
あなたの心の三顧の礼:アニメマンガ名探偵すやまたくじです。
そんな今回のテーマは2022年春アニメ、パリピ孔明1話の感想&考察ー!
原作改変力が着せ恋並!
2022年春アニメの覇権予想でパリピ孔明をプッシュしていましたが、その予想通りに第1話バチコーン!とかましてくれました。
今回はそんなパリピ孔明第1話の凄さについて解説していきたいと思います。
この記事で分かる目次
『パリピ孔明』1話の原作漫画と比較した感想&考察
パリピ孔明 1話
三国志の天才軍師・諸葛孔明が渋谷の街に転生す!
そこから始まるコメディと見せかけて、助けてくれた英子のために、軍師という名の現代の音楽プロデューサーとなる
定評の作画に、売れてる漫画の原作が付いてきた
ピーエーワークスの令和の逆襲がここから始まります#パリピ孔明 pic.twitter.com/KOvdZkKeCM— アニメマンガ名探偵すやまたくじ (@suyamatakuji) April 5, 2022
パリピ孔明第1話の感想を一言でまとめると、P.A.WORKSがひさしぶりにバズったーーー!?
2010年代前半に、オリジナルアニメを中心にヒット作連発でぶいぶい言わせていた制作会社『P.A.WORKS(ピーエーワークス)』
2010年代中盤ぐらいまでは、京アニやシャフトに並ぶ人気、この頃なら鬼滅の刃でブレイクする前のユーフォーテーブルの人気を超えていたと言っても過言ではない。
が、エースである脚本家が抜けてからは、一部の人には刺さるけれど、そのクールを代表するような覇権アニメはなかなか作れなくなっていました。
結果、2010年代後半からアニメファンになった人にとっては、P.A.WORKSの名前を聞いてもピンと来ない人が非常に増えた。
そんな2022年に、パリピ孔明という初のマンガ原作アニメを制作したことで、P.A.WORKSの今の唯一の弱点である脚本力をカバー。
それによって、全盛期を取り戻る化学反応が起こりました。
原作改変力がCloverWorks並
今回一番光っていたのが原作改変力。
ピーエーワークスは神作画などと言われ、昔から作画力に定評があったので、キレイな画で原作漫画を忠実に再現すると見せかけて、1話からけっこう演出や構成を変更していました。
最近苦戦していた脚本の問題がカバーされたことで余裕が出たのでしょうか。
随所にオリジナル要素を追加し、さらに作画もここ最近の作品の中ではトップレベルの仕上がり。
初の原作マンガアニメで、いい相乗効果が生まれています。
そして、その原作改変の方も、第1話は『その着せ替え人形は恋をする』や『明日ちゃんのセーラー服』で春アニメを席巻したCloverWorks(クローバーワークス)並の仕上がり。
三国志の諸葛亮孔明が渋谷の街に転生する設定とタイトルがB級コメディ感漂うことと、テレビの放送局が少ない上にアベマ以外の配信の日程がちょっと遅いことが影響して、第1話は着せ恋や明日ちゃんのように爆発的にバズっているわけではありませんが、見た人の口コミが広がり、徐々に話題になってきています。
ピーエーワークスとクローバーワークス、ワークス繋がりで今期アニメにまた新たな旋風を巻き起こすかもしれない。
ここからは原作漫画と比較しながら、その原作改変力に迫っていきます。
オリジナルの三国志解説
初っ端からアニメオリジナル。
この地図を使っての三国志解説は原作漫画にはなかった演出。
原作では三国志好き以外も楽しめるようにと、コメディの部分以外は詳しい解説してないのですが、アニメでは冒頭でサクッとコンパクトに解説してきた。
これによって、『三国志分からないから不安だったけど、大丈夫だった』といった感想がけっこう出ていた原作改変のファインプレー。
コーエーのゲームや横山光輝先生の漫画『三国志』が流行った世代にとっては、『三国志は男のバイブル!』なんて言う人も多いですが、それ以外の層にとっては三国志の基本的な情報すら知らない人の方が過半数。
最初に基礎解説をサクッと入れたことによって、三国志ネタがより楽しめるようになりました。
ただこの地図、魏の勢力図が史実と違う(実際は朝鮮半島までは支配していない)ということで、三国志オタクに突っ込まれてましたが、この辺は配信版では修正してきます。
諸葛亮孔明の転生
孔明が死んでから渋谷に転生するシーンは演出変更。
まずこの『234年 諸葛孔明死す』の文字演出には原作漫画にはなかった。
この辺はゲームや横山光輝先生の三国志を意識しているような演出。
これゲームだったら、武将が死ぬときに●●年に巨星堕つ!といった演出が入ってきてたので。
また、孔明が目覚めるシーンも、原作漫画だといきなり渋谷のど真ん中に降り立って、バチコーン!というコメディ展開でしたが、
アニメでは路地裏でまずはゆっくりと目覚めて、それから大通りに出るというドラマ仕立ての演出に変更。
今回の1話全体を見る限り、全体的に原作よりもコメディ要素を抑え、シリアスなドラマをメインで攻めるスタンスを感じました。
英子のライブは大幅強化
第1話の目玉である英子初登場のライブシーンは大幅強化。
アニメではちょっと尺を使っていましたが、なんと原作では3ページ4コマでサクッと終わったシーン。
それをアニメではまず英子がオーディションに落ちて落ち込んでいるオリジナルシーンを追加し、そこからライブシーンに繋げる形に変更。
これによって、英子がライブの後に『才能がない』とぼやくセリフに、より説得力をもたせる形になりました。
そして、ライブシーンを派手にすることによってアニメ的に見せるのはもちろん、その後に孔明が英子の歌に感服したというセリフの説得力も増した。
英子のライブシーンは、ピーエーワークスお得意の作画力を魅せるだけでなく、普段のキャストは本渡楓さんですが、歌の時はプロの歌手である96猫(くろねこ)さんを起用することで歌でも聞かせてくる。
ここでパリピ孔明を見た人のハートをガッチリと掴んだ神シーンだったのは間違いないでしょう。
ただ、本渡楓さんも『ゾンビランドサガ』やゲーム『JUDGE EYES(ジャッジアイズ)』で、歌手役としてぶいぶい歌っているから、そのまま本渡楓さんが歌っても良かったんやで。
英子のお色気は逆に抑えめ&さらに伏線追加
紳士たちがざわつきそうな、英子のシャワーシーンは原作よりも逆に描写をカット。
この後の着替えのシーンなどでもお色気描写があったのですが、アニメではその辺を徹底して描写抑えめ。
ただ、原作でも序盤以降は英子のお色気はほとんどなくなり、歌以外ではコメディの方が目立つキャラにシフトチェンジしていくのですが。
なので、アニメではこの原作の流れに乗って、さらに歌手としてのドラマ性で魅せるのにも、お色気はいらないと判断したのでしょう。
かと思えば、英子の部屋のシーンではサラリと伏線を追加。
子供の頃の英子とメガネを掛けた男性のこの写真。
原作にはなかったこんな伏線もサラッと入れてきました。
ただこれ、かなり先のエピソードなので、1クールではここまでいかないので、パリピ孔明は分轄2クール、もしくはアニメ2期やる気マンマンですよ!という意味も込めた伏線なのかもしれない。
英子の弾き語り&五虎大将軍も強化したけど…
英子の部屋での弾き語りも、もちろん大強化。
ここも原作漫画では3ページぐらいでサクッと終わります。
さらに、先ほどのライブシーンも合わせて、原作では歌詞が一切書かれてないので、どんな歌かよく分からなかったのですが、
アニメではバラードで聴かせるね~。
そりゃ孔明も、主君である劉備と、仲間たちを思い出して泣いちゃうよ。
ただ、ここ原作だと劉備・関羽・張飛の三人だけでしたが、
アニメでは趙雲と黄忠も追加。
これによって、孔明が所属した蜀の五虎大将軍、全員集合ー!…と見せかけて、一人足りないんですけどー!馬超だけいないんですけどー!
これも地図と同じく一人入れ忘れただけなのか?
それとも、この後に馬謖が出てくるので、三国志知らない人にはややこしいので、馬超は出さない方針なんでしょうか?
諸葛亮の履歴書と馬謖の評価アップ
オーナーとの面接では、原作での余計な前振りはカットして、Bパートはいきなり面接から。
その代わり、原作では見せなかった履歴書をガッツリと見せてくる。
学歴・職歴の部分が、誕生の次に天下三分の計を説くは、ちょっと大雑把すぎると思うけど!
ちょっと前のウィキの情報もざっくりとまとめてたし、この辺も三国志が分からない人向けに、歴史の情報はなるべく簡略化してお送りする方針なんでしょう。
かと思ったら、眼帯のバーテンダーは、三国志の魏の武将である夏候惇に見立てるなど、原作になかった三国志ネタ入れてたりもしてたけど。
また、三国志で有名な泣いて馬謖を斬るのネタの下りはほぼ原作通り。
ちなみに、馬謖ってこの大失態の影響で、初期は無能な印象があり、ゲーム『三国志1』では知力61(ちなみに孔明は100)だったのですが、孔明が評価していたこともあって、後に評価が上がった武将。
さらに、パリピ孔明では長安を突くという構想があった裏エピソードも追加したことで、馬謖の評価がもっと上がる。
ただ、馬謖の年齢は40手前だったので、若手を育てるというのはどうかと思うけど(昔の寿命とかも考えると)
三顧の礼は構成チェンジ
1話のラストとなる諸葛孔明・三顧の礼は、原作から構成をけっこう変えてきた。
原作だと孔明が軍師になる!というところで終わって次回に続いていたのですが、これを英子の答えを聞くまでアニメでは入れてきた。
そんでもって、孔明の三顧の礼のセリフを言うタイミングなども原作から構成を入れ替えてきた。
最近のアニメでは脚本で苦戦していたピーエーワークスさん。一から作るのではなく、元となる原作があるのなら、構成はいけまっせ!という実力を見せてきた。
2022年春アニメ『パリピ孔明』1話の感想&考察まとめ
パリピ孔明1話の感想と考察をまとめると、ピーエーワークスの作画に脚本が付いてくれば、神アニメが出来るということを令和の時代にも証明しました。
今回は着せ恋的に原作をベースにパワーアップさせる形でしたが、この調子なら、話数が進むと明日ちゃんのようにオリジナル要素が増えてくるかもしれない。
どちらにしろ、今回のピーエーワークスを見る限り、やってくれそうな予感しかない。