この漫画は噂のエロスが部分が気になって購入したすやまたくじです。
が、それ以外のSFサスペンスもけっこうオモロイやんとなった漫画『終末のハーレム』の感想レビュー評価・考察を。


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終末のハーレムとは?

  • ジャンル:近未来エロティックサスペンス、ディストピアSF
  • 作者:原作・LINK、作画・宵野コタロー
  • 掲載サイト:集英社『少年ジャンプ+』
  • 連載期間:2016年~

コールドスリープから目覚めたら男性がいない世界になってました。

物語開始は近未来の2040年。

高度に発展したテクノロジーにより、人は生活のためだけの仕事から解放された世界。

その世界を破壊するウイルスが発生。

それにより、食料・水・塩・金属・石油などの資源の奪い合いがなっくなった人類は、地球上でもっとも貴重な資源となった男を奪い合うこととなる。

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ウイルスによって男性の99.9%が死滅した世界が舞台

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本作の主人公:水原怜人(みずはられいと)は2040年時点では治せない病気を発症。

それを治す特効薬をAI(人工知能)が開発するまで、5年間のコールドスリープを行うことなった。

そして、5年後にコールドスリープから目覚めたら世界は大きく変貌していた。

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男だけを殺すMKウイルスにより男性の99.9%が死滅。

わずかに生き残った男性もワクチン開発に希望を託しコールドスリープへ。

結果、地球はウイルスに抵抗力を持つ特別な男性5人を除き、女性しかいなくなった世界へと変貌していた。

 

世界を救うために必要なのは子作り

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地球上から男性がいなくなったことで急激な人口減少と働き手不足に。

それにより、ロボットやAIだけではカバーできない業界にひずみが出ているようです。

画像などの荒廃した建物を見ると建築業もその一つみたいですね。

また、科学者も技術者も半数以下になったことで数多くの科学技術がロストテクノロジーに。

新たに子供が生まれない人口減少も手伝って徐々に文明が退化している状態です。

そんなディストピアと化した世界を救うために必要なのが多くの女性と子作りを行い、たくさんのMKウイルスへの抵抗力を持つ男の子を誕生させること。

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まさに終末のハーレムというタイトル通りの展開(笑)

ちなみに子供は人工授精でも男の子は生まれず、MKウイルスへの抵抗力を持つ男性の精子を使ってもダメなようです。

普通に性交渉を行って生まれた男の子だと大丈夫なようで、逆になぜ人工授精だとダメなのかは不思議なところですがw

 

5対50億の世界で渦巻く欲望と陰謀

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男性5人に対し女性は50億人。

漫画でもここまで大規模なハーレム状態は初めてなんじゃないでしょうか?

美女も美少女もロリもグラマーも巨乳も貧乳も選びたい放題!w

ただし、女性側は希望者のみなので50億人全員から選べるわけではないですが。

ちなみにディストピアとなったこの荒廃した世界では一部の特権階級を除き、ほとんどの女性が貧しい暮らしをしています。

子供を宿せば安全で豊かな暮らしが保障され、女性側は現在の貧困から抜け出せるといったメリットがあります。

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また、男性がいなくなった世界では画像のように欲求不満に陥っている女性も多数存在。

たまに漫画やアニメで見る男性が女性に襲い掛かるパターンとは逆の女性が男性に襲い掛かるなんていうパターンも起こる。

男性がいなくなったからといって、女性がこんな風になるかはちょっと疑問ですが(笑)

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さらに、男性がいなくなった後の世界では女性による国際連盟『UW』が発足。

このUWも男性の扱いを巡ってなにやら怪しい動きを見せています…。

 

攻めに攻めたハーレム展開とエロ

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終末のハーレムと言えば、近未来エロティックサスペンスとして話題となったのがエロスの部分。

作画に成人向け漫画で活躍している宵野(しょうの)コタローを迎え、セクシーな絵柄はもちろん、ここ一番では白黒からカラーになるという仕掛けも用意。

そこから繰り出されるお色気シーンとハーレム展開は一般マンガではトップクラスのエロさ。

ときには、

ギャグかっ!?

といったぶっ飛んだ展開もありますが(笑)

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女性側は常に子作りをさせようとしているため、一人となる部屋はもちろんトイレやお風呂なんかも油断できない場所。

また、『少年ジャンプ+』でのアプリ連載時は謎の光や湯気によってブロックされていますが、コミックス収録時は乳首などの部分も丸見えの状態にw

ブログに掲載するため画像では載せていませんが、大事な部分以外はしっかりと描き込まれています。

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また、行為についても成人向けほどの露骨な描写はありませんが、最後まで描いているシーンもあり。

行為の方もアプリ連載時はなかったシーンがコミックス収録時に追加されているものもいくつかあります。

この攻めに攻めたお色気シーン、もはや少年漫画レベルではありませんw

 

終末のハーレムの独自評価・考察

エロ以外の部分も何気によく出来ている。

お色気マンガや成人向けのエロ漫画ってあんまりストーリーに力を入れていないものが多い。

ストーリーよりもおはだけなどで魅せる!といった感じで。

ジャンルにギャグやコメディが多いのもこのためでしょうね。

そんな中、終末のハーレムのようにギャグなしでストーリーにも力を入れている作品は珍しい。

エロさだけを追求するなら未成年でなければ同じ作者の成人向け漫画を買った方が早いですしね。

そして、そのストーリーや仕掛けも意外とよく出来ている。

マルチルートのような展開

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物語の主人公は水原怜人ですが、それ以外の男性目線でも描かれるのも終末のハーレムの特徴。

巻によってはこっちが主人公っ!?と思うほどガッツリとそっち目線で描かれます。

これによってメイン以外のサブストーリーが分かるのはもちろん、より豊富な女性キャラクターが登場し、さらに違った展開のハーレム状態を見せることもできるw

水原怜人のルートでは好きな人がいるとハーレム状態を拒否した結果、あの手この手で女性側がなんとか虜にしようと仕掛けてくる。

まあ、拒否しながらもAやBぐらいのことはけっこうやってますが(笑)

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逆に、最初にMKウイルスの免疫が確認されたナンバー1(怜人はナンバー2)『火野恭司(ひのきょうじ)』は完全にこの状況を楽しむスタイル。

こちらのルートが一番ハーレムという言葉がピッタリときますね。

寸止めの水原ルートと違い、こちらでは最後まで行為を行うだけでなく、様々なパターンが展開されます。

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そして、序盤に登場する男性の最後の一人がナンバー3『土井翔太(どいしょうた)』

こちらのルートは、

ギャルゲーかよっ!?

といった感じの女性の中に男性一人のトンデモ学園パターンw

当時はうまくいかなかった高校生活をハーレム状態でやり直すという展開です。

ちなみに女子生徒も方も現役以外の大人もおり、コスプレなどの一番プレイ感がある他のルートとはまた違ったエロスを醸し出す反面、

ギャグかよっ!?

と感じる展開が一番多いのもこのルートですね(笑)

複数の男性に焦点を当てることにより、ハーレムに対する行動をマルチストーリーのように楽しめるようになっています。

 

底が見えないサスペンス要素

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さて、マルチルートの方ではエロスも入ってきましたがこっからは完全にエロ抜きで。

水原怜人は好きな人と結ばれるため、そして家族や人類を助けるためにMKウイルスの特効薬の開発に取り掛かります。

が、特効薬を開発すると宣言した怜人に対する周りの反応は冷ややか、特にトップ陣の反応が悪いですね。

さらに、特効薬開発のための情報集めを行うと何者かの妨害が入ったりときには命を狙われたりもします。

どうやら特効薬を開発されると困る人がいるようで…。

というより、そもそも男性だけに発症するウイルスが自然発生するとは考えにくいですし、こちらも人為的なニオイがぷんぷんしますよね。

調べていくうちに次々と浮かび上がってくる謎とサスペンス。

犯人は誰なのか?そしてなんのためにこんなことをやったのか?

この部分も気になる作品です。

 

SF設定や政治的背景も何気に濃い

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エロやサスペンスだけじゃない、SF設定やその環境での政治的背景も描かれている。

特に近未来SFが大好物なので、このSF設定はもっと詳しく描いて欲しい。

また、AIや機械化の発展によって生活のための労働から解放された人類。

これって今の日本でもたびたび議論されていることですね。

AIや機械によって人間の仕事が奪われる、いやそれによって労働から解放される!といった具合に意見が割れて。

ちなみに、生活は機械が生み出した利益でベーシックインカム(年齢制限なしでもらえる年金みたいなもの)などで維持するといった形。

MKウイルスで崩壊する前の終末のハーレムでの2040年は、後者の人類と機械がうまく共存できた世界っぽいですね。

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また、MKウイルスによって男性の99.9%が死滅した後の女の世界というのもなかなかに興味深い。

貧しいながらも争う男がいなくなったことで戦争がなくなり、争い事も激減したと喜ぶ人がいる一方、女の悦びがなくなったと嘆く人もいる。

男性よりも性欲の個人差が大きいと言われる女性だったらかなり意見は割れそうですね(男性だったら圧倒的に偏りそうですが)

この辺の同じ女性でもスタンスが大きく違うのも面白いところ。

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そして、女性メインとなった世界の政治的背景も描かれているのも興味深い。

こちらでもやっぱり不満を持つ人はいます。

一部の特権階級が物資や男を独り占めしていることに。

さらにそこに所属している女性や男性に対しても。

まあ、それはそうですよね。

直接的な争い事はたしかに少ないですが、現実でも男性よりも女性の方が陰では凄いなんてよく言われますし(笑)

こういった不満がどういった形で爆発するかも注目ポイントです。

 

終末のハーレムのひとこと感想まとめ

終末のハーレムは一般漫画のエロスと豊富なハーレム展開、それに加えてサスペンスやSF設定も何気に濃い。

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この記事を書いた人

すやまたくじ

アニメ・漫画を専門に紹介するブログ&YouTubeチャンネルを運営。
アニメは3000作品ほど、漫画は5000作品ほどチェック。
クリエイターへのインタビュー、mybestで記事監修などの活動も。

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