
あなたの心のないない尽くし:たくじです。
アニメをより楽しむための考察や解説をお送りしています。
今回のテーマは『スーパーカブ』第1話の感想&解説ー!
オンリーワンな日常系!
スーパーカブ 1話
親なし友達なし趣味なし
何もない少女がカブと出会ったことで人生が変わる
コメディでもなければ萌えもなし
カブと出会った主人公の生活を淡々と描くだけ
だけど、妙に引き込む魅力がある
新たな形の日常ものがここにありました。#スーパーカブ pic.twitter.com/25miojioJq— アニメマンガ名探偵たくじ (@suyamatakuji) April 7, 2021
ちなみに、わたくしアニメで放送された部分の原作1巻を読んだ上で、アニメだけでは分かりづらい部分の解説も加えて感想や考察を語っています。
動画解説:親なし友達なし金なし趣味なし女の子の日常アニメ【スーパーカブ】第1話感想・解説(約10分)
アニメ『スーパーカブ』第1話の感想・解説・考察
今回の第1話の感想を一言でまとめるなら、独特の世界観ーーー!!!
日常系アニメの定番、コメディなし、萌えもなし。
主人公の小熊は、両親もいない、お金もない、友達もいない、趣味も将来の目標もない「何もない、ないない尽くしの天涯孤独の女の子」
日常系アニメの主人公にしてはなかなかハードすぎません?というような設定ですが、当の本人はまるで気にせず淡々と暮らしている。
そんな小熊がスーパーカブと出会うという小さな出来事が、人生を大きく変えていくという『こんな日常系見た事ない!』という独特の世界観。
今回はそんなスーパーカブの原作1巻の第1話~4話までを、アニメ1話にギュッとまとめてきた形。
そんなアニメでカットされた部分も含めて、今回もポイントに絞って感想と解説を語っていきます。
ちなみに、ブログ版、または動画の概要欄で、原作ラノベとマンガ版の試し読み、その他の関連動画をまとめています。
気になる方はそちらもチェックしてみてください。
原作ラノベから大幅にカット
まず最初に言っておきたいこと。
スーパーカブのアニメ版は原作ラノベから大幅に変更されています。
というのも、アニメ1話で分かる通り、主人公の小熊はあんまり喋りません。
原作でも同じなんですが、当然ながらそのセリフだけだとラノベはすかすかになってしまいます。
結果、原作版スーパーカブでは小熊の心の声や状況説明が他のラノベと比べて、かなり多く語られています。
ここで、小熊に親がいない理由とか冒頭から語られているのですが、それがバッサリとカットされたので、アニメ版ではより不思議な世界観となっています。
日常系アニメのスーパーカブでは、原作で語られている裏事情を中心に解説していきたいと思います。
ただ、アニメ版だと別の形で後から語られるかもしれない。もしくは、アニメでは敢えて一切解説しないなら、ネタバレが嫌とか、その世界観を壊したくないという人は、今回はここでストップして頂ければと思います。
小熊の親がいない理由
さあ、よろしいでしょうか?
まずは気になっている人が多い小熊の親がいない理由から。
この辺はラブコメラノベなどでよくあるようななぜか両親が出て来ないというパターンじゃございません。
ちゃんと理由が語られています。
父親は小熊が小さいときに事故で亡くなり、女で一つで育てた母親は小熊が高校に進学した時に、お役御免といわんばかりに、お金も残さずに書置きを残して蒸発しちゃいました。
しかも、両親は駆け落ち同然で結婚したため、親戚付き合いとかも一切なく、その両親の親もすでに亡くなっているとかで、小熊は完全に天涯孤独の状態。
唯一、生きてる母親については蒸発したとしか語られていませんけれど、その理由は子供のためじゃなく自分の人生を生きたいとか、好きな男が出来たとかなんでしょうかね。
もともと父親とも駆け落ちして結婚したぐらいだし、衝動的な女性なのかもしれないですね。
どちらにしろ、子供は置いていくなよ。せめて、生活費ぐらいは置いてけよって感じですが。
小熊という女の子
そんな母親のことを小熊はどう思ってるのか?
自分を捨てたわけですから、心の中では恨みや怒り、悲しみが少しはあってもおかしくない。
だって、人間だもの。高校まで育てたなら、成人するまであとちょっとじゃねえかって感じですしね。
そんな母親がいなくなった時の小熊の心境は、
特になんとも思ってねえー!!!強いて言えば、明日からの生活どうしようぐらいー!!
小熊さん、人やモノに執着がなく、母親と二人で住んでた時もほとんど会話がなかったらしいです。
人に興味がないから友達もいない。人に興味がないから人付き合いが苦手(原作を読む限り、会話が苦手なだけで人見知りとかではなさそう)
なので小熊は、母親がいなくなってもショックを受けたり焦ることもなく、『すん』とした平常運転だったわけです。
お金や食事などの小熊の生活事情
でもぉ~、高校生の一人暮らしじゃ生活はどうしてるの~?
ここを疑問に思っている人も多かった。
答えは学校や役所に相談に行き、奨学金をもらって生活している形ですね。
そこは生活保護じゃないんだと思ったのですが、小熊はバイトとかもしてないので、返済の義務の給付型の奨学金なのかなと予想します。
贅沢をしなければ、小熊一人が暮らすのは問題ないレベルの金額はもらえているそう。
それでも、テレビもない質素な家、アニメ1話でもちょっとだけ出ておりましたが、ご飯はレトルトの牛丼やカレーを食べている(色々試した結果、これが一番安いらしいです。これだと野菜不足で身体に悪いと思いますが)などして、かなり倹約しているのは間違いありません。
そんな質素な生活を見て、小熊の髪の色に白が混じっているのは、苦労しているから白髪じゃないか?と予想している人もいましたが、小熊自身はこの生活に一切不満なし。
人にもモノにも執着がないので、テレビがなくても食事が質素でも全然平気。
高校生にして仙人のような心境に達しているのが、小熊という女の子。
バイクのおじいちゃんと会った時の心の中
そんな物欲がない小熊がバイクに興味を持ったのは通学路の坂が自転車ではきつかったから。
ただ、バイク屋に行ったのは偶然で、こっちの方が坂が楽かなといつも違う道行った時に、そういえばこの先にはバイク屋があったなと思い出したから。
アニメでも分かる通り、思った以上に値段が高いので帰ろうしましたが、おじいちゃんに呼び止められて足を止めたのは、接客業にしては笑顔一つ見せないおじいちゃんに自分と同じ人付き合いの苦手さを感じたから。
いつもの自分だったら無視して帰るとか、心の中ではじいさんと言ってたり、『なかなかぶっきらぼうなところもあるやんけ!』という女の子。
この小熊とじいさんがやり取りしている原作の裏側はなかなか面白いことになっておりますよ。
スーパーカブを手に入れた心の中
そんな小熊がスーパーカブを手に入れた心の中。
これは自分を新しいところに連れてってくれるんじゃないか。
物欲がない小熊ですから、ただの交通手段として思っているだけかなと思ったのですが、意外とスーパーカブに希望を持っていた。
この辺はアニメでも、買ってきたときに窓から駐輪場においてあるスーパーカブを眺めているシーンとかで伝わったと思いますが。
何もなかった小熊の人生がここで変わったという感じですね。
ただ、そんな高揚感は一瞬で砕かれた。
バイク屋から自分の家まで、初めて乗ったスーパーカブに思った以上に精神を削られ、失敗だった!とまでは思わなかったのですが、ちょっと希望を無くしかけたりもしてました。
アニメでは淡々と描かれてましたけど、原作では小熊の心は激しくアップダウンしておりました。
スーパーカブが動かなくなった時の絶望
それでもまた乗りたくなるぐらいの情熱は残っていた。
というより、落ち着いてまたまた湧き上がってきたという感じ。
早く慣れるために夜のコンビニに行ってみる。
このシーン、小熊の中ではちょっとした冒険の気分でした。
それがこんなことになるんなんてー!!
この時の小熊さん、原作の心の中では大パニック!(母親が失踪しても落ち着いていたのに)
バイク屋のじいさんに助けを求めようとか、色々と頭の中でぐるぐると回っていました。
ガソリンメーターがあんなところにあったら、初心者はガス欠とは気づきにくいよね。
それをコンビニから出て来たおっちゃんと話したことで、説明書の存在を思い出してなんとか乗り切る。
ここアニメオリジナルのシーンだったんですけど、原作よりドラマ性が上がってナイス演出。
スーパーカブを買って初日でトラブルが起こる。
そんな普通にありそうな日常を、こんな風に面白く魅せてくれるアニメはなかなかない。
アニメ『スーパーカブ』第1話の感想&解説&考察まとめ
今回の話をまとめると、スーパーカブは空気感と日常感の独特のセンスが秀逸。
また、原作を読むとアニメではバッサリカットされている小熊の心の中も分かって、さらに深く楽しめる要素もある。