初の岡部の異変もこの機能が偶然が使われたからですね。
さらに、天才少女:牧瀬紅莉栖の力も借り、その機能を拡張。
最終的には人の記憶を過去の自分に届けるタイムリープマシンを完成させることにも成功します。
過去改変による突然の悲劇
電話レンジ(仮)のタイムマシン機能が判明した後もラボメンのコメディなノリは今まで通り。
これを使って色々と実験してみようとなっても、宝くじの当選番号を過去に送るといった小者感が漂うものw
が、実験の対象となったラボメンにはそれぞれ変えたい過去を隠し持っており、岡部の知らないところで小さな過去改変が次々と行われることになります。
それぞれの過去改変はささないもの。
しかし、それがバタフライ効果(小さな変化が大きな変化に繋がる)の影響で予想外に大きな変化へと繋がっていた。
なんだよこれ・・・何だよこれ!
そして、悲劇は突然にやってくる。
悲劇を回避するため、岡部と世界との戦いが始まる。
シュタゲの原作ゲーム&漫画・ラノベ版とアニメ版を比較
- ゲームジャンル:想定科学ADV
- 発売日:2009年、ゼロ 2015年(どちらもその後に複数機種に移植)
- 開発元:5pb./Nitroplus
シュタインズゲートは元々は『STEINS;GATE』のタイトルで販売されたSF科学をテーマとしたアドベンチャーゲーム。
6つのマルチエンドがあり、主人公の選択によってルートが変わるというものですね。
アニメ版はこの中のトゥルーエンドに至るまでの物語を描いもの。
ただし、メインヒロイン以外のエンディングや見なくてもクリア可能なイベントなどはカットされています。
なかには強烈なバッドエンドもあるため、サスペンスが苦手な人はプレイする時に要注意。
また、絵柄もけっこう違います。
未来ガジェット研究所の項目で使用した画像も原作ゲーム版だとこんな感じ。
アニメの絵に慣れていると抵抗があるかもしれません。
とはいえ、アニメ版にはないエピソードもあるため、よりシュタインズゲートを知れるという魅力もあります。
また、シュタインズ・ゲートは続編の『シュタインズ・ゲート ゼロ(こちらもゲーム原作でアニメ化)』を含めて複数のコミカライズ版・ノベライズ版があり。
本編を漫画化&ライトノベル化したものだけでなく、スピンオフやアンソロジー作品も複数刊行。
ちなみに漫画版はこんな感じですね(画像は続編のSTEINS;GATE 0)
シリーズごとに作者が変わりますがアニメ版や原作ゲームとも絵がけっこう違うので要注意。
とはいえ、スピンオフを筆頭に本編とは違うシュタインズ・ゲートが楽しめるのはたしか。
逆にライトノベルの表紙や挿絵などはアニメや原作ゲームのものそのままですね。
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【ネタバレ注意】STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)の独自評価・考察
前半と後半でまったく違うテイスト。
このふり幅の大きさと前半で張り巡らせた伏線を回収していく後半、これに完全にやられましたね。
ここからはその点についての独自評価・考察を詳しく解説してきます。
また、ここからはさらなるネタバレが出てくるので注意してください。
前半はコメディアニメ
(プリンを手に怒る紅莉栖)
【紅莉栖】ここ見なさいよ!ちゃんと書いてあるでしょう?牧瀬って!
【岡部】牧瀬プリンって読めるではないか?…森永さんちのプリンも小岩井さんちのプリンも同じだろう?
【紅莉栖】屁理屈を言うな!
【岡部】だいたい牧瀬とは何者だ?
【紅莉栖】私の名前だ!
【岡部】クリスティーナ牧瀬か…だったら素直にクリスティーナと書いておけば、うっかり無駄なカロリーを摂取せずに済んだものを。
【紅莉栖】人のモノを勝手に食べといて!だいたいそれ私のスプーンでしょう!?
シュタインズゲートは前半だけを見ればコメディアニメと言ってもいいぐらいに笑い満載。
パンチが効いたキャラクター同士の掛け合いで存分に笑わせてくれますw
主人公とヒロインの掛け合いだけでも数え切れないほどのコメディシーンが。
自称マッドサイエンティストと天才少女がプリン一つでこれほどのバトルを展開してくれます。
【岡部】貴様!まさかそれは、ギアナ高地で習得したという奥義… 肩すかし!
【フェイリス】なんでわかったにゃ!さすが凶真…フェイリスのスルーショルダーを見破るなんて!
また、岡部の厨二病な発言についていけるフェイリスとの会話も熱い。
この二人が揃うと周りがついていけない異次元トークをよく繰り広げるw
変態じゃないよ、変態紳士だよ!
そして、忘れてはいけないのが美少女ゲームと下ネタ好きのダル。
隙あらば下ネタを放り込んでくる僕の大好物なキャラクター。
バナナが登場したときの積極性には脱帽です。
仮にシュタインズゲートが後半のシリアスパートがなく、前半の笑いだけで終わっていたとしてもコメディアニメとしておすすめランキングの上位に食い込んだ作品ですね。
前半の伏線を回収するシリアスな後半
わざとじゃないの・・・
謎はありつつも笑い中心でまとめてきた前半と一変して後半はシリアスとSFメイン。
この感情の揺れ幅の大きさがシュタインズゲートの一番の特徴。
岡部は悲劇を回避し、仲間を助けるためにタイムリープを行いますがそれがうまくいかない。
何度タイプリープを繰り返しても、ときには謎の組織に、ときには事故で、ときには別の者の手によって仲間の命が奪われる。
その経験から辿り着いた一つの結論。
それは悲劇の世界線から抜け出すためには過去改変を修正し、元の世界線に戻らないといけないということ。
もう、夢から覚めなくちゃね‥‥
ここでコメディ回の前半と繋がるわけですね。
が、過去改変を修正するということはそれによって人生が変わった人達の幸せを奪うということ。
そして、過去改変を修正して元の世界線に戻るということは最初の紅莉栖が倒れていた1話のシーンに繋がる。
最終話まで観てから1話目から見直すと色々と気付きが多い作品ですね。
さらに、ここからシリアス度もグッと増します。
各キャラクターのそれぞれの切ないエピソードが展開されることとなり、前半の笑いの感情が逆流してくる感じで。
伏線回収の見事な構成とこのドラマ性が秀逸。
ちなみにアニメでは見れませんが、原作ゲームではここで世界線を変えることをあきらめ、そのキャラクターを優先するとそのヒロインとのエンディングを見ることができます。
シュタインズ・ゲート ゼロ(2期):別の世界線へと繋がる続編
- 放送期間:2018年・4~9月・全23話
- アニメーション制作:WHITE FOX
- スタッフ:川村賢一、花田十輝、稲吉智重、阿保剛、信澤宣明、日向萌
- ゼロからの追加キャスト:比屋定真帆・矢作紗友里、椎名かがり・潘めぐみ、フブキ・本多真梨子、カエデ・木野日菜
- 原作:ゲーム(複数機種で同時発売)・志倉千代丸/MAGES.
2018年に放送された第2期『シュタインズ・ゲート ゼロ』はトゥルーエンドに辿り着けずに失敗した世界線が舞台。
こういった2期への繋げた方も他のアニメとの違いを感じますね。
ちなみに、続編制作が発表された2015年に再放送された第1作ではゼロに繋がる新作パートに差し替えられた最終回が放送されました(Blu-ray BOXにも収録)
第1作に登場したキャラクターに加え、ゼロから登場するキャラクターもプラスされさらに個性派メンバーが増えます。
これらのキャラクターがまた新たな組み合わせで掛け合いを見せてくれます。
また、こちらの世界線では主人公の岡部が失敗を引きずって意気消沈している点も大きな違い。
自称マッドサイエンティストなど、厨二病的な発言は一切なくなっているのでまるで別人のような雰囲気。
この岡部がいつ鳳凰院凶真として復活するかも見所です。
1期ではまゆりのコスプレ仲間として名前だけ出ていたフブキ&カエデもゼロでついにアニメにも登場(STEINS;GATE外伝小説シリーズではすでに登場)
特にカエデのわがままボディはヒロインの一人に加えたいぐらい!w
また、フブキはなにやら特別な力を持っているようで…。
そして、ゼロで追加された新ヒロインは見た目は子供(年齢は大人)、頭脳は天才な比屋定真帆!
その見た目と見た目とは正反対なしっかりした性格で天才っぷりでゼロでは大活躍してくれるキャラクターです。
これら新キャラクターがラボメン達とどう絡んでくるかも見物ですね。
STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)のひとこと感想まとめ
シュタインズゲートは前半の笑いと後半のシリアス、そして前半の伏線を見事に回収していく後半の盛り上がり見事な作品。