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愛を知らない少女の感動ファンタジーアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

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この作品を観ると進化前のAI(人工知能)を思い出すすやまたくじです。

今回はそんなファンタジーアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の感想レビュー評価・考察を。

動画解説:ファンタジーアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』愛を知らない少女を自動人形とAIに重ねた物語(約15分)

ヴァイオレット・エヴァーガーデンとは?

  • ジャンル:ファンタジー、群像劇、感動ドラマ
  • 放送期間:2018年1~4月・全13話
  • アニメーション制作:京都アニメーション
  • スタッフ:石立太一、吉田玲子、高瀬亜貴子、Evan Call
  • キャスト:ヴァイオレット・石川由依、ホッジンズ・子安武人、ギルベルト・浪川大輔、カトレア・遠藤綾、ベネディクト・内山昂輝
  • 原作:小説『KAエスマ文庫』・暁佳奈(本編全2巻、外伝1巻)

これは感情をもたない少女が愛を知るまでの物語。

4年間の大戦が終わったテルシス大陸。

その大戦で兵士として戦った一人の少女がいた。

少女の名は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

戦時中に大切な上官から告げられた「愛してる」の意味を探している。

感情をもたないヴァイオレットにはこの意味が分からないから。

愛してるの意味を知るため、ヴァイオレットは自動手記人形(オート・メモリーズ・ドール)となり手紙を綴る。

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舞台はヨーロッパ風なテルシス大陸

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物語の舞台はとある世界のテルシス大陸。

ファンタジー作品によくある設定ですがまったくの異世界というより少し昔のヨーロッパをモデルにしたような世界観。

街並や建物、蒸気船・自動車・路面電車などが存在し、逆に電気は存在しないことから18世紀後半の産業革命時のイギリスをベースとしているのかなと感じます。

 

戦場しか知らない少女が愛を知るための物語

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私は少佐の道具です。
不要になったのなら処分されるべきです。

主人公の少女の名前はタイトルと同じ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

戦災孤児だったところを拾われ、上官である少佐:ギルベルトに従属して4年間に渡る大戦を戦うことに。

その少女を知る者は彼女を武器だと言う。

命令すれば戦う、人の形を模しているだけの心を持たないただの道具だと。

病院で戦争の傷を癒している彼女の元に現れた少佐の友人だというクラウディアは告げる。

戦争は終わった、だからこれからは普通の少女として暮らして欲しいと。

しかし、戦場しか知らないヴァイオレットは一般家庭には馴染めず、そして本人にもその意志がない。

それどころか道具として不要になったのなら処分して欲しいと告げる。

 

愛を知るために少女は自動手記人形となる

普通の少女として生きることを拒否するヴァイオレットをクラウディアは自分の会社へと連れて行く。

そして、C.H(クラウディア・ホッジンズ)郵便社で社員として働くように命令する。

最初は配達員として働いていたヴァイオレットですが、自動手記人形(オート・メモリーズ・ドール)の働く姿を見て、その仕事がしたいとクラウディアに告げる。

その理由を聞いたクラウディアにヴァイオレットは答える。

知りたいのです!
愛してるを…知りたいのです。

自動手記人形サービス、ヴァイオレット・エヴァーガーデンがここに誕生。

想いを綴る、愛を知るために。

ちなみに自動手記人形とはタイプライターを使って文字を書けない依頼主の言葉を手紙に綴る仕事のこと(いわゆる代筆業)

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今の日本では馴染みがないですが、世界では今も読み書きができない人はたくさんいますし、モデルになっているであろう産業革命時のイギリスも一般市民には読み書きができない人が多くいました。

近代以前は実際に代筆業や代書屋という職業がヨーロッパや日本にもあったみたいです。

C.H(クラウディア・ホッジンズ)郵便社では配達業に加え、この代筆業を行っており、社に来れない人には出張サービスも行なっています。

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデンの独自評価・考察

放送前からネットで騒がれていたビジュアルの美しさはさすが。

この辺は上のPVを見れば一目瞭然です。

また、感動ストーリーの方も期待通り。

1話1話ドラマ性が高い展開を繰り広げます。

ただ、作画の美しさや感動ストーリーについてはたくさんの人が語っているのでここでは触れません。

僕がこの作品で一番に感じたのは、

ヴァイオレット=AI(人工知能)

と重ねたファンタジーアニメじゃないのかなと。

AIだけでは成立しないので具体的にはAIを搭載した自動人形(人型ロボット)になります。

ここからはそう思った理由を一つずつ解説していきます。

 

ヴァイオレット=AI&人型ロボットだと感じた理由

代筆業を自動手記人形と呼ぶ

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一番に引っ掛かるのがコレ。

依頼主の言葉を人がタイプライターで打ち込んで手紙にするわけだから、自動でもなければ人形でもないじゃないかと。

どこか浮世離れしているヴァイオレットは別としても、他の3人(左からエリカ・カトレア・アイリス)の自動書記人形にはドール感はなし。

なかでも人当たりが良い中央のカトレアが絶対的な人気で指名も多く、見た目以上にコミュニケーション能力が重視される職業でもありますし。

ちなみに日本で言う機械仕掛けのカラクリのことを西洋では自動人形(オートマタ、またはオートマトン)と呼びます。

他のアニメや漫画でも自動人形が登場する作品がありますが(だいたい美しい女性型)、これらもここから取っていると思われます。

さらに感情を持たない機械のような人形のようなヴァイオレットが行う仕事という意味も込めて、

手紙を書く人形=自動手記人形

としているのかなと(なので、人間味がある他の3人にはあまりしっくりこない)

 

ヴァイオレットの見た目や言動

感情を持たないヴァイオレットは人とのやり取りも事務的。

さらに表情の変化も少ないため、その整ったルックスと合わせてどこか無機質。

最初に人の形を模しているだけの心を持たないただの道具と言われたように、そういった部分がどこか人型ロボットを感じさせる。

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戦場で育ち、戦うことしか知らないヴァイオレットは相手の気持ちが理解できず、自分の感情もうまく表現することができない。

カワイイぬいぐるみをもらってもニコリともせず、なぜか上の画像のように噛んでしまう。

ただ、噛みグセには愛情表現の意味もあるそうでもしかしたらかなり気に入っているのかもしれませんが。

 

金属製の義手

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これは見た目のインパクト大ですね。

ヴァイオレットは戦争中に受けた傷が原因で両腕が義手。

それも現代の義手のようではなく画像のように金属そのままといったもの。

これの影響で1話目を観るまではヴァイオレットは人型ロボットか、もしくは『鋼の錬金術師』のようなファンタジーバトルものだと思っていましたから。

ただ、義手や義足に関しては中世時代に金属製のものが使われていたそうです。

とはいえ、タイプライターを打てるなどの細かい作業ができるほどは精巧ではありませんが。

両腕が金属製の義手という姿は戦争の痛々しさを感じさせるという狙いもあるでしょうが、やはりそれ以上に機械感や周りとの違いを浮き彫りにさせる狙いがあるのではないでしょうか。

 

ヴァイオレットの食事シーンがない

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ヴァイオレット・エヴァーガーデンは序盤からちょこちょこ食事のシーンが出てきます。

が、ヴァイオレットの食事シーンは一切なし。

しかも、食事に誘われても断るし、画像のように分けてもらっても断る徹底ぶり。

食事は必要最低限で十分だからと。

ヴァイオレットの成長と共にこの食事シーンは観れるかもしれませんが、この序盤の演出は完全に狙っているんじゃないかなと。

 

機械的に優秀な能力

ヴァイオレットは高い学習能力と遂行能力を持ちます。

その部分の能力は周りが驚くレベル。

タイプライターのタイピングは正確かつ速い。

さらに1分間に200文字と指定されたらそれを実行できる。

このある一定の部分では驚異的な能力を発揮するのは機械だけでなくAIも感じさせる要素ですね。

 

人の感情の機微が読み取れない

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高い能力を誇る一方、人の感情や気持ちはまるで理解できない。

そのため、ヴァイオレットが代筆したものは手紙とは呼べない代物。

初めて担当したお客にも激怒される始末。

ヴァイオレットに依頼されたのは交際を申し込まれた女性の男性への返事の手紙。

私ね、交際を申し込まれたの。
でもね私、そんな簡単な女じゃないし、尻の軽い女に見られたくないわけ。
まあ大した男じゃないし、私には好意なんてないけど。
彼がもっと誠意を見せてくれて本当に私を愛してるなら…。
気品のある、ロマンチックな手紙をお願い。

すぐに付き合いたいけど即OKして簡単だと思われるのは嫌という内容ですね。

この依頼主の言葉をヴァイオレットが手紙にすると、

手紙を拝読しましたが、私には現在好意はありません。
尚且つ、貴殿の誠意も愛情も不足しています。
私は複雑且つ重々しい女でありますので、その点を考慮し贈答品及び資金を調達した上、再度の挑戦を要望します。

結果、彼は怒って依頼主の女性は号泣。

言葉に出したことだけが全てじゃない。

言葉には裏と表があることが全く理解できなかったヴァイオレット。

手紙とは人の心を伝えるもの。

良きドールとは人が話している言葉の中から伝えたい本当の心を掬い上げるもの。

実務的能力は優秀なのにこういった感情の機微が一切理解できない。

この辺はディープラーニング(2010年代に普及したAIの一大進化)で進化する前のAIのネット検索や翻訳機能、音声入力なんかを思い出しますね。

 

人と触れ、手紙を書くことで進化していく

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ヴァイオレットは実務能力が高く、さらに他の人が食事をしている間も勉強するなど勤勉。

だけど、感情がない彼女は相手の気持ちが分からずに結果を出せない。

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そんな彼女も人と触れ合い、手紙を書くことで成長していく。

一人でやっていた時はまったく成果が出なかったのに、ついには手紙を書いたことを感謝されるほどに。

人と触れ合いで変化していくヴァイオレットの手紙の内容が、ディープラーニングで進化したAIを想起させる。

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデンのひとこと感想まとめ

ヴァイオレット・エヴァーガーデンは美しいビジュアルと感動ストーリーだけでなく、自動人形やAIの進化の比喩も楽しめるファンタジーアニメ。

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