
あなたの心の大誤算:すやまたくじです。
アニメや漫画をより楽しむための考察や解説をお送りしています。
今回はそんなアニメ『かげきしょうじょ!!』&『ピーチボーイリバーサイド』特集ー!
かげきしょうじょ 3話
さらさへの友達じゃないの一言から始まる愛の過去編
男嫌いとそれでもアイドルになった理由が想像以上に重いんですけどーっ!?
元凶の二人にはしっかりとお咎めを
そして、JPX48のプロデューサーをサラッと本家に寄せるのはやめなさい#かげきしょうじょ pic.twitter.com/Mi4osuK3w3— アニメマンガ名探偵すやまたくじ (@suyamatakuji) July 18, 2021
ピーチボーイリバーサイド 3話
鬼と共存するか
それとも、鬼を全滅させるか
二つに一つ、選択肢は突然に
そして、いつのまにかロリッ子が二人追加です…って、ストーリーに進んでるんですけれどーっ!?
時系列版も一緒に見ないとストーリーが分からない仕組みなのかな#ピーチボーイリバーサイド pic.twitter.com/KcLVijnSXd— アニメマンガ名探偵すやまたくじ (@suyamatakuji) July 15, 2021
プロも誤算!
良い方の誤算と悪い方の誤算が起こりました。
動画解説:誤算【かげきしょうじょ】【ピーチボーイリバーサイド】2021年夏アニメ3話までの仕掛けで明暗分かれる(約11分)
この記事で分かる目次
誤算の明暗分かれた『かげきしょうじょ』『ピーチボーイリバーサイド』
2021年夏アニメの『かげきしょうじょ』と『ピーチボーイリバーサイド』。
どちらもプロも見誤る誤算が発生。
しかも、その誤算は全く真逆の明暗分かれる。
今回はそこを中心に二作品を語っていきたいと思います。
ちなみに、ブログ版、または動画の概要欄で両作品の原作漫画の試し読み、その他の関連動画をまとめています。
また、YouTubeではアニメや漫画の役立つ情報を配信しているので、良ければチャンネル登録してください。
かげきしょうじょ!!の放送前の前評判
かげきしょうじょ!!の放送前の前評判はノーマーク。
放送前はダークホースや大穴として挙げられることもほとんどなかった。
というのも、男性向け漫画より市場規模が小さい少女マンガが原作で、そんなに爆発的に売れている作品じゃなかったら(少女マンガの方では売れてる方ですが)
結果、男性陣はほとんど知らない。
女性でも名前は知っているけど、読んだことがない人という人が多く、知名度的な問題でノーマークになった形。
>>かげきしょうじょ!!も対象の青春アニメおすすめランキングへ
放送後の手応え
そんなかげきしょうじょ!!の1話目の放送後は賛否両論ならぬ高評価と無!
見た人は、さらさや愛といった男性向けの作品とは違う、クセ強女子のキャラクターもウケて軒並み評価は高かった。
僕のYouTubeのコメントでも、今のところ夏の新作ではかげきしょうじょ!!が一番面白いという声が多いので。
が、その一方で0話切りしている人もかなり多かった。
夏アニメと言ってもたくさんあるので、時間がない人はある程度見る作品を絞らないといけない。
そうなってくると、この少女マンガの見た目は、やはり男性陣からの第一印象をゲットしづらい。
同じ系統の『少女歌劇 レヴュースタァライト』
また、同じ宝塚歌劇団の学校をモデルにしているということで、『少女歌劇 レヴュースタァライト』と比較されていたりもしてましたね。
あちらと比べると、バトルや派手な演出もないということで、リアル路線なかげきしょうじょとは雰囲気がかなり違う。
テーマは同じながらも『少女歌劇 レヴュースタァライト』の層もあまり取り込めなかった。
結果、1話目の動画配信dアニメストアの再生数は全体で100位ぐらいと低迷。
観てる人の評価は高かったけど、見てる人数が少ないというスタートダッシュとなりました。
プロも誤算の結果に
それが話数が進むごとに、さらに評価がうなぎのぼり。
2話3話で描かれた音楽学校の想像以上の厳しさや上下関係の体育会系の環境にリアル感があるという感想。
さらさや愛の過去を描いたドラマによって、さらにキャラ感情移入する人も続出。
そういった評価が口コミで広がり、0話切りした人達も徐々に見る人が増えてきた。
結果、最初は100位ぐらいだった動画配信の再生数も30位ぐらいまで大幅にアップ。
Twitterのトレンドでも、小規模ながら毎週のように入ってきている。
さらに、放送前は圏外だった原作漫画の売上が、各書店のランキングにバンバン入ってきて、僕が調べた限りでは夏アニメの中ではベスト5に入る勢い。
しかも、動画配信も原作マンガもまだまだ伸びている途中。
特に原作マンガは、本屋のプロたちが毎クール数字を分析して、アニメ放送前にどれぐらい入荷するか。
特集コーナーを作るかといった仕掛けをするのですが、その想定を超えて売れているらしい。
本屋によってはこの想定を読み間違えて、売り切れも発生しているみたいで、かげきしょうじょ!!はうれしい方の誤算が発生中。
そして、先ほども言った通り、この誤算はまだまだ伸びている途中。
このまま順調に人気を高めていけば、最終的には制作サイドや本屋にとってはうれしい方の誤算から大誤算に移行するかもしれない。
ピーチボーイリバーサイドの放送前の前評判
ピーチボーイリバーサイドの放送前の前評判はそこそこ。
2021年夏アニメのダークホースとして名前を挙げる人もいました。
あの京アニの『小林さんちのメイドラゴン』と同じ原作者の漫画が原作のこと。
カワイイ女の子が主人公でありながら、グロありのダークファンタジーというそのギャップ。
さらに、テレビのオンエア版では涼宮ハルヒの憂鬱のようにストーリーをシャッフルして放送し、それと同時に動画配信限定で時系列版も配信する。
他のアニメではあまり見ない、ストーリーの構成を変えた二つの物語を動画配信するというなかなか大変な作業で勝負することも決定。
そんな制作のプロが気合入れまくりの原作ということ、本屋のプロも動いて、お店によっては特集コーナーを作ってプッシュしまくり。
そういった意味では、業界サイドでは僕ら視聴者サイド以上に放送前は注目されていた作品かもしれません。
>>ピーチボーイリバーサイドも対象ファンタジーアニメおすすめランキングへ
放送後の手応え
そして、放送後のスタートダッシュは手応えあり!といった感じでしょうか。
Twitterで物凄くバズったというわけではありませんが、桃太郎伝説を元にしたストーリー。
主人公のサリーは自分のことを姫と言うちょいと天然な美少女と見せかけて、桃太郎的なものに覚醒した時の闇の深さのギャップ。
この最初のインパクトで、原作ファンはもちろん、アニメで初めて観た人のハートも鷲掴み。
オンエア版も時系列版も、動画配信の再生数は夏アニメのトップ10に入る勢い。
YouTubeのコメントの方でも、ピーチボーイリバーサイドが面白い、ピーチボーイリバーサイドの考察動画を出して欲しいというのが、かげきしょうじょ!!の次に来ていました。
ストーリーをシャッフルしたテレビオンエア版では、このアニメ第1話は漫画版の2話と3話に当たりますが、この第1話についてはシャッフルが当たった形。
ちなみに時系列版の第1話では、サリーが姫と呼ばれていた時の話と、なぜ旅に出たのかが描かれています。
プロも誤算の結果に
その1話で掴んでいた流れが大きく変わったのが第3話。
一気に話が飛んじゃったーーーっ!?
これによって、ストーリーが訳ワカメと、この3話でピーチボーイリバーサイドを切る人が続出。
動画配信でも3話の再生数はどちらも20位前後に後退しました。
この3話は大失敗と言ってもいいんじゃないでしょうか。
時系列版ではここは飛ばさずに描かれると思うのですが、時系列版ではサリーが旅立つ前が第1話になっているので、時系列版の3話はオンエア版の第2話になっているので、現時点ではこちらも確認することも出来ない。
監督のインタビューでは、原作をそのままアニメ化すると中途半端なところで終わるので、それを解決するのがこの再構成したシャッフル版の狙いらしい。
アニメオリジナルは入れたくないので、それをせずに原作ファンを楽しませるというのが目的みたいです。
が、当然ながらアニメ見る人は原作読んでない人もたくさんいるので、それならせめて、時系列版をテレビ放送して、シャッフル版を動画配信限定にして、ファン向けにすればいいんじゃなかったのかなと。
そうすれば、3話でアニメ派が大量離脱という大誤算も起こらなかったと思のですが。
ちなみに、特集コーナーも作られた原作漫画の方の売上なんですが、こちらも本屋のプロ、大誤算!
アニメ放送後はかげきしょうじょ!!みたいに普通はアニメ化効果でブーストかかりやすいんですけれど、ピーチボーイリバーサイドは紙の本の売上ベスト20でも、電子書籍の売上ベスト100でもまったくランキング入りしてませんでした。
複数の書店をチェックしてみたんですけれど、まったくランクインしておらず、思った以上に売れてないみたいです。
原作ファンは元々コミックス買ってますから、新規のアニメ視聴者があまり動いてないということでしょう。
これも原作ファンに向けたシャッフル放送の影響が出ているのかも。
だとしたら、制作サイド的にも本屋的にも大誤算。
こっから取り戻すには、よっぽどシャッフルして最高だったよ!という話を持って来ないと、なかなかにシーキビ状態。
誤算の明暗分かれた『かげきしょうじょ!!』『ピーチボーイリバーサイド』まとめ
今回の『かげきしょうじょ!!』『ピーチボーイリバーサイド』の誤算をまとめると、良い方も悪い方も予想外の結果はプロでもなかなか想定できないもの。
アニメに限らず、ヒット作を計算して生み出すのはプロでも簡単ではない。
そして、毎クールのように分析して仕入れている本屋のプロでも、当たり作品だけをいい感じに仕入れておくのも難しいみたい。